ハッとする

11時過ぎから、アルゼンチンのメッシ選手の試合をテレビに釘付けになって観ていました。なんと1試合で3得点、圧巻のハットトリックです。今年38歳になるとはとても信じられない大活躍に、ただただ圧倒されました。

すごいものを見させてもらったなあとそのまま昼休みにすることに。昼食を食べながらワールドカップ中継後の番組「みみより!解説」に目をやると、今度はガラリと毛色の違うテーマが流れてきました。アメリカの若者の間で「AIに期待しない」という冷ややかな見方が広がっているというのです。大手企業によるAIを理由にした人員削減が進み、雇用不安が直撃しているのがその理由でした。

問題はそれだけではありません。AIのデータセンターが消費する莫大な電力と水が環境に大きな負荷を与えており、一時建設停止に追い込まれる州もあるそうです。日本でも国会で「データセンターを環境アセスメントの対象にすべきだ」という議論が出たとのニュースで知りました。一つの施設だけで小さな県の年間消費電力量を超えるという事実が指摘されており、「えっ?!」と。

私たちはどうしても、「AIがいかに便利か」というはなやかな側面ばかりに目を奪われがちです。かくゆう私もその一人でした。しかし、AI最先端のアメリカでいま起きている現実を知り、技術の進歩の裏側にある影に、ハッと我に返るような思いがしました。

蓮の観察日誌②

境内に、今年も蓮(はす)のカメを4つ、睡蓮(すいれん)のカメを1つ置いています。
数日前、そのうちの1つから、うれしいことに花芽が立ち上がってきました。
6月末には大輪の花を咲かせてくれるのではないでしょうか。
昨年はたくさんの蓮が咲き、境内を彩ってくれました。今年も期待しているところです。

蓮が咲くと、どこからともなくミツバチたちが集まってきます。
懸命に花粉を集め、巣へともち帰る姿は、本当に健気(けなげ)なのです。
そして時には、そのミツバチを目当てにスズメバチがやってくることもあります。

日本には、もともと「自然(じねん)」という言葉がありました。
これは、人間社会をも含めた、ありとあらゆる命の「あるがまま」の姿のこと。
人間の都合や計らいを超えた、大いなる調和の世界を意味します。

一方、私たちが普段使う「自然(しぜん)」とは、人間社会とは切り離された山川草木や動物のこと。いわば、人間と対立する概念です。
これまで人間は、この「自然(しぜん)」をコントロールできると考えてきました。しかし、地球環境の危機が叫ばれる今、いかに共生していくかが大きな課題となっています。

「自然(じねん)」の教えは、浄土真宗の開祖・親鸞聖人や、曹洞宗の開祖・道元禅師も大切にされました。

境内の小さなカメを舞台に繰り広げられる、いのちの営み。
人間の物差しを超えた「自然(じねん)」の世界に、今年も目を向けていきたいと思います。

ノノ氏、動物病院へ

坊守です。
黒猫ノノ氏、5月2日以来の診察日でした。

前回、「点滴の頻度を7日から10日に1度にのばして、その上で血液検査に大きな変動がなければ、点滴はお休みしてもよいと判断しましょう」とセンセイが言ってくれたので、今日の検査結果はノノの運命を左右します(大げさ)。
私の頭の中でもドラムロールが鳴っていました。果たして結果は…
5月が BUN 73/CRE 4.34、
今回が BUN 71.2/CRE 4.87

この2つを並べて読むと、ノノの腎臓の状態は「ほぼ横ばいで安定」ということに。
立派な腎不全の数値ですが、体重も4.5キロ台を維持し、その他の値はすべて正常値なので(おばちゃんより良かったりして!)、
おうちでの点滴からは、ひとまず解放となりました。


2025年7月から11カ月、我々ニンゲンもかなりな回数点滴をさせていただきましたが、お互い慣れても楽しい作業ではありませんから、肩の荷がおりました。

また体調変化により再開の指示が出るでしょうが、なるべく長くこの調子を維持するよう、ケアしたいと思います。

本人は、帰る道々、アーアーアーアーと、運転する住職に抗議の声をあげていたそうです。

いつもの通院スタイル。チカラが強いので、プラスチックのバスケットのフタは、ロックをしてても突破します。なので、風呂敷に包んでおります。

関係ないように見えるけど

お寺の住職さんは、どなたもそうかもしれません。
今、私は8月のことを考えています。
具体的にはお盆参りのスケジュールです。昨年の資料をパソコンで眺めつつ、シミュレーションを重ね、回る順番を検討し始めたところです。

