「少欲知足」と「強欲不足」

連日、40度を超える猛暑の話題を目にします。
世界各地で異常気象が現在進行中であり、ヨーロッパの熱波は「観測史上最も深刻」と報じられています。

今週土曜日の研修会資料を作成するため、西法寺通信のバックナンバーを再読していました。そこには、かつて南極観測隊に参加されたご門徒さんから、2024年にうかがった次のようなお話が記されていました。

「海に流れ出た氷河や海氷(かいひょう)は太陽熱を約7割反射しますが、それが溶けて海水面になると、逆に9割の熱を吸収してしまいます。ですから、一度氷河や海氷が溶け出すと海水温が上がり、そのせいでさらに氷河が溶け、いっそう海水温が上がります。これを『正のフィードバック』と言います。このままでは海流や生態系が完全に変わってしまいかねません」

本当に深刻な事態が起こっているのだと、改めて痛感させられるお話です。

本日のお昼前、お世話になっている大工さんがお寺に見えました。この異常な暑さのなか、夏場は仕事の開始時間を早めているそうです。また、夏時期の現場をなるべく秋へと変更し、職人さんの体調管理にも注意を払っているとのことでした。

仏教には「少欲知足(しょうよくちそく)」という教えがあります。己の欲望をコントロールし、「足るを知る」ことを意味する言葉です。しかし現代の私たちは、真逆の「強欲不足」に陥っているのではないでしょうか。

現在の気候危機の主な原因が、私たち人類の経済活動にあることは明白です。個人としても、社会のあり方としても、この現実を真剣に受け止めなければならない局面に立たされています。

私自身も、ただ日々「暑い、暑い」と嘆いているだけではいけませんね。

我が家の蓮も咲きました

朝から、法事のお礼ハガキをつくっています。蓮が登場するのはこの時期だけ。できあがり、郵便局のポストへ。歩いて2、3分ですが、歩くのがいやになる暑さ。早朝はヒグラシがカナカナカナと鳴いていましたが、朝8時を過ぎるとアブラゼミがジリジリと鳴いています。

古家の玄関前の蓮も見事に開いてくれました。

今日と明日は、土曜日の研修会の準備に邁進します!

「100分de名著 親鸞『教行信証』」

今日も朝から暑いですねー。

山門の前に蓮の案内を置きました。今日の朝は6つ咲いていましたが、10時前には一つ花びらを落としていました。わずか4日咲くために泥の中から立ち上がってくれたのです。ほんとうによくぞ咲いてくれました。

これから咲きそうな花芽が9つあります。合計20をこえる蓮が咲くというのは初めてのことでしょう。植木屋さんの追肥の効果でしょうか。

現在、Eテレ「100分de名著」では宗教学者で本願寺派僧侶の釈撤宗さんが、親鸞聖人の「教行信証」の解説をされています。そのテキストを入手し、一読しました。

司馬遼太郎さんが「日本の思想史上、親鸞が最大の人物だろうと思っている」と述べていると釈さんは紹介しています。

その親鸞聖人が30年以上かけて書き上げた書物です。ただし、読み解くのは容易ではありません。

こうした手に取りやすいテキストを通して、親鸞聖人の他力の教えに触れていただけたら。

釈さんは、親鸞が、「自らの実存(他の誰も取って代わることができない、今、ここに在る現実の自分の問題)」を通して他力の教えをとらえていることを繰り返し強調しています。他人事ではないのです。だからこそ、私にとってはどうなのだろうと、自分に引き付けて考えることもできます。いかに生きていくかという問を深める上でも示唆に富む内容がありますよ。親鸞聖人の教えは今なお輝きを放っています。おすすめの1冊です。

