お仏壇をあずかりました

お寺にご門徒さんの弟さんから仏壇を寄贈していただきました。お姉さん夫婦が大切にされていた仏さまです。「処分するのも、なんだか申し訳なくて」と相談があり、お寺でおあずかりすることになり、本日、仏具屋さんに運んでいただきました。

金子みすゞさんの「お仏壇」という詩をご存知の方はいらっしゃるでしょうか。

お背戸(せど)でもいだ橙(だいだい)も
町のみやげの花菓子も、
佛さまのをあげなけりゃ、
私たちにはとれないの。

だけど、やさしい佛さま、
ぢきにみんなに下さるの。
だから私はていねいに、
両手をかさねていただくの。

家にやお庭はないけれど、
お佛壇にはいつだって、
きれいな花が咲いている。
それでうち中あかるいの。

そしてやさしい佛さま、
それも私にくださるの。
だけどこぼれた花びらを、
踏んだりしてはいけないの。

朝と晩とにおばあさま、
いつもお燈明(あかり)あげるのよ。
なかはすっかり黄金(きん)だから、
御殿のように、かがやくの。

朝と晩とに忘れずに、
私もお禮(れい)をあげるのよ。
そしてそのとき思うのよ、
いちんち忘れてゐたことを。

忘れてゐても、佛さま、
いつもみてゐてくださるの。
だから、私はそういふの、
「ありがと、ありがと、佛さま。」

黄金の御殿のようだけど、
これは、ちひさな御門なの。
いつも私がいい子なら、
いつか通ってゆけるのよ。

お寺にお越しいただいてありがとうございますとわたしも手をあわせました。

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投稿者: 西法寺

西法寺のHPを管理している釈大朗です。よろしくお願いします。

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