スマホのカレンダーで管理してもいいのですが、本堂に掛けられた「法語カレンダー」の8月をふとめくってみました。そこにあった言葉に、「いや、その通りだ」と思わず深くうなづいてしまったのです。

「関係ないように見えて、実はみんな、深い関係があるんです」

永六輔さんの言葉です。

これは昨夜のこと。
コンサートの熱気が冷めやらぬまま車で帰る途中、坊守(ぼうもり)と感想を語り合っていたのですが、突然「スマホを忘れた」と言い出しました。すでに夜9時を過ぎており、会場の会館にはもう電話がつながりません。

そして今朝、私のスマホに着信がありました。
コンサート主催者のAさんのもとにスマホが届いていたのです。緊急連絡先になっていた私へ、わざわざお電話をくださいました。すぐに坊守に連絡し、市内まで受け取りに。無事に手元に戻り、お礼を述べて名刺交換をすると、Aさんから思いがけない言葉が返ってきたそうです。

「実は、お寺フェスに行こうと思っていたんですが、仕事で行けなかったんです」

Aさんは、もちろん西法寺のご門徒さんではありません。
ではなぜつながったのか。実は、事前にコンサートの案内でお寺に来られたBさんの、お知りあいだったのです。私はBさんと初めてお会いした際、「お寺フェスでコンサートの宣伝をしてもいいですよ」とお伝えしていました。「落語を聞いてみたかった」というAさんは、Bさんと一緒にお寺フェスへ行く予定を立ててくださっていたようなのです。

ちなみに、Bさんと一緒にお寺に来られたCさんは、普段は芸術作品を作られていて、境内の蓮の手入れをしてくれている方です。CさんとBさんは小・中学校の同級生。この2人が友人同士でなければ、私が今回のコンサートに誘われることもありませんでした。

「関係ないように見えて、実はみんな、深い関係があるんです」

Aさんとも、どこかでお会いすることがあるでしょうか。

コンサートの夜

夕方、市内のとりぎん文化会館へ。知人から勧められてチケットを購入した「7本指のピアニスト 西川悟平・ピアノの貴公子 大井健 プレアデスコンサート2026in鳥取」を鑑賞してきました。鳥取に帰ってきてからコンサートに足を運ぶのは、もしかしたら初めてかもしれません。これまで、すっかり文化とは縁遠い生活を送っていました。 

開演の17時半、約500人を収容するホールは満席。私は西川悟平さんというピアニストを全く存じ上げず、東京パラリンピックの閉会式での演奏や、「徹子の部屋」への出演、世界各地でのご活躍も今回初めて知りました。 

しかし、7本の指から奏でられる音色は胸に迫り、ユーモアたっぷりに語られる半生には深く心を揺さぶられました。特に、敵対する人とも心を通じ合わせたというエピソードは、僧侶の法話よりもよほど身に染みるものがありました。ニューヨークの自宅押し入ってきた2人の泥棒と打ち解け、結局、何も盗まれず。仕事についた彼らを後年、彼のコンサートにVIP招待したというのです。

20時半を過ぎ、アンコールの演奏をもって大盛況のうちにフィナーレ。素晴らしい音楽の余韻に包まれる夜となりました。

10月24日(土)の午後には、再び鳥取でコンサートが開催されるとのこと。今度は2000人を収容するとりぎん文化会館の大ホールです。坊守も今から行く気満々の様子ですが、もちろん私も。秋の楽しみがふえました。

ワールドカップはネコとともに

いよいよサッカーワールドカップが始まりました。日本代表の活躍を期待するとともに、スポーツの素晴らしさを存分に楽しめたらいいですね。

6/15の午前5時から日本対オランダがキックオフ。この試合が決勝トーナメントに向けたカギでしょう。オランダに勝ったことはこれまでありません。そして、日本代表が入ったグループFは強豪国ぞろいです。

初戦は朝5時からですから起きられるかどうか。でも、心配はいりません。朝4時過ぎにはター坊が、「テレビ、テレビ」ではなく、「ごはん、ごはん」と必ず枕元にやってきます。それにノノとクウが連れ立って。

ネコたちに起こされてワールドカップを楽しみたいと思います。

ター坊(前)、ノノ(後ろ)

トランプ大統領のもとでのワールドカップです。彼に「ノーベル平和賞を」とご機嫌をとったFIFA会長のごますりぶりも記憶に新しい。出場国の一つはアメリカが再び攻撃しているイランです。平和のうちに開催されることをのぞみたい。

