忘れられない葬儀のこと

朝、先週の金曜日、悪天候のため延期した墓じまいへ。岩井集落からすぐの地域の墓地、それも一番上の方にありました。近くには無縁墓になって荒れた状態になっているお墓もありました。

お墓の前でしばし読経です。「登りはまだええけど、下りが大変だで」とご近所さん。確かに葉っぱが地面を覆い、滑りそうな道でした。この度、下の方に墓地を移されるとのこと。

私がまだ小さい頃は、周辺の田んぼも青々として、山道も人の手が入っていました。今は耕作ができなくなった田んぼや畑が目立ち、うちの境内にも夜、鹿が出ることもあります。お墓のお花をかじったり、芽が出た野菜を全て食べたりと動物界との境界線がなくなっています。

お墓から帰って、日中は来年の法事の案内づくりです。もう来年が7回忌なのかとある葬儀のことを思い出しました。2019年の夏、大阪在住で町内出身の方の葬儀に出向いたことがあります。住職を継職して約1カ月後のことです。参列したのは親戚の方お2人でした。年賀状のやり取りでつながっていた親戚の方が生前、故人さまから、「もしもの時は葬儀を出してくれないだろうか」と頼まれていたそうです。3人で葬儀を勤め、火葬場で荼毘に伏しました。収骨までの時間に葬儀に至るいきさつを詳しくうかがってとても心を動かされたのです。

あの日、思ったことを忘れないようにしないといけないなあと、改めて。

自分にできることがあればさせていたこう。
できないことはできる人の力を借りてさせていただこう。

不明 のアバター

投稿者: 西法寺

西法寺のHPを管理している釈大朗です。よろしくお願いします。

コメントを残す