科学誌『ネイチャー』に、興味深い研究報告が掲載されているそうです。その内容は、7万8千年前のアフリカで子どもを埋葬したと思われるお墓の跡が発見されたというものです。残念ながら有料会員ではないので原文は読んでいません。「アフリカにおける現生人類の既知最古の意図的な埋葬」「中期石器時代の人々が死者をどのように扱ったかについて新たな光を当てるものである」とのことです。すごく興味深い話です。
こんな話を本で以前読みました。
「死」のうちの「歹」の方、つまり肉をそぎ落として残った骨の右側にある「ヒ」とは、生きている人間なのだと言います。生きている人間が、死者の骨の前にひざまずいている。この二つが合わさって「死」という漢字ができているのでした。ところが、現代人はその漢字が読めても骨の前にひざまずく心、合掌する心がないのです」(高史明『世のなか安穏なれ』より)
死という漢字の成り立ちには、とても人間的ないとなみが、こころがあるのです。
昔の人たちはどのように弔うこころを育ててきたのでしょうか。
そのこころが希薄になっている現代社会の私たちは、死者を埋葬した私たち共通のご先祖さんの姿から学ぶべきことがあるのではないでしょうか。