墓石に刻まれた太陽系

午前中は7回忌のお勤めでした。故人様は、長年、魚の行商をなりわいにしていた方です。葬儀のあと、「お母が最後に仕込んだ干物だけえ、住職さん食べて」と冷凍のカレイをいただきました。あれからもう丸6年も経ったのかと。「私がいなくなったら息子はお墓を守ってくれるだろうか」と心配しておられましたが、いまのところその心配は杞憂だったようです。

午後は市内のお墓に納骨法要にうかがいました。墓石に楕円と小さな点のようなものがが刻まれており、何だろうかと。読経が終わり、近づいてじっくり見ると、中心に太陽、その周りに太陽系の星々が刻まれていました。先に亡くなられたご主人は地球物理学の教授を務めていたそうです。それで奥さんが石材店に頼んで刻んでもらったとのことでした。施主であるその娘さんは関西の方でご主人と暮らしていて、ご主人の姓を名乗っておられますが、「私もいつかここに納めてもらいます。主人も『ここに』と希望してるんです。その時は住職さん、お願いします」と。「お二人とはあまり年齢変わりませんよ」と私。

それにしても、宇宙の大きさに比べれば、名字・姓の違いなどごくごく小さな問題です。いっしょに納骨してもなんの不都合もありません。先生、そうですよね。

納骨後、家に戻って日本対チュニジアの後半戦を観戦。日本代表は4対0で勝利。次の対スウェーデン戦が大一番となります。

雨音をBGMに

今日は朝から大雨です。午前中は3回忌のお勤めでした。故人様は、生前、お寺にもよくお参りされていました。もう丸2年も経ったのかと。施主さんは漁師です。いまは底曳漁のオフシーズンです。8月末から次の漁に出かけられます。

あすは市内で納骨のお勤めがあります。ご遺骨をいったんお預かりしていました。昼過ぎ、ご家族が引き取りに。ちょうど日本対チュニジアの時間です。気になるところですが、もちろん仕事優先なのです。昼間は強風が吹く予報のようです。

雨音をBGMに西法寺通信の作成を続行です。先日の「お寺フェス」を写真中心に紹介です。あれからはや3週間です。これで6ページ中、4ページ分までひとまずできました。あと2ページ、明日中の完成をめざします!

西法寺の日々

朝からムッとするような暑さの一日でした。

今日は6時半過ぎにお寺に行って、お勤めの後、西法寺通信第29号作りからスタートです。朝がいちばん集中力を発揮できます。

10時過ぎ、3月に一度ご相談にお越しになった方が再びお参りくださいました。かねてより「お墓じまいをして、自宅から近い当寺の納骨堂へ納めたい」とお話しされていた方です。その後、ご連絡がなかったので少し驚きましたが、本日正式にご遺骨をお預かりすることとなりました。あいにく法事の直前でバタバタしており、その場での納骨はできませんでしたが、近いうちに改めてお越しいただく予定です。

その後、10時半過ぎから法事を1件お勤めいたしました。お参りのみなさまは、70代半ばです。「正信偈」を最初から最後までしっかりと声をそろえて読まれました。お勤めの後、「30分も大きな声を出したので、今日のお昼ご飯は一段と美味しいですね」と冗談を交えつつ、少しお話をさせていただきました。
「親鸞聖人は、ちょうどみなさまと同じくらいの年齢から『和讃』という詩を書き始められました。鎌倉時代の70代といえばかなりの長寿ですが、聖人は90歳まで生きられました。高齢を迎えてなお仏さまの慈悲と智慧に照らされて生きる喜びを詩に表現されたのです。このお姿は、人生100年時代を生きる私たちにとっても、大切なヒントになるのではないでしょうか」

と話しながら思いついたことが。この2年ほど『歎異抄」の輪読会を3カ月に1回のペースで続けてきました。あと1回で終わると思います。次はどうしようかと考えていたのですが、親鸞聖人の「和讃」をごいっしょに読んでいくのがいいかもしれません。

