久しぶりの東京

坊守です。
今朝もいつもの時間に家を出ましたが、行き先が少し違います。
賢いシマちゃんがお見送りしてくれました。


久しぶりの東京です。小雨模様ですが、涼しいのはありがたい。人口1万人の町から来たおばさんには人が多すぎて、それだけでくたびれました(ここに住んでいたなんて、信じられない程です)。

明日は朝から医療生協の総会で、今日は前日の学習企画です。東北の被災地で地域の人々をつなげる事業をされているJOCA東北のマネージャーがメイン講演。


高齢者、障害者のデイサービスや作業所、保育園と多世代をケアする複数の事業所の集まる拠点を公営住宅の跡地を使って建てています。そこにはお蕎麦屋さんや温泉、スポーツジムなども併設、人のあつまるスペースとなっていて、「ごちゃまぜの地域づくり」を体現しているお話でした。
「温泉を併設」というキーワードにワタシの妄想スイッチが入り、岩井地域もなにかひと味加えてつなげていくと、おもしろいかなぁ、などと、勉強がおろそかになったことも自供します。

ああ、お腹すいたなあ。解放まであと1時間。陸路で来たら、特急はくとの揺れにノックダウンでお昼ごはんはほんの少ししか食べなかったのです。

今と昔の職人さんのワザ

「あっ、ヒビが入っている……!」

それは「お寺フェス」の前々日のこと。玄関前を掃除していた時、ふと目に入った玄関ガラスのヒビ。これはまずいと、セロテープで応急処置を施して、あまりに格好が悪いので、フェスのチラシをガラスの上に貼って急場をしのいだのです。

フェスが終わり、業者さんに来ていただいたのですが、「2ミリのすりガラスは在庫がない。頼むと時間がかかるので、別の方にお願いされたほうがいいかもしれません」とのこと。そのままにはしておけないので、先週の土曜日に坊守が市内の別の業者さんへ電話をしてみると、「在庫ありますよ」とありがたいお返事が。そして今朝、来ていただきました。

お寺の玄関は趣のある木枠ですが、湿気をふくんでいて、ガラスを出し入れするのは難儀だったようです。それでも、木枠を少し浮かせてすっと新しいガラスをはめ込み、修理は完了しました。

「いい細工がされてますね」
職人さんはそういって、建具をほめておられました。
「今回は一番下だったから直せましたが、別の場所なら建具屋さんにお願いしないといけなかったでしょうね」

この庫裡が完成したのはもう40年前以上昔です。
私は当時、高校生でした。

その時には、家が新しくなって嬉しいという気持ちだけでしたが、当時の職人さんが込めてくれた見事な技と想いに気づかされる、月曜の朝となりました。

大切な問いをいただきました

梅雨らしい一日です。朝の法事の最中から、雨が降ったり止んだりを繰り返しています。

昨日のブログに、このようなコメントを寄せていただきました。
「仏様から見たら、武器を作っている会社の株を買って大儲けしている人を、どう思われるのでしょうか?」

非常に大切な問いをいただいたと感じています。私なりに少し考えてみました。

本来、仏教は正当な手段で富を築くこと、それで家族を養うこと、そして社会に還元することを決して否定していません。むしろ奨励しているともいえます。

しかし、コメントにあるように、人を殺傷する兵器を売る会社の株を買い、誰かが血を流すことで自分の懐をうるおす行為はどうでしょうか。これは、「生きものを殺してはならない」という仏教の根本的な精神「不殺生(ふせっしょう)」に背くことになってしまうのではないかと思います。

また、仏教には理想的な生き方の指針として「八正道(はっしょうどう)」という教えがあります。その中の一つである「正命(しょうみょう:正しい生活の営み方)」では、「人の迷惑になる仕事をしない」よう説かれており、避けるべき生業としてまさに「武器の製造と売買」があげられているのです。

「武器を作っている会社だと知りながら、大儲けしている人」について、「抑止力や平和のために貢献しているのだから何が悪いのか」という反論もあるかもしれません。ですが、現代の兵器はますます残虐になり、現実に今もどこかで使われています。

その悲しい現状をふまえれば、仏さまはこうおっしゃるのではないでしょうか。
「自らの欲を人の命の上に置き、間接的に他者の不幸と死を支えることになっていませんか。それがあなたののぞむ幸せですか。心を壊してはいませんか」と。


