名を記す

昨日の夕方、お寺にお客さんがありました。この2月にご往生されたご門徒さんのご家族・ご親戚の方です。

生前、ご門徒さんから、「お寺のために使ってほしい」と懇志をお預かりしました。この度、ご門徒さんのお名前を記した五条袈裟と法衣(夏服)が仕上がり、それをみていただくために来ていただいたのです。


袈裟の裏側と、夏服の胸もとの裏側に、お名前が記されています。よろこんでいただいたようで何よりでした。ご門徒さんの名前をスマホで撮影し、ご家族に知らせるとのことです。

「名」とは「夕」と「口」があわさった漢字です。薄暗い時分に、大きな声で私を呼ぶ声です。私も、袖を通すたびに、ご門徒さんのご厚志を味わうことができます。そしてお寺を見渡してみれば、ご本尊も、お飾りも、畳も、柱も、屋根瓦も、何もかもが、多大なご厚志によって、ここにあるのだと感じることができます。物の背後にある人と人とのつながりに思いを馳せることができます。

衣替えは6月からですが、5月26日の永代経法要にて、初めて袖を通させていただきます。


ご門徒さん、ご家族のみなさま、ありがとうございました。

「日本初の女性弁護士 中田正子」展

一昨日、鹿野のお寺さんにうかがう前、青谷(あおや)の郷土館に立ち寄りました。
日本初の女性弁護士 中田正子展を見学するためです。

https://www.tbz.or.jp/kyoudokan/special/3102/

現在、NHKで放映中の「虎に翼」。主人公の「寅子」(ともこ)は、司法試験に合格した初の女性弁護士・三淵嘉子さんをモデルにしています。中田正子さんも初めて合格した3人のうちのお一人です(もう一人は久米愛さん)

中田さんの幼少期から弁護士として活躍された晩年までの写真、司法試験の合格証、新聞記事など彼女の人生を紹介する資料が展示されていました。

中田正子さんは明治43(1910)年、東京に生まれます。昭和14年、鳥取県若桜町出身の中田吉雄と結婚し、正子さんも昭和20年、若桜に疎開。夫は昭和25年に社会党の参議院議員となります。正子さんも1日25回も街頭演説する日があったそうです。議員の妻として、3人の子どもを持つお母さんとして、そして昭和25年には鳥取市内に中田正子法律事務所を開設し、女性弁護士として活躍されました。

86歳まで法廷に立ち、88歳ごろまで相談を受けていたそうです。
「ここには私を必要とする人たちがいる」と、東京の子どもたちからの誘いも断り、鳥取の地で過ごされました。平成14年、91歳で生涯を閉じられています。

相談者から親身に話を聞き、
「真実が一番強いから正直に言ってください」
「いつでも人の記憶というものは案外あてにならないから、いつどこで何があったかというのはいつも記憶しておくととても役に立ちますから」
と話していたそうです。

弁護士活動は東京でスタートされましたが、「主婦の友社」が主催した法律相談を担当され、手紙が週100通以上寄せられるほどの人気。整理のためのアルバイトが必要だったそうです。

「赤毛のアン」の翻訳者として知られる村岡花子さんが、彼女の司法試験合格について寄稿した新聞記事が展示されていました。
「将来同性のために大いに気を吐いてくださるやう、期待してゐます」
「婦人界の先駆者の道は、決して薔薇で敷き詰められた楽しいものではありますまい」
とありました。

展示会は明日19日までです。お近くの方がありましたら、ぜひ足を運んでみてください。

「夫から逃げて幸せです」

坊守です。

東京にいた時の、知人からひさしぶりに連絡がありました。

編集の仕事をしてきた彼女、DV(身近な人からの暴力暴言)を経験した女性むけの連載を手がけているとのこと。「必要な人がいるかもしれないので、よければ広げてください」という内容でした。

暴力をふるう配偶者から、2人の娘を連れて逃げた自らの体験を通じて、公的な相談窓口やその際準備しておけばいいことなど、当事者だからこそ分かる、必要な情報を伝えてくれています。

彼女と知り合ったのはたしか13年前でした。わたしが編集者として手がけていた紙面に、協力いただいたのがきっかけでした。文学少女が、なんでもできる賢い編集者になった…という印象で、人知れずそんな深刻な悩みを抱えていたとは想像もできませんでした。


ご本人もDVの悩みを語るのは恥ずかしい、という思い込みがあった、とのちに自覚したようです。


エッセイストの藤井セイラさんの連載はこちらです。家族の暴力など、そもそもこの世から無くなればいいのですが、いま必要な方に届けば、と思っています。

鹿野の新しいスポットに

午後、所用で鹿野(しかの)の浄徳寺さんに。用事が済んで、そこから歩いて数分のところにある稲妻飯店さんへ。知りあいの方の息子さんがこのほど開店しました。古民家をリノベーションし、照明はトルコガラス。現在はお母さんもサポートで店に立っておられます。

ご近所の方たちからは、歩いて帰れるところに飲めるところができて、たいへんよろこばれているそうです。

前菜にでたたけのこ。ココナッツミルクで甘く煮たそう。地のものです。

ランチはほとんど売り切れてしまったそう。私はパイコー(排骨)をいただきました。台湾風の豚の揚げものです。こちらも少し甘めの味付けで美味。

私と同じく閉店間際に来られた方は、魚料理を注文。タラを蒸したもので、これまた美味しそう。

店の雰囲気も味も、そして料理人さんもとてもいい感じです。農作業とこのお店の「二刀流」でがんばっているそうです。

鹿野に来る楽しみができました。

漁村の風にあたる

昼間、網代へ。知りあいの方や中学時代の同級生のところにお寺フェスのチラシを配るためです。日差しはつよいですが、心地よい風が吹いています。しばし車を停めて休憩です。あたりには磯の香りがただよいます。

今はわかめのシーズンです。網代のなだばたで風にそよいでいました。あぶっても、味噌汁の具にしても美味しいです。

写真中央、対岸は鳥取砂丘です。

その鳥取砂丘では、名産のらっきょうの収穫がはじまります。少なくはなりましたが、軒先でらっきょうを切る方の姿も見かけることができます。

「ひと月したら、ええアルバイトになるだで」と先日もご門徒さんからうかがいました。

お寺フェスでは、網代の風にあたったかれいの干物をご門徒さんが販売します。こちら数量限定です。来られる方はお早めにお買い求めください!

