朗読と音楽 奏で

午後、西法寺本堂を会場に「第15回 朗読と音楽 奏で」が開かれました。

ハーモニカ、フルート、ソプラノリコーダーの音色が本堂に響きました。

岩美町の民話、そして尾崎翠作「アップルパイの午後」の朗読。

民話「ババちゃんとカニさんの話」。これには笑いました。

「ババちゃんとカニさんの話」

漁のさなかに海におちてしまったおばあさん。海の底には竜宮城のようなところがあり、ごちそうまででてくる歓待を受けるのです。いい気分で眠りについたおばあさん。そこにおばあさんに投げつけられたことがある大きなカニがでてきてきます。怒ったカニは、おばあさんを切り刻んでババアという魚にしてしまうのです。一方カニは鳥取の名物に。海の底に住み、見向きもされなかったババアはというと、心優しい地元の方に「ばばちゃん」という名前をいただいて名物料理になり、すっかり有名になりました、という見事なオチがついていました。

尾崎翠作「アップルパイの午後」。兄と妹の会話ですすんでいく作品です。「女らしさ」を妹に求め、恋をしろ、はやく結婚しろといいたてる兄、それを退け、文芸の世界を楽しんでいる妹。昭和4年の作品です。翠さんの「女らしさ」に対する考え方がこめられている作品だと再認識。AIによる自動音声も。これはテキストを入力すると音声がついて読み上げるというものです。

私も会の冒頭のあいさつで尾崎翠さんの詩を少し読みました。ちょっと噛んでしまいましたが、翠さん21歳の詩です。

「ふるさとは海清き国春くればみさきかすみて涙きよき国」

「わが生れし因幡の国の山山に心ひかるゝ春めぐり来ぬ」

冷たい雨の中、ご来場ありがとうございました。

不明 のアバター

投稿者: 西法寺

西法寺のHPを管理している釈大朗です。よろしくお願いします。

コメントを残す