斎藤幸平氏の新著を読む

今から2000年近く前に著された『仏説無量寿経』という経典に、このような言葉があります。

「普済諸貧苦(ふさいしょびんぐ)」

阿弥陀仏になる前の法蔵菩薩が、「諸々の貧苦から人々を救わないかぎり、私は仏にはならない」と誓った言葉であり、仏教の、そして浄土真宗の根本的な目的です。

しかし、現代社会を見渡すとどうでしょうか。
富の一極集中、気候危機、力による支配の横行……。他者を切り捨てるような風潮が広がり、貧苦は縮小するどころか世界中で拡大しています。先日、ユニセフから活動報告と募金のお願いの頼りが届きました。困難なもとに暮らす子どもたちの写真を眺め、「この現実をどうすればいいのか」と思うのです。たとえ貧者の一灯であっても、できることはさせていただくわけですが。

「お寺フェス」も終わり、なんとなくそういうことを考えていたのです。するとネットで私の関心に寄り添うようにオススメされたのが、経済思想家・斉藤幸平さんの新著『人新世の「黙示録」』でした。早速入手しました。

本のカバー裏には、こう記されています。

「不安の悪循環を逆転させ、破局の時代を生き抜くためには、どうすればいいのか。その切り札が参加型の計画経済だ。しかし、全体主義にならない計画経済は可能なのか。この矛盾を気鋭の経済思想家が解決し、未来への扉を開いていく」

詳細に読み込んだわけではありませんが、付箋をペタペタと貼り付けてページをめくりました。

「普済諸貧苦」という誓いを、困難な時代にどう実現していくか。現代社会をとらえなおし、具体的な手立てを考える上で、大変な刺激を受ける一冊です。斎藤さんは「マルクス主義者」を名乗っているので、お坊さんは拒否反応するかもしれませんが、物事を固定的に見るのは仏教の精神にも反します。それはともかく、いま読むべき1冊であると思います。

悪徳業者に注意を!

昨日と昨日、「中国電力の関連会社」「中国電力の委託をうけている」などと名乗る人物(別人です)が違う番号から2日続けてお寺に電話をかけてきました。「電力料金が安くなります」という誘いです。おかしいでしょ。なぜ中国電力から委託をうけて安い電気料金を勧めるのか。中国電力がそんな会社を勧めるわけない!

こういう悪徳業者で働いている人がたいがい、声の主は若い人ということにいたたまれない気持ちになります。どこで誘われて、こんな仕事にクビを突っ込んでしまったのか…。九州では、この番号から「九州電力の関連会社」を名乗って電話がかかるそうです。知らない050からの着信は、出ない方が賢明でしょう。

彼らは、電話口で情報を聞き出し、勝手に電力契約をかえて割高な業者に誘導するなどして紹介料を得る、騙しやすい人としてその名簿を売るなど、めちゃくちゃです。ですから、一度、悪徳業者に引っかかってしまうと、繰り返しさまざまなところから電話が来るようです。

お寺というところはいろいろなところから電話がありますが、今日は相手をする気持ちになれなかったので、「あなたの電話番号は詐欺として認定されていますよ」といって切りました。みなさん、本当に注意してください。こんな人たちに引っかかってしまうと時間とお金を無駄にするだけです。

ナモの日記(2026年6月)

ナモです。

こないだ、おてらのふえす、というのがありました。
アタイたちはらくごはきかないので、いままで、いつもおるすばんでした。
ところがことしは、とおいところから、「ふえすにあそびにきた」というチカエさんが、アタイたちのうちにおとまりしてくれたの。

ネコのおみやげをもってきてくれて、はじめてあったのに、アタイたちのことをよくしっていました。
おばたんがせつめいしないのに、
「ナモちゃん」て、よんでくれたし
「ターちゃんは、あしがなおってよかったわ」
と、そんなことまでしっているの。キバがぬけちゃってるシマちゃんにあげる、やわらかいカツオまでよういしてくれていて、びっくりしました。

ター坊

ぐんまけん、という、いわいからずーっとずーっととおいところからひこうきにのってきてくれたのよ。

ノノ


やさしいこえでなまえをよんでくれて、アタイたちをおどろかせないように、そおっとそおっとあるいてくれたので、おしいれにかくれていたたーちゃんは、そとにでてきて、スリスリしておせったいもできたのよ。