ター坊の通院日誌12

坊守です。
ター坊、抜糸からひと月、抜釘オペからひと月半の受診日でした。

いつものように、レントゲンを撮っていただいたのち、先生から画像の説明が。


前回と見比べると、まわりの骨はしっかりしてきたものの、中の部分の密度が気になるとのこと。X線写真は骨が詰まっていると白くうつるものですが、指摘された部位は確かに他より黒っぽいか…メガネをおさえて画像をジーッとみるのですが、ワタシにはなんとも。
運動が足りなければ、骨密度も低下することはあるし、ケージの外で動きましょう、と指示が出ました。
(このところ、フライングで外に出てたね、ターくん。汗)

ひと月して、また受診。その後は半年くらいに経過をみせに行く、という見通しになりそうです。

なお、隣の診察室には、職場の後輩の親御さんと愛犬が!(呼ばれた姓とワンちゃんの犬種と毛色でもしや、と声をかけたら当たりでした)。一時は命も危ういか、という病状が、鳥大で診てもらって病名が分かり、だいぶ落ち着いたそうです。
ひとつ屋根の下で暮らせば、動物といえどもちいさな家族だなぁと、おかあさまの口ぶりに思いました。

受診日は朝ごはん抜きでご機嫌斜めだったター坊、帰ってカリカリを平らげたら、窓際のベッドにおさまりました。紫外線を浴びると、骨を強くするビタミンDがカラダの中でつくられるので、しっかりひなたぼっこしましょう。

「しんらんさま」が子守唄

午前中、町の社会福祉協議会へ。サロン担当のYさんは、お寺のブログをよく見てくれています。ター坊のことを気にかけていただいてありがたいことです。都合つけばお寺フェスにお越しください。もしかしたら、ター坊やナモをみていただけるかも?

その後、最近開店された地元の飲食店さんと、店長さんと懇意にされているご門徒さんがいらっしゃいました。岩井集落の方へのPRもかねて出店をだしていただくことになりました。焼きそばと唐揚げを販売されます。

今日は午後、二七日のおつとめでした。本日もたくさんお集まりです。ご門徒さんから、「先週、息子が『「しんらんさま」がなかった』と残念がって。あの歌、子守唄にしとったけえ、息子は覚えとって」との声。それは申し訳ない! 息子さんは仕事で不在でしたが、最後、『しんらんさま』を歌いました。歌詞を見なくても歌えるご門徒さんがいらっしゃり、大合唱。「なんていい歌だが」と話す方も。

残念ながら今の経本には掲載されていません。古い歌ですが、古関裕而さん作曲の名曲です。

そよかぜわたる 朝の窓 はたらく手のひら あわせつつ 南無阿弥陀仏 となえれば しんらんさまは  にこやかに 私のとなりにいらっしゃる

来週も歌いましょう!

6月に本願寺、そして親鸞聖人の墓所でもある大谷本廟を訪れる予定です。大谷本廟の境内で「しんらんさま」を歌うのが西法寺の参拝の恒例です。聖人の墓所でうたう「しんらんさま」は、よき旅の思い出となりそうです。

第2回 お寺フェスに向けて⑤

今日の午後はお寺の役員会でした。2週間後に迫ったお寺フェスの役割分担などの確認が主な議題です。

いまのところの予報では前日25日(土)は雨、当日26日(日)は曇りです。

「私、イベントの時には雨だったことないでー」という役員さんも。たしかに、昨日のお寺掃除は好天でした。そして今日は大雨です。

みなさんの役割を確認して今日の会議は短時間で終了。前日は午後3時から準備です。落語家さんによろこんでいただいた高座を、今回もつくります!

お寺フェスに向けて④ 掃除の日

午後、お寺フェスと永代経法要に向けたお寺掃除をしました。境内の草を刈り、本堂の縁や戸を水ぶきです。

「家でもこんなにきれいに草をとらんで」との声も。

お釈迦さまのお弟子さん、周利槃特(しゅりはんどく)は、掃除をしつつ自らの煩悩を滅したと伝えられています。みなさんはどうだったでしょうか?

初参加のご門徒さんはじめ、思いがけず21人も集まったので最後に記念撮影。みなさん、ありがとうございました!

第2回お寺フェスに向けて③

昨日は午後、網代で習字教室があり、久しぶりに参加できました。昼から陽気も良くなったので、帰りに宇治の集落にお寺フェスのチラシを配って歩きました。周辺の田んぼの田おこしも終わり、農家のお宅の庭先では苗が田植えを待っているのでした。

宇治の田んぼ

そして今日の午前中、真名(まな)、長谷(ながたに)、白地(しらじ)集落を配り歩き、岩井の共同浴場の掲示板にもはっていただきました。白地を歩いたのは実に小学生の時以来です。

白地の集落

2時間ほど歩き回って終了。長谷では農作業中のご門徒さんから小松菜とからし菜をいただきました。

明日は昼からお寺フェスに向けたお寺掃除、日曜は役員会の予定。いよいよお寺フェス目前です。