お勤めが終わり、本堂の片付けをしているとムカデがいるではありませんか。袈裟を着ている時は殺生しないことをモットーとしているので、本堂の外にでていただきました。

昼、家に帰って5匹のネコたちに餌をあげて、私も昼食です。

午後2時過ぎ、門徒総代会の役員の方がお見えになりました。7月25日(土)の午後に、西法寺にて鳥取因幡組(そ)の総代会研修会を開催することになりました。当日は「お寺を心の居場所・よりどころに」というテーマでお話しさせていただきます。

これらの合間を縫って、西法寺通信の作成を続行。次号は6ページの予定なので、いつもより作業量が多いのです。7月上旬からお配りできるよう、来週前半の完成を目指して、まさに「ねじり鉢巻」なのです^^;

岩美高校生、来寺する

今日は午前中、納骨堂の建設に携わっていただく大工さんと設計士さんにお越しいただき、顔合わせをしました。堂内の納骨壇は既製品ではなく、一から設計するオリジナルのものを作っていただくことになっています。打ち合わせでは「こういうこともできそうです」とアイデアのご提案もありました。

8月29日(土)の午後には、2回目となる納骨堂説明会を開催する予定です。「当日は建物や納骨壇の模型を用意して、皆さんに具体的なイメージを持っていただけるようにしましょう」「実際に着工してしばらく経った頃に、現地説明会を開くのもいいですね」といった前向きな話が進みました。まだ2か月以上先のことですが、今からとても楽しみです。「お墓を建てるのが楽しみ」と言うと少し奇妙に聞こえるかもしれませんが、完成への期待が膨らんでいます。

一方で、国際情勢の影響も耳にしました。アメリカによるイラン攻撃のあおりを受け、資材が調達できずに工事が中断するといった事態も起きているそうです。業者さんも「振り回されている」と渋い顔でした。

停戦合意は結ばれたものの、いったい何のための攻撃だったのでしょうか。力による支配を狙ったトランプ米大統領でしたが、思うようにはいかず、国内外からの批判が高まる中で最低限の合意を結ぶことになりました。その内容を見てみれば、結局は攻撃前の状態に戻っただけのように思えてなりません。

さて、午後は先週に引き続き、地元の岩美高校の生徒さんたちが来寺されました。「尾崎翠を訪ねて」という授業の一環です。私からも少しお話をし、翠が生まれた部屋などを見学していただきました。

現代の若い世代、高校生に届くメッセージはあるはずです。翠さんを未来に語り継いでいくためにも、引き続き考えていかないといけません。

日本が戦争へと本格的に突き進んでいく時代に、翠さんは筆を折りました。その理由については、病気のため、作品を発表するあてがなかったため、あるいは過去は過去として割り切っていたためなど、さまざまな見方があります。私自身は、「自分の筆は想像の翼を広げるためにあるのであって、戦(いくさ)の世を前にして、沈黙するしかない」という思いが、特に戦時中の翠さんにはあったのではないか。そのように感じるのです。

ハッとする

11時過ぎから、アルゼンチンのメッシ選手の試合をテレビに釘付けになって観ていました。なんと1試合で3得点、圧巻のハットトリックです。今年38歳になるとはとても信じられない大活躍に、ただただ圧倒されました。

すごいものを見させてもらったなあとそのまま昼休みにすることに。昼食を食べながらワールドカップ中継後の番組「みみより!解説」に目をやると、今度はガラリと毛色の違うテーマが流れてきました。アメリカの若者の間で「AIに期待しない」という冷ややかな見方が広がっているというのです。大手企業によるAIを理由にした人員削減が進み、雇用不安が直撃しているのがその理由でした。

問題はそれだけではありません。AIのデータセンターが消費する莫大な電力と水が環境に大きな負荷を与えており、一時建設停止に追い込まれる州もあるそうです。日本でも国会で「データセンターを環境アセスメントの対象にすべきだ」という議論が出たとのニュースで知りました。一つの施設だけで小さな県の年間消費電力量を超えるという事実が指摘されており、「えっ?!」と。

