12月最初の法事にて

ことしの法事もあと残りわずかとなりました。
朝、１月からの法事（年忌法要）の件数を数えてみると、今日で98件目。今年はあと３件予定されています。これだけの方が既にご往生されているということになります。

今日お参りの施主さんのお母さんは６年前に96歳でご往生されました。2017年のことですから、当時の住職（父親）が葬儀をつとめています。１周忌からは私がつとめるようになりました。

「仕事を完全に引退して、なんだか時間の流れが早くなったような気がします」とおっしゃっていました。黒髪の印象だったのですが、今日はホワイトヘアーでびっくりしました。

「70を過ぎまして、黒く染めるのはもうやめようかと思いまして」
奥さんは、「私はもうちょっと（笑）」

黒にこわだるか、白のままにしておくのか。悩むことなのかもしれません。

「白髪になる前に、髪の毛がなくなると思います」と私。

髪の毛は放っておいても生えてくるので尽きることのない煩悩の象徴。だから剃ってしまうという宗派もあります。浄土真宗は死ぬまで煩悩を抱えたままの身ですから、特に剃髪しなくてもいいということになっております。ただお坊さんの資格を得る得度（とくど）の際には、剃り上げなければなりません。

「正信偈」もいっしょに読んでいただきました。煩悩から逃れられない私を必ず救うと願われた仏さまのお慈悲をともに味わう時間でした。

明日は１周忌と３回忌のおつとめです。ご家族からうかがった故人さまの人となりなどを記したメモを見返して、法要にのぞみたいと思います。