昨日、NHKスペシャル「宗教2世」をみました。宗教2世とは、「特定の信仰をもつ親のもとで、その教えの影響を受けて育った子ども世代」のことです。
番組では旧統一教会、エホバの証人の信者を親にもつ子どもの姿、思いを紹介していました。
こうした新宗教の大きな問題の一つは、入信しのめり込んでいった人たちが、家族にまで影響を広げることだと思います。人格は別のはずなのに、「幸せ」のために家族をも巻き込んでいきます。親のために娘が工面した生活費が全額「先祖解怨(せんぞかいおん)という先祖供養のために寄進され、「生活費がない」と親からいわれた子どもの気持ち…。これが真っ当な宗教の活動といえるでしょうか。
社会と折り合いのつかない活動(寄進の強要、昼夜わかたぬ布教など家族を犠牲にした活動)にのめり込み、子どもたちを深く傷つけていきます。けれど、「大好きな親のやっていることだから理解したい」というのもまた、子どもの心です。
エホバの証人の信者だった女性の方が、子どもに「お母さんは、私を思い通りにしようとしている」と言われて我に帰ったという話をされていました。気がつけて本当によかったと思います。その女性の親は輸血拒否をして病死。そのことを許してしまった自分の中に深いトラウマを抱えて生きてきた姿も映し出されました。
番組では若い統一教会の信者(職員)の姿も。「どうしたら社会と折り合いがつくのか」と、涙していました。脱会した信者の方との対話では、教団を批判する発言に対し、「それは家族の問題では」と話をすり替えようとしていました。現に、今なお被害を拡大させていることを、この若い職員はどのように考えているのでしょうか。その涙は、「わかってくれない」という涙であり、彼女らの親の世代が繰り返してきた反社会的な布教活動への反省ではないようでした。一刻も早い解散命令、宗教法人格の剥奪が必要だと感じました。
伝統的な宗教の中には、カルト被害者に支援の手を差し伸べている方たちがいらっしゃいます。教団として、この宗教2世の抱えている深刻な悩みに何かできることはないのでしょうか。考えさせられました。