原爆忌 鐘撞堂にて

坊守です。
今朝は住職に託されて今年の平和の鐘の1回目をつきました。1945年8月6日8時15分広島市、人類の頭上に初めて原子爆弾が落とされた日です。
平和記念式典のラジオ中継をききながら、黙祷の合図と同時にひとつ目をつきました。鐘撞堂の屋根の上の青空、ふりそそぐようなセミの声、照りつける強い陽射し。
平和公園の原爆死没者慰霊碑に刻まれた「安らかに眠って下さい 過ちは繰り返しませぬから」という言葉を思いました。

人間の愚かさの骨頂が戦争だと思います。時が経ち、生き証人が減る中で、社会全体が忘れて「繰り返しませぬから」の誓いを破ってしまわぬように、意識的に語り継ぐ責任が、私たちの世代にはあると思います。

私の世代では、8月がくると、学校で平和学習があったり、修学旅行で被爆者の話を聴く機会がありました。手記や記録画、映画、漫画、小説、さまざまなカタチで目にする機会も今より多かった気がします。

そこで!(と、通常より真面目なトーンから、いつもの軽さに戻るワタシ)、若い読者も居てくれるこのブログで、
「戦争はアカン」と考えるきっかけになる本や映画などをご紹介してはどうかな、と思います。私はこれ、と思った方はコメント欄に、書き込んでください。

★坊守のオススメは、井上ひさし『父と暮らせば』です。

「頭上わずか500~600mのところで太陽2個分にあたる12000度の火の玉」=原爆の爆風で壊れた家の瓦礫にうまり炎に包まれた父をおいて逃げたことを後悔し続ける娘と、幽霊として現れた亡き父とのエピソードです。
作者の井上ひさしは、何かに突き動かされるようにして書いた、と語った作品ですが、読む(観る)側にも、それが伝わる気がします。
文庫本にもなり、映画化(キャストは宮沢りえと原田芳雄)もされていて、アクセスしやすいかと思います。

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投稿者: 西法寺

西法寺のHPを管理している釈大朗です。よろしくお願いします。

“原爆忌 鐘撞堂にて” への 8 件のフィードバック

  1. 『銃口』三浦綾子
    私はこの本を読んで、ありありとその時代の雰囲気がわかりました。今の人には、想像がつかないことだと思います。この本の内容を思い出すと本当に戦争は嫌だなぁと思います。

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  2. 書斎で見つけて、初めて読みかけたのですが、「被爆医師の広島」~21世紀を生きる君たちに~肥田舜太郎著

    やさしい語り口で読みやすそうです。
    新日本出版社から出てますが、もうかなり前の本なので、売られてるかな? 
    全日本民医連の創立に参加されたお医者さんの本です。

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    1. 肥田先生は軍医として派遣された広島で被爆しました。100まで生きて、平和を語り続けてくれました。広島を生き延びたからこその達観もあり、武勇伝がありました。

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  3. 漫画だと水木しげる『総員玉砕せよ』、中沢啓治『はだしのゲン』、手塚治虫『アドルフに告ぐ』。書籍はいろいろありますが、藤原彰『餓死した英霊たち』、『きけわだつみのこえ』、サーロー節子『光に向かって這っていけ』。未読の方はぜひ。

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  4. アニメ映画だと「火垂るの墓」、「この世界の片隅に」。戦争そのものを考える作品だと高校時代に思ったのはチャップリンの「独裁者」。絵本では『猫は生きている』早乙女勝元、『かわいそうなぞう』。

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