朝から納骨堂の工事が進んでいます。駐車場には業者さんのお父さんの姿がありました。70代半ばにして、今も現役で現場に立たれているそうです。
タバコをふかしながら、お父さんは住職にふと、若い頃の昔話を教えてくれました。
実は20代の頃、5年ほど思うように働けない時期があったといいます。早朝からの激務と、宴席の付き合い。心身のバランスを崩し、精神的な不調に陥ってしまいました。
「仕事には行きたいだで。だけど、車を運転して100メートルもすると、えらい動悸がして運転できんようになる……」
困り果てた末、兄弟の勧めでダメもとで向かったのが、四国のお遍路でした。
「夜遅くまで霊場を回って、やっと宿に着いて『さあ飯だ』と思っても、まずは読経からだけえ」。お父さんの口からは、今でも『般若心経』の経文がスラスラと流れるように出てきます。
観世音菩薩のご利益があったのでしょうか。あるいは激務から解放されたことがよかったのか、お父さんは体調を回復されたといいます。「ああいうときは、本当に何かにすがりたいという気になるもんだ」
10時前、電話工事の業者さんもお見えになりました。
これまで親機が庫裏の玄関側にあったため、寺の玄関の近くにある住職の部屋までコードレス子機の電波が届きませんでした。今回は親機を寺の玄関側へと移動し、新しい機器に一新。複合機(コピー・FAX・プリンター等)も住職の部屋へ移してもらい、ようやく不便が解消されて大助かりです。
こちらは仏さまのご加護ではありませんが(苦笑)。いや、大きく見ればそうなのかもしれません。