今日は朝から冷たい雨が降っています。昨日は朝、うっすらと積雪もありました。
朝、いつものように本堂に座って手をあわせていました。
ふと、ああそうだったのかと合点がいったことがあります。
先日、あるご門徒さんが仏壇を新調されました。古い仏壇といっても、かなり間近に接近しないとそれを感じさせません。保管場所があれば預かりたいような立派な仏さまでした。
お勤めの際にご門徒さんが、「膝が痛くて医者に行ったら、正座をしないようにと言われて。毎日正座をして仏さんを拝んどったけえ、椅子にしたんだけど、そしたら、なんだあ仏さんより自分の方が高くなってしまって」「新しいものは、背丈が高いだけえ、椅子で拝んでもちょうどええけえ」
その時は、「まあ、そうなのかもしれないけど、もったいないなあ」と出かかった言葉を飲み込んでいたのです。
しかし、今日、わかりました。
ご門徒さんにとって、仏さまより自分の頭の位置が高いということはかなりの問題だったのです。これまでは正座をして手をあわせていたので気にならなかったけれども、椅子にすわると自分の方が高くなるのです。
私たちが拝んだ時、仏さまの足の裏が私たちの頭の高さに来るようになっていると、どなたかから教えていただいたことがあります。頭を地につけて、仏さまの足を礼拝することを頂礼(ちょうらい)といい、最敬礼の姿です。
浄土真宗のご門徒さんは、生涯、頭の上がらないご本尊をいただいて手をあわせ、お念仏申す日々を送られます。長年の習慣を変えて、自分の方が高くなることをご門徒さんは、よしとしなかったのです。
大事なことを目の前で教えていただいていたのです。