私たちはどうしても、「AIがいかに便利か」というはなやかな側面ばかりに目を奪われがちです。かくゆう私もその一人でした。しかし、AI最先端のアメリカでいま起きている現実を知り、技術の進歩の裏側にある影に、ハッと我に返るような思いがしました。

蓮の観察日誌②

境内に、今年も蓮(はす)のカメを4つ、睡蓮(すいれん)のカメを1つ置いています。
数日前、そのうちの1つから、うれしいことに花芽が立ち上がってきました。
6月末には大輪の花を咲かせてくれるのではないでしょうか。
昨年はたくさんの蓮が咲き、境内を彩ってくれました。今年も期待しているところです。

蓮が咲くと、どこからともなくミツバチたちが集まってきます。
懸命に花粉を集め、巣へともち帰る姿は、本当に健気(けなげ)なのです。
そして時には、そのミツバチを目当てにスズメバチがやってくることもあります。

日本には、もともと「自然(じねん)」という言葉がありました。
これは、人間社会をも含めた、ありとあらゆる命の「あるがまま」の姿のこと。
人間の都合や計らいを超えた、大いなる調和の世界を意味します。

一方、私たちが普段使う「自然(しぜん)」とは、人間社会とは切り離された山川草木や動物のこと。いわば、人間と対立する概念です。
これまで人間は、この「自然(しぜん)」をコントロールできると考えてきました。しかし、地球環境の危機が叫ばれる今、いかに共生していくかが大きな課題となっています。

「自然(じねん)」の教えは、浄土真宗の開祖・親鸞聖人や、曹洞宗の開祖・道元禅師も大切にされました。

境内の小さなカメを舞台に繰り広げられる、いのちの営み。
人間の物差しを超えた「自然(じねん)」の世界に、今年も目を向けていきたいと思います。

ノノ氏、動物病院へ

坊守です。
黒猫ノノ氏、5月2日以来の診察日でした。

前回、「点滴の頻度を7日から10日に1度にのばして、その上で血液検査に大きな変動がなければ、点滴はお休みしてもよいと判断しましょう」とセンセイが言ってくれたので、今日の検査結果はノノの運命を左右します(大げさ)。
私の頭の中でもドラムロールが鳴っていました。果たして結果は…
5月が BUN 73/CRE 4.34、
今回が BUN 71.2/CRE 4.87

この2つを並べて読むと、ノノの腎臓の状態は「ほぼ横ばいで安定」ということに。
立派な腎不全の数値ですが、体重も4.5キロ台を維持し、その他の値はすべて正常値なので(おばちゃんより良かったりして!)、
おうちでの点滴からは、ひとまず解放となりました。


2025年7月から11カ月、我々ニンゲンもかなりな回数点滴をさせていただきましたが、お互い慣れても楽しい作業ではありませんから、肩の荷がおりました。

また体調変化により再開の指示が出るでしょうが、なるべく長くこの調子を維持するよう、ケアしたいと思います。

本人は、帰る道々、アーアーアーアーと、運転する住職に抗議の声をあげていたそうです。

いつもの通院スタイル。チカラが強いので、プラスチックのバスケットのフタは、ロックをしてても突破します。なので、風呂敷に包んでおります。

関係ないように見えるけど

お寺の住職さんは、どなたもそうかもしれません。
今、私は8月のことを考えています。
具体的にはお盆参りのスケジュールです。昨年の資料をパソコンで眺めつつ、シミュレーションを重ね、回る順番を検討し始めたところです。

スマホのカレンダーで管理してもいいのですが、本堂に掛けられた「法語カレンダー」の8月をふとめくってみました。そこにあった言葉に、「いや、その通りだ」と思わず深くうなづいてしまったのです。

「関係ないように見えて、実はみんな、深い関係があるんです」

永六輔さんの言葉です。

これは昨夜のこと。
コンサートの熱気が冷めやらぬまま車で帰る途中、坊守(ぼうもり)と感想を語り合っていたのですが、突然「スマホを忘れた」と言い出しました。すでに夜9時を過ぎており、会場の会館にはもう電話がつながりません。

