2017年から使ってきた葬儀勤行集がいよいよくたびれてきて、京都にいっていた坊守に新しく買ってきてもらいました。あまり出番がない方がいいお経本かもしれませんが、あちこち紙がすりきれるほどめくる機会がありました。

古い方には、中央仏教学院で学んだ2017年に、声明(しょうみょう)の先生から教わったよみ方や息つぎの箇所などが記してあります。大切なガイドなので、書き込んだ印を新しい本に写しかえないといけません。

こちらに帰ってきた2018年4月、ご往生されたあるおばあちゃんの家で、その方が使っていたお経本を見せていただきました。びっくりしました。すりきれて紙がボロボロになっていたのです。それも何冊も。本をひらくのは毎日の日課。最晩年、施設でも「なんまんだぶ、なんまんだぶ」と称えていたといいます。
私の場合は仕事上の必要に迫られてのことでしたが、すりきれたお経本を手にとってみて、おばあちゃんのお経本をふと思い出しました。