尾崎翠の生家・西法寺に高校生が

午後、地元の高校生15名ほどが、授業の一環で尾崎翠(みどり)について学ぶためにお寺へやってきました。翠の生家が西法寺だからでしょう。

講師の方が、彼女の生涯や作品について、朗読を交えながら丁寧に説明してくださいました。ただ、興味があって自主的に来たわけではなく、あくまで「授業」の一環。高校生たちには少し気の毒な時間ではないだろうかと。

私もあいさつを求められたため、少し角度を変えて「みんな、来年『学校を辞めて結婚しろ』といわれたらどうする?」と問いかけてみました。
すると、ノリの良い男子生徒が「する!」と一言。

翠の生きた時代は、女性は10代で結婚するのが当たり前でした。そんな時代に、彼女は自分の夢を追いかけたこと。学生時代、良妻賢母を押し付ける授業中には、机の上に小説を並べて寝ていたという、私の大好きなエピソードを紹介しました。

今よりもはるかに人生のレールが狭かった時代に、小説家になる夢のために自分のやりたいことをとことん追求した女性。今でいえば、まさに「推し」のために生きたような人ではないかと思います。

「そういう想いがある人なら彼女の小説は響くけれど、すごく現実的なことを大事にしている人には響かないかもしれないね」といった話をさせていただきました(だから、私も読むのに苦労がいるのです笑)。

来週も15名ほどの高校生が来寺します。来週はどうしたものか…。

珍しいお土産

「今日は姉の命日で、納骨堂にお参りしに来たですが。よかったー、住職さんがおられて」

昼前、ご門徒さんがたずねてこられました。

「この前、旅行にいってきたですが。そこで、おもしろいものを買ってきたんで、差し上げます」

それがこの棒状の黒い物体です。

火をつけて使うものです。

燃えると浮き出てきましたよ。

経文香(きょうもんこう)と呼ばれるそうです。

浄土真宗本願寺派はお線香を横に寝かせて使うので、法要のさいにたてて使うことはないのかもしれませんが、ありがたくちょうだいしました。

朝のおつとめのときにでも使わせていただきましょう。

久しぶりの東京

坊守です。
今朝もいつもの時間に家を出ましたが、行き先が少し違います。
賢いシマちゃんがお見送りしてくれました。


久しぶりの東京です。小雨模様ですが、涼しいのはありがたい。人口1万人の町から来たおばさんには人が多すぎて、それだけでくたびれました(ここに住んでいたなんて、信じられない程です)。

明日は朝から医療生協の総会で、今日は前日の学習企画です。東北の被災地で地域の人々をつなげる事業をされているJOCA東北のマネージャーがメイン講演。


高齢者、障害者のデイサービスや作業所、保育園と多世代をケアする複数の事業所の集まる拠点を公営住宅の跡地を使って建てています。そこにはお蕎麦屋さんや温泉、スポーツジムなども併設、人のあつまるスペースとなっていて、「ごちゃまぜの地域づくり」を体現しているお話でした。
「温泉を併設」というキーワードにワタシの妄想スイッチが入り、岩井地域もなにかひと味加えてつなげていくと、おもしろいかなぁ、などと、勉強がおろそかになったことも自供します。

ああ、お腹すいたなあ。解放まであと1時間。陸路で来たら、特急はくとの揺れにノックダウンでお昼ごはんはほんの少ししか食べなかったのです。

今と昔の職人さんのワザ

「あっ、ヒビが入っている……!」

それは「お寺フェス」の前々日のこと。玄関前を掃除していた時、ふと目に入った玄関ガラスのヒビ。これはまずいと、セロテープで応急処置を施して、あまりに格好が悪いので、フェスのチラシをガラスの上に貼って急場をしのいだのです。

フェスが終わり、業者さんに来ていただいたのですが、「2ミリのすりガラスは在庫がない。頼むと時間がかかるので、別の方にお願いされたほうがいいかもしれません」とのこと。そのままにはしておけないので、先週の土曜日に坊守が市内の別の業者さんへ電話をしてみると、「在庫ありますよ」とありがたいお返事が。そして今朝、来ていただきました。

お寺の玄関は趣のある木枠ですが、湿気をふくんでいて、ガラスを出し入れするのは難儀だったようです。それでも、木枠を少し浮かせてすっと新しいガラスをはめ込み、修理は完了しました。

「いい細工がされてますね」
職人さんはそういって、建具をほめておられました。
「今回は一番下だったから直せましたが、別の場所なら建具屋さんにお願いしないといけなかったでしょうね」

この庫裡が完成したのはもう40年前以上昔です。
私は当時、高校生でした。

その時には、家が新しくなって嬉しいという気持ちだけでしたが、当時の職人さんが込めてくれた見事な技と想いに気づかされる、月曜の朝となりました。