お寺さんを迎えて

県東部、八頭町船岡にある光賢寺の仏教婦人会ご一行さまが、朝、研修旅行でお越しになりました。
朝、境内では6つもの蓮が咲いていました。

「昨日から、『咲いてくれよ』と念じていたので、それが通じました」
と軽い冗談を交えてごあいさつ。

ご一緒に短いお勤めをしたあと、「西法寺の歴史について」約40分ほどお話ししました。

創建当初のこと、そして、教義上の解釈から紛争にまで発展してしまった「三業惑乱」(さんごうわくらん)と西法寺の関わりについて主にお話しさせていただきました。

最後に「お寺フェス」の映像を見ていただきました。笑いも起こり、楽しくご覧いただいたようです。

和歌山・極楽寺さんの前住職・前坊守さんから届いたばかりのオレンジ使ったフルーツウォーターで水分補給。最後にみなさんと記念撮影をして、お寺での研修は終了です。

昼食は「てっぺん」でそば、その後、山陰海岸の風景を楽しみ、再度岩井に戻って「岩井窯」さんへという工程です。

みなさんのおかげでお寺の歴史について勉強する機会を得ました。感謝。

蓮の花咲く年回法要

昨日、植木屋さんが来られたので、「鹿にかじられたり、花芽を腐らしたりもしたけど、蓮は順調ですよ」とお伝えしました。「ようけ咲きそうでよかったですなあ」。そんなやりとりがありました。

今日の朝は4つも咲いてくれています。アッと声が出ます。一瞬ですが、暑さを忘れますね。


本日、午前中の年回法要では、「阿弥陀経」をお勤めしました。みなさんに蓮の花も見ていただきました。

「池中の蓮華、大きさ車輪のごとし。青色には青光、黄色には黄光、赤色には赤光、白色には白光あり。微妙香潔(みみょうこうけつ)なり」とあります。

お釈迦さまは、お浄土の池に咲く蓮について、「それぞれが、それぞれの色のままで、光り輝いて美しく咲いている」と、弟子の舎利弗(しゃりほつ)に語りかけました。「すべての命がそのままで輝き、お互いを照らし合っている世界。それこそが、阿弥陀さまのいらっしゃるお浄土なのだよ」というお示しです。

お経に描かれるお浄土の姿は、私たちが目指すべき「理想の社会のあり方」でもあると私は思います。一人ひとりは微力ではありますが、お互いに手を取りあい歩んでまいりましょう。

そんなお話をさせていただきました。

うれしいプレゼント

この数日、知り合いの方から、「岩美町チャンネルでお寺フェスみましたよ」と声がかかります。町内のご門徒のみなさん、ご覧になられたでしょうか。

昨日の昼前に役場へ。ケーブルテレビの担当の方から、過去4回分の「お寺フェス」の放送分データをいただきました。こんなにいい紹介ビデオはそうありません。

「集まりなどでみていただいて構いません。ただし、インターネットにはあげないでください」とのこと。うれしいプレゼントです。町外の方でご覧になりたい方はお知らせください。ただし、お寺までお越しいただく必要があります。

今日はお勤めのない土曜日です。おかげで、あさってお話しする予定の「西法寺の歴史」についての資料は、ほぼ完成しました。お寺は山あいの銀山から岩井へ移転。その後、集落の火事に2度巻き込まれ、さらに移転。そこから明治に今の場所へ移りました。2005年には大改修。ご門徒のみなさんの尽力なしにお寺は存続できなかったでしょう。

25日(土)にもお寺で研修会が予定されています。あまり時間がありません。明日は法事と、その準備に着手しなければ。

エアコンがなかった頃は、夏のお勤めがほんとうに難儀でした。研修など受けることははなから無理だったのです。同じ因幡組の寺院さんもこの数年でエアコンを設置されたところが一気に増えたように思います。

明日の夕方は雨予報。夕立大歓迎です!

練習会にいってきました

午後、市内で「山陰教区 勤式練習所」という集まりがありました。簡単に言うと、練習会です。「正信念仏偈」をみなで集まって、その称え方を練習しましょうということです。

対象は僧侶だけでなく、ご門徒さんにも開かれた練習会です。僧侶より門徒さんの参加者の方が多かったようです。その熱心さには頭が下がります。

2時間半ほどの時間中、声に出す時間が半分以上あり、午後の眠気におそわれる暇もありませんでした。自分自身、我流で称えていたと思う箇所もあり、修正できそうです。またこういう時間があればぜひ参加したいと思います。島根から来られた講師さん、ありがとうございました。

お寺の歴史を伝える準備中

それにしても毎日暑いですね!

