故人さまがつよく希望された自宅での葬儀が終わりました。葬儀会社の方も、自宅葬は本当に久しぶりとのこと。
私も過去1度しか経験がありません。
ここで生まれ、巣立ち、Uターンして戻ってこられて以降、長年、家族とともに過ごされた家です。初めてうかがった際、よく手入れされた田畑と季節の花に囲まれた美しい眺めに目を見張る思いでした。坊守には、「『となりのトトロ』に出てくるような家だった」といったものです。昨日、坊守もお通夜にお参りしました。今日の朝、出勤前に仏華をたててくれました。トトロをイメージしたそうです。

葬儀には、ご近所や生前かかわりのあった方が大勢お見えになりました。家に入りきれなかったみなさんは畑の倉庫の軒下から葬儀にお参りしていただきました。そして、仏間の縁側を開けてご焼香していただきました。まわりの田んぼではカエルの合唱。そしてウグイスが「法を聞けよ」と鳴いてくれました。
故人さまとの思い出を記した手紙を最初に読んでから葬儀をお勤めしました。私もよく知る息子さんが、「住職の書いてくれた手紙をおとうも喜んでくれていると思う。棺に納めさせてもらうけえ」と。
たくさんの方たちに見送られて、長年過ごした家をあとにしました。
ご家族のみなさん、自宅での葬儀を可能にしてくださったすべてのみなさん、ありがとうございました。悲しみの中にもあたたかな葬儀でした。