「華厳経」という長い経典があります。私は解説書を読んだことしかありませんが、お経の最後に出てくる善財童子の話が好きなのです。教え導いてくれる54人の善知識(ぜんじしき)を訪ねる旅の話です。相手は菩薩だけではありません。男女の仏教信者、王様、長者、大工、遊女、子どもと多種多様な階層の方たちのもとに出向き、仏の道をたずねるのです。
異質の人たちとの出会いから学ぶ、子どもたちからも学ぶ、そうして自身の道を、生き方を学べよと、この物語は示したかったのだと思います。
昨日、あるご門徒さんから私にとっては「異質」なお話をうかがいました。
ここには書けませんが、波乱万丈の人生の物語です。お寺の通信で紹介するのはムリです。
大きな失敗をした際、出会ったのが親鸞聖人の教えだったとか。心配した方から、親鸞聖人の教えを記した本を受け取ったというのです。
「住職さん、絶対他力ですなあ」とご門徒さん。「他にも色々あるけど、わしは親鸞さんでええです」といいつつ、「占いで92歳まで生きるといわれましてなあ」となかなかお茶目なことをおっしゃいます。「占いに頼らないのが親鸞さんの教えですよ」とは、もちろん言いませんでした。
ご門徒さんは、「自分だけで生きているんじゃない、生かされているんだと気が付かされましてなあ。感謝せんといけませんなあ」とおっしゃっていました。
「住職さんは、お布施をする度に、お返しの葉書を入れてくださる。こんなことはなかなかできんことです」と思わぬ住職評も。ご門徒さんにとっては、私も「異質」の存在ということなのかもしれませんね。
私もコロナ禍でご祈祷に行けなかった時、真言宗のお寺に電話一本で母の手術のご祈祷したお守りを送ってもらい、とても感動したのを思い出しました。慌てていて母の住所と名前しか言わなかったのですが、、、
後日ご祈祷代とお礼のちょっとしたお菓子を送ったら、丁寧な内容の達筆なおハガキをご住職が送ってくださり、とても感激したことを思い出しました。
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達筆なお坊さんに憧れます^^;
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