午前中は部屋にこもって勉強です。今月20日に、同じ因幡組(いなばそ)の光賢寺仏教婦人会のみなさんがお見えになります。組内のお寺を巡る小旅行を重ねておられるそうで、今回は西法寺へお越しくださることになりました。ご要望は「お寺の歴史について」です。関連資料を読みながら、創建前から創建後の流れを年表に。そして先日も書いたように「三業惑乱」という本願寺派を揺るがせた教学論争に関わった当時の住職のことなども。それらのことをパワーポイントに。

先日、ご教授いただいたご門徒さんにわからないことを電話でたずねたりも。私としては大変勉強になり、新しく気付かされたこともあり、収穫でした。こういう機会がなければまとまって勉強し直すこともなかったかもしれません。しかし、どう考えても楽しい話になりそうにはありません。逆に、息を呑むような話にはなるかもしれません。

お勤めを含めて1時間のご予定なので、お話しできるのは50分ほどでしょうか。そのうち5分は「お寺フェス」の紹介動画を見ていただこうと思います。こちらは気楽に見ていただけるのではなかろうかと。準備の続きは、また土曜日に。

午後3時からは、岡山県在住のご門徒さんのご両親の法事をお勤めしました。
準備のため午後2時前に本堂に入ると、ムッとするような暑さです。すぐにクーラーとサーキュレーターを稼働させて室内を冷やしました。これから下旬にかけて本堂で行事を行う機会も複数回あります。引き続き熱中症対策には万全を期したいと思います。

法事の後、ご門徒さんとお話をしていると、気づけばもう5時。
お見送りをしてブログを書いていると、今日も外からはヒグラシの鳴き声が聞こえてきます。

ここはひとつ、ひと雨降って涼しくなってくれないものでしょうか。

4日目の蓮


1周忌、そして葬儀へ

境内の蓮は、その後、鹿にかじられることもなく順調です。このまま何事もなければ次つぎに咲いてくれることでしょう。

午前中、1周忌のお勤めがありました。昨年の7月にご往生されたご門徒さんです。当時、境内にちょうど蓮の花が咲いていたことから、ご法名に「蓮」の文字を入れさせていただきました。妹さんが「きれいな名前をつけてもらった」と、深い悲しみの中でも喜んでくださった姿が思い出されます。本日、お参りを終えられたご家族も、帰り際に蓮を眺めていらっしゃいました。

午後は市内の葬儀会館へおもむき、葬儀をお勤めしました。実は数ヶ月前、ご親戚の方から「医師からあと数日かもしれないといわれていて」と、一度ご相談をいただいていたのです。その後は小康状態を保たれていたようでした。
おかみそり(帰敬式)のため、棺を開けると写真が数枚、枕元にありました。入院中のお姿ですが、口もとにはビールの缶が。もしかしたら、ご本人さまの最後の願いだったのかもしれません。お写真の中の故人さまは、満面の笑顔を浮かべておられました。
若い頃に東京へ集団就職され、15年ほどして鳥取へ戻り、長くこちらで働いてこられたそうです。趣味はマラソン。ユニフォームも、そっと棺に納められていました。

葬儀を終え、火葬場へ。今日もウグイスが「法を聞けよ(ホーホケキョ)」と、尊い教えを伝えるかのように鳴いてくれました。

夕方にはお寺での法要をお勤めし、納骨堂への納骨を無事に終えました。

生死(しょうじ)の苦海(くかい)ほとりなし 
 ひさしくしづめるわれらをば
 弥陀弘誓(みだぐぜい)のふねのみぞ
 のせてかならずわたしける
(親鸞聖人の和讃より)

裏山でヒグラシが鳴いています。小泉八雲は「未明と日没だけ歌ふ特別な黄昏の楽師」と記したといいます。

生死の縁にふれる、1日が終わりました。