ノロノロ運転です

10月も今日で終わりです。思いがけず、月の半分を病院で過ごしてしまいましたが、これもいい経験と思うしかありませんね。退院の日の朝、泌尿器科のお医者さんからは、「山名さんは正座することの多い仕事だと思います。これは私の印象ですが、正座の体勢が前立腺を圧迫して病気になりやすいように思います。気をつけてください」との助言がありました。思ってもみないお話でした。

昨日はふさしぶりに法事をつとめ、かつ、ひさしぶりに大きな声で読経しました。なかなか声が出て来ず、焦りましたが、最後の方はだいぶ声も出て一安心でした。

今日は銀行や郵便局に用事で行った以外、引きこもって過ごしています。役員の方からお見舞いの電話をいただきました。ありがとうございます。

11月3日には同じ因幡組のお寺さんで継職法要が予定されています。当日に向けて、体調を整えていきたいと思います。

50回忌のおつとめにて

今日からぼちぼち仕事を再開しました。
午前中は50回忌のおつとめです。
以下のようなお話をさせていただきました。

仏教は縁起を説く教えです。「いのち」は、多くの「いのち」のつながりの中にあるということです。もっと噛み砕いていうならば、「いのち」とはもちつもたれつということです。ですから、「関係ない」という言葉は、仏教からはほど遠い言葉といえます。本来関係あるのに関係ない「いのち」と分けてしまうことが、いじめや差別、果ては紛争・戦争などの問題の根にあるのではないでしょうか。

「いのち」には、長い長い歴史があります。私が生まれてくるまでにすでにあったのです。50回忌は、葬儀の日からもっとも遠い年月を経て行う法事です。その間にも人は生まれ、去っていきます。それでも法事をつとめるということは、大きないのちの流れの中に私もあるということを、亡き方から教えていただいているのだと思います。故人を偲びつつ、自らの歩みを振り返ってみるという意味もあるでしょう。

そう考えてみますと、私たちは数え切れない「いのち」に護られ、支えられて生きていることがわかります。家族、友人、知人はもちろんですが、顔も名前も知らない人たちによって日々の生活は支えられています。漢字で書いてみると、「無量寿」「無量光」です。インドの言葉でアミダです。私たちは阿弥陀の世界に生きているのです。

私自身、この無量寿・無量光ということを考えてみますと、お恥ずかしい姿しかありません。こうした教えに出遇えなかったら、生涯、垣根を作って、お互いの「いのち」をそれほど気にも留めないで生きていたかもしれません。

日本人で「私は無宗教」とこたえる人は7800万人ほどいるそうです。世界で見ると中国に次いで第2位です。無宗教でも構いませんが、「無量のいのちに支えられ私がある」という自覚は、生きていく上で大切であると思います。

長きにわたってご法事をお勤め下さいまして、誠にありがとうございました。

ター坊の日記

たーぼです。
きょうのおひる、なもちゃんとえんがわにおったら、まどがらすのところに、だれかがきました。
なもちゃんは、にゃーにゃーいって、おげんかんにはしっていきました。ぼくもなもちゃんにちゅいていったけど、そのひとが、こわいひとかもしれんので、おうちにはいってきたときに、サカサカサカーっと、にげました。
「ター坊、ター坊」とぼくのことをよぶこえは、きいたことがあって、あれえ?と、かんがえていたら、そのひとは、じぶんがたべていた、くれーぷのかわをぼくにわけてくれたので、このひとは、おいたんだ!と、わかりました。


おいたんは、だいぶまえからおうちにかえらんかったので、おばちゃんとなもちゃんとねんねしてたけど、きょうからにぎやかになって、いろいろはりきってやろうかとおもいます。

住職の入院日誌11

昼間に尿管にあったステントを引き抜いてもらい(おもしろい格好を強いられました)、明日の午前中に退院予定となりました。長い長い1週間でした。

同室の方は31日が退院予定とのこと。「暇で暇でしょうがない」とこぼされていました。私の方は横になったり、歩いたり、本を読んだりしながら過ごしています。

今日は葬儀があり、久しぶりに七条袈裟をつけた前住職には大変だったようです。同行していた坊守からヘルプの電話がありました。うまく着衣できたようで、よかったです。明日も葬儀が予定されており、ご老体にムリを強いるようで気の毒なことですが、あと1日、よろしくお願いします。

住職の入院日誌10

2度目の入院生活も、今日で早くも8日目です。点滴による治療は今日の深夜3時前に終了。朝から飲む薬になりました。この3日は平熱です。

坊守からは「お経が浮かぶもの?」と質問がありました。浮かびますよ。『仏説阿弥陀経』。冒頭に「給孤独」(きっこどく)とよばれた大富豪の名前が出てきます。孤独な方にご飯を配ることをモットーにしていたそうです。いまはコロナ禍で、家族も面会できません。孤独な方たちのケアをする病院の方たちは現代の給孤独なのかもしれませんね。ありがたいことです。

