午後、ご門徒さんが往生されたとの連絡がありました。お名前を聞いて一瞬、言葉を失いました。先月のお盆参りの際、ともに お経をあげたばかりのご門徒さんだったのです。
「暑いのに大変ですな。まあ、ジュースでも飲んでいってください」
いつもと変わらぬ笑顔が思い出されます。
この数年、岩井のグラウンドゴルフ場でプレーされている姿を、幾度となくお見かけしました。ご家族からは、「お盆参りの数日後、体調を崩して病院に行ったら、大きな病気が見つかったんです。本当にあっという間でした」とうかがいました。
お仏壇の経卓(きょうじょく)には、表紙の擦り切れたお勤行集が遺されていました。幾千回、ページをめくられたことでしょう。

「朝、昼、夕方と一日に三回、必ずロウソクを灯し、お線香をあげて手を合わせる毎日でした」とご家族が教えてくださいました。
明後日の夕方がお通夜です。ご門徒さま自らが南無阿弥陀仏を称えられるお姿はもうありませんが、これまで称え、重ねてこられたお念仏の声は、お仏間に、そしてご家族の心にしっかりと響き続けていることでしょう。
尊いご生涯に深く思いを馳せつつ、お通夜、葬儀をお勤めさせていただきます。