そして今朝、私のスマホに着信がありました。
コンサート主催者のAさんのもとにスマホが届いていたのです。緊急連絡先になっていた私へ、わざわざお電話をくださいました。すぐに坊守に連絡し、市内まで受け取りに。無事に手元に戻り、お礼を述べて名刺交換をすると、Aさんから思いがけない言葉が返ってきたそうです。

「実は、お寺フェスに行こうと思っていたんですが、仕事で行けなかったんです」

Aさんは、もちろん西法寺のご門徒さんではありません。
ではなぜつながったのか。実は、事前にコンサートの案内でお寺に来られたBさんの、お知りあいだったのです。私はBさんと初めてお会いした際、「お寺フェスでコンサートの宣伝をしてもいいですよ」とお伝えしていました。「落語を聞いてみたかった」というAさんは、Bさんと一緒にお寺フェスへ行く予定を立ててくださっていたようなのです。

ちなみに、Bさんと一緒にお寺に来られたCさんは、普段は芸術作品を作られていて、境内の蓮の手入れをしてくれている方です。CさんとBさんは小・中学校の同級生。この2人が友人同士でなければ、私が今回のコンサートに誘われることもありませんでした。

「関係ないように見えて、実はみんな、深い関係があるんです」

Aさんとも、どこかでお会いすることがあるでしょうか。

コンサートの夜

夕方、市内のとりぎん文化会館へ。知人から勧められてチケットを購入した「7本指のピアニスト 西川悟平・ピアノの貴公子 大井健 プレアデスコンサート2026in鳥取」を鑑賞してきました。鳥取に帰ってきてからコンサートに足を運ぶのは、もしかしたら初めてかもしれません。これまで、すっかり文化とは縁遠い生活を送っていました。 

開演の17時半、約500人を収容するホールは満席。私は西川悟平さんというピアニストを全く存じ上げず、東京パラリンピックの閉会式での演奏や、「徹子の部屋」への出演、世界各地でのご活躍も今回初めて知りました。 

しかし、7本の指から奏でられる音色は胸に迫り、ユーモアたっぷりに語られる半生には深く心を揺さぶられました。特に、敵対する人とも心を通じ合わせたというエピソードは、僧侶の法話よりもよほど身に染みるものがありました。ニューヨークの自宅押し入ってきた2人の泥棒と打ち解け、結局、何も盗まれず。仕事についた彼らを後年、彼のコンサートにVIP招待したというのです。

20時半を過ぎ、アンコールの演奏をもって大盛況のうちにフィナーレ。素晴らしい音楽の余韻に包まれる夜となりました。

10月24日(土)の午後には、再び鳥取でコンサートが開催されるとのこと。今度は2000人を収容するとりぎん文化会館の大ホールです。坊守も今から行く気満々の様子ですが、もちろん私も。秋の楽しみがふえました。

ワールドカップはネコとともに

いよいよサッカーワールドカップが始まりました。日本代表の活躍を期待するとともに、スポーツの素晴らしさを存分に楽しめたらいいですね。

6/15の午前5時から日本対オランダがキックオフ。この試合が決勝トーナメントに向けたカギでしょう。オランダに勝ったことはこれまでありません。そして、日本代表が入ったグループFは強豪国ぞろいです。

初戦は朝5時からですから起きられるかどうか。でも、心配はいりません。朝4時過ぎにはター坊が、「テレビ、テレビ」ではなく、「ごはん、ごはん」と必ず枕元にやってきます。それにノノとクウが連れ立って。

ネコたちに起こされてワールドカップを楽しみたいと思います。

ター坊(前)、ノノ(後ろ)

トランプ大統領のもとでのワールドカップです。彼に「ノーベル平和賞を」とご機嫌をとったFIFA会長のごますりぶりも記憶に新しい。出場国の一つはアメリカが再び攻撃しているイランです。平和のうちに開催されることをのぞみたい。