韓国市民の勇気に感動

韓国映画「タクシー運転手〜約束は海を越えて」
史実にエンタメ色を加えた映画です。

1979年12月、チョン・ドファンがクーデターを起こし全権を掌握。翌年には戒厳令を発布し、野党指導者らを逮捕しました。光州市では抗議行動が展開されます。それに対し、軍が実弾射撃を行い、5月27日、市内は完全に制圧されたのです。軍側は144人が死亡したと発表しましたが、実際にはその何倍もの市民が殺害されたと市民側は主張しています。

光州で起こっている真実を報じるため、ドイツ人ジャーナリストが潜入を試みます。その彼を大金欲しさに同乗させたタクシードライバーのキム・マンソプ(名優ソン・ガンホ)。全く政治には無関心だったドライバーが、苦労の末たどり着いた光州で、悲惨な実情を目の当たりにします。市民に容赦なく発砲するシーン、鈍く響く銃声。クライマックスは、ジャーナリストが収めた映像を世界に伝えるべく、軍部とのカーチェイスです。

2017年公開、韓国国内で1200万人が見た大ヒット作です。韓国では光州事件のことを改めて知る機会にもなったそうです。私も映画で、こういう事件だったのだということを知りました。胸が詰まる映画です。

一昨日、韓国のユン大統領が突然「戒厳令」を発布し、軍部を動かし、独裁を試みましたが、その数時間後に、集まった国会議員と韓国市民によって、戒厳令の解除に追い込まれました。

寝ている間に起こっていたことで、明くる朝(昨日)、知ったのですが、韓国市民の勇気ある行動に心底、感動しました。武装した軍隊に素手で市民が向き合ったのです。歴史の後戻りを許さないという強い決意を、文字通り命をかけて。

非常事態を発布する権限を権力者に与えることの恐ろしさもまた、痛感しました。

「タクシー運転手〜約束は海を越えて」を再度、心して見たいと思います。

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投稿者: 西法寺

西法寺のHPを管理している釈大朗です。よろしくお願いします。

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