10月16日に尿管結石の手術のため入院して18日に退院。19日に高熱を発して、かかりつけ医の生協病院で診ていただいて、そのまま市立病院に入院し今に至ります。1回目と2回目の部屋は同じです。看護師さんにはずいぶん気の毒がられました。同室の方は順々に退院されていきます。10日もいるのは長い方なのかもしれませんね。

このまま何もなければ週末には退院できるはずです。もうしばらく養生します。

住職の入院日誌⑨ふたたび留守宅編

坊守です。
今日は留守宅編ですが、住職に別状はありません。病棟に着替えを持っていったところ、廊下で主治医と会えて(よく会えて幸運です)「良くなってきたので、退院のことも話せるようになりそうですよ」と、笑顔で報告を貰いました。
住職からは、Tシャツがないだの、本を持ってきてほしいだのリクエストが来始めたので、確かに回復しつつあるでしょう。読みたいという本のひとつは『人は死んだらどこへ行けばいいのか』でした。病院では隠して読んだ方がいいんじゃないかと思います。

留守宅の方は、なんとかやっています。前住職がお勤めを代わってくれていますので、ついでに住職入院の情報も大げさぎみに漏洩中。
仕事帰りに漁村の檀家のおばあちゃんの家に寄ったら「若住職が悪いと聞いたで。大丈夫なんだろうな!?」と、両手をワシッとつかまれました。簡単な手術をしたあとで、42度も熱が出て、おさまるまでみてもらっているから大丈夫、と説明すると、熱の話で「あっとろしい!(恐ろしい、の意味)、あっとろしい!」と連発されていました。お寺のブログを読むことのない方々には心配をおかけしているかもしれません。このおばあちゃんには「住職は大丈夫」という噂を流して下さいとお頼みしました。SNSが盛んな昨今ですが、岩美ではまだまだ口コミが重要。

私もなんとか元気です。今朝は義母から「朝ごはんを作ってある」と庫裡に呼ばれて、出勤前にあたたかいお味噌汁をたらふくよばれました。せっかく減った体重が戻るのはもったいないですが、甘えさせてもらいました。
病院も、留守宅も、もうひと踏ん張り。退院祝いに餃子パーティーでもしましょうか。

住職の入院日誌⑧

昨日の夜中、激しい雨が降り、何度か目が覚めました。今日は午後から晴れ間が広がっています。市立病院は鳥取市南部の的場というところにあります。病院は市街地の外れにあり、まわりには田んぼが広がっています。

病状の方は、先週木曜深夜の入院以来、はじめて平熱がつづきました(午後6時現在)。夕方、回診に来られた担当医からは、「炎症もずいぶん治ってきました。回復していますよ」とお話があり、ひと安心したところです。油断は禁物ですけれど。

住職の入院日誌⑦

2度目の入院も、はや5日目となりました。毎日、朝から抗生物質とエネルギー補給のための点滴を受けています。後者の方は1リットル分ですから、夕方近くまでかかります。

熱は初日の41.7度にはじまり、昨日は38度でした。熱が高くなれば点滴の解熱剤投与です。熱も下降傾向で、日に日に快方に向かっているように感じます。

看護師さんのなかに、岩美町網代集落で見かける苗字の方がいらっしゃいました。たずねたところ、ご門徒さんの弟さんの娘さんでした。「岩井のお寺にお参りしたこともありますよ」とのこと。意外なつながりにちょっとびっくりでした。

住職の入院日誌⑥(留守宅編)

こんばんは、坊守です。
きょうのブログは住職の入院日誌から視点を変えまして、留守宅編といたします。

木曜夜の救急外来からの再入院は、それなりの事件でしたが、この土日に予定されていた法務が多めで、それを前住職に勤めきってもらう、ということが次なるヤマとなりました。

住職が病床からLINEで送ってくる法名やお勤めの段取りを義父母に伝えつつ、あわてるあまり、日程をごちゃごちゃにとり違えるのを修正したり、夫婦喧嘩になりそうなところに割って入ったり(喧嘩するほど仲が良いと言いますけれど)、ほつれた着物を猛スピードでつくろったり、余裕の笑顔で接しながらも内心は住職の体温くらい、乱高下していたのでした。笑

そして、今日のクライマックスは、青谷のお寺さまの通夜の運転手をする道中、県中部の湯梨浜町まで走っちゃったことでした。青谷のトンネルを出てから「この辺は道がややこしいからワシが案内しよう」と、後部座席からナビを申し出てくれた義父の指示通りに走った結果「直子さん、これは米子に向かう自動車道だなぁ」ということになったのです。ドライブなら笑って笑って戻るのですが、今回は義父とも親交のふかかった大事な方のお通夜です。真っ青になりながら十数キロ余分に走ってとってかえり、遅刻は免れました。

住職からは「無事に到着しましたか?」と、連絡がきていましたが、どんなことがあったかは、心配でまた熱が上がると困るので報告していません。

ああ、ナモタリが大騒ぎする居間に帰って、ホッとしています。今日は久しぶりにぐっすり眠れそうです。

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