岩美町の海岸部にある陸上(くがみ)集落。そこの自治会が平成21(2009)年より月1回、発行している自治会だより『くがみ新聞』が200号を迎え、記念誌を発刊されました。101号から200号までがおさめられています。新聞はA4オモテウラ、カラーで全世帯に配布されています。「心をつなぐ」が新聞のモットーです。それはコロナ禍でも続いてきました。
昨日、その1冊をいただいて、ページをめくっておりました。

集落の行事、そこに住む人たちの声、姿が本当に生き生きと伝わってくるのです。
いくつか見出しを拾ってみましょう。
・『墓踊り』4年ぶりに輪広がる
・敬老会5年ぶりの集合で賑やかに
・新年号「私の年賀状」
・くがみの暮らし今昔(連載)
もらい湯の思い出
お宮の森でシイ拾い
陸上の葬式のこと
・陸上のひと(地域の住民の紹介コーナー)
社会人一年生、移住者、趣味のこと、健康づくりなどなど、地域住民が登場しています
読んでいて、飽きることがありません。3カ月に1度、寺報を出している私としても、たいへん参考になる内容です。
創刊100号のさい、岩美町長(当時)は、「『くがみ新聞』は岩美町の新たな財産」とメッセージを寄せています。これはリップサービスではないと思います。
創刊当初から編集にあたられた前編集長さんは今年の5月にお亡くなりになりました。私は生前からお世話になっていた方で、食料無料市には毎回のようにたくさんの野菜を提供していただいていました。そうしたご縁もあり、「わしが死んだら、あんたにお経を読んでほしい」と頼まれていたのです。自宅での葬儀に、地域の方たちが大勢、お参りされました。今になって思います。みなさん心をつないで生きてこられたのです。
ご本人さんは「無宗教」を公言されていましたが、今日の朝、仏前にて、「立派な記念誌が出来ましたよ。息子さんに昨日、いただきました。あとを受け継いだ方たちがこれからも新聞づくり、頑張られるようです。安心ですね」と報告しました。