午前中、3回忌のお勤めがありました。故人さま(Mさん)のご遺骨はお寺の納骨堂に安置しています。故人さまの親戚にあたるAさんがお参りされました。
「Mさんがいたから、私は主人と結婚したですが」
今から遡ること57年前。Aさんが看護学生の時のこと。Mさんが入院され、Aさんと知りあいとなり、退院時、「世話になったから」と家に招待されたそうです。Mさんのお兄さん(漁師)とAさんは、その後、結婚されたのです。
「父母が、もらったエビやカニを喜んで。私は釣られたですが」(Aさん)
Mさんは、ふるさとをあとに、長年、山口県内で小料理屋の女将さんとして働かれました。ご自宅には小さな仏壇があり、よく手をあわせておられたそうです。
2年前にご往生され、「ふるさとに埋葬してほしい」とのMさんの生前の願いを受けて、お寺に納骨していただきました。
先日は、Mさんの娘さんから丁重なお電話をいただきました。
不思議なご縁が幾重にも重なって今日に至っているのです。
法事の前に、ウグイスが「法を聞けよ、法を聞けよ」と鳴いていました。
まさに、このことです。感慨深い3回忌のお勤めでした。