西法寺で生まれた作家・尾崎翠記念イベントが今月24日に開かれます。映画上映、ミニコンサート、朗読と充実の内容です。

先日、網代の方から、「亡くなられたNさんから、傘踊りを教えてもらったことがありまして。翠さんの『初恋』にも出てますよ」と教えていただきました。Nさんは先月ご往生されたご門徒さんです。
今日は雨。読書でもしようと、翠さんの全集をめくって「初恋」(『随筆』1927年7月号)を読みました。短編です。
ここには漁村A(網代)の当時の生活の一端が描かれています。若い漁師さんは名前をかえ、結婚までの期間、寝泊まりの宿に寄宿するのです。
盆踊りがユニークで、恋人のいる男性は、長襦袢を着流して、手ぬぐいを被って踊ります。この扮装をしてない男性はみじめ。恋人がいないということです。傘踊りについての記述もありました。
さて、「初恋」の方はというと、長襦袢を着流し、男装して踊っていた女性に興味を惹かれ、あとをおいかけてみると、なんとその女性は実の妹。僕の初恋は凍りついてしまうという結末を迎えるのでした。