遊んでもらってご機嫌のクウ


アタイたちぜんいん、だいすきになったチカエさんのねているおへやにいって、あそんでもらいました。
アタイはおひざにのせてもらいました。

ニンゲンのおともだちはすくないので、またきてほしいわ

鳩に思う

昨日、年に1度の健康診断を鳥取生協病院で受けました。
最大の難関は、胃カメラです。自分では平常心で臨んだつもりでしたが、いけません。担当の医師が「来年は鼻から入れましょうか」と気の毒がるほど。情けない姿をさらしてしまいました。

ところで、病院の壁の掲示コーナーに職員さんによるものなのか、鳩のイラストの上に平和のメッセージが記されていました。「トランプの独裁を許してはいけない」とか、「核兵器をなくそう」「戦争反対」など。こういうことを掲ているのも、この病院の特徴だと思います。命を守るのが病院の使命であり、その命をもっとも粗末にするものが戦争なのですから。

鳩にまつわるお話をひとつ。

先日、葬儀会社からの依頼で葬儀をおつとめしました。故人さまとは全く面識がありませんでしたが、女性団体のリーダーを長く務められたそうです。葬儀の際に、こんな話をプリントにして、みなさまにお配りしました。

○○さまは生前、女性団体のリーダーとして活躍されました。鳩は、その団体のシンボルです。平和の象徴でもあります。

ところで、鳩は「クー、クー」「キュー、キュー」と鳴きます。九と鳴く鳥ですから鳩なのです。

これは仏教の説話です。昔、インドにシビ王という非常に慈悲深い王様がいました。ある時、彼のもとに一羽の鳩がやってきて、「鷹に襲われているので、どうか助けてほしい」というのです。王は鳩を隠したのですが、鷹がやってきて、「その鳩を渡してほしい。何日も食べることができず、私は飢え死にする。あなたは、鳩は助けるが、私は見捨てるのか」と。王はもっともだと思い、「鳩の代わりに、鳩と同じ重さの私の肉をあげるから、鳩を許してくれ」と提案するのです。天秤を用意して、一方に鳩を、もう一方に自分の太ももの肉を切り取って乗せたのです。しかし、いくら自分の肉を切り落としても、どうしても釣り合いがとれません。ついに王は、力尽きてしまうのです。

鷹は帝釈天が、鳩はそれに仕える毘首羯磨天(びしゅかつまてん)がそれぞれ化けていたのです。シビ王が本当の菩薩であるかを調べるためにです。

帝釈天は、「あなたが真実の菩薩であることがよくわかりました。あなたの行為が仏道にかなうものであるのなら身体はもとに戻るでしょう」と告げます。そして、シビ王の身体はもとに戻りました。こののち、シビ王はお釈迦さまとして生まれ変わるのです。

もちろんこれは「物語」ですが、人の命も、小さな鳩の命も、重さに変わりがない、「生命の平等」という仏教の教えを今日に伝える「物語」です。

私たちは、シビ王(お釈迦さま)のように完全なる慈悲心を持つことはできません。しかし、この「物語」は現代を生きる私たちに多くのことを語りかけてくれます。

このお話は、以下の本を参照しています。

牧谷窯さんの販売所へ

昨日、牧谷窯さんが工房の隣に開いた販売所にいってきました。陶工の杉本さんの器と彼が懇意にしているデニム職人の手によるこだわりのジーンズやシャツを販売しています。「器を作る方がメインなので、開けるのは月に1日を考えています」とのこと。関心ある方はインスタグラムをみてください。

その後はリベルタ・ラ・クチーナさんでアイスコーヒーを。窓の外には田おこしがすんだ田んぼが。次にうかがうときには田植えが済んでいるでしょうか。「お寺フェス」にはじめて出店していただきました。店主さんは「お店にきていただいているお客さまと再会してびっくりしました」。私からは「来年もぜひ」とオファーも。

ついで、落語家さんが宿泊したかまや旅館さんに支払いと来年の予約も。

今回の「お寺フェス」には、はじめて参加された方が多くありました。あるご門徒さんが、「SNS効果じゃないですか?」と。それは定かではありませんが、「ホームページをみて参加した」という方いらっしゃればぜひコメントなどでお知らせください。

まつりのあと

昨日の夜は、岩井のさんやんさんのからあげと焼きそば、どんづまりハウスさんのイワナを食べてまつりの余韻にひたっていました。

そして朝、お寺フェスに出店されたマロンカンパニーさんのメロンパンを食べました。昨日は焼きたての香りにさそわれて、多くの来場者が購入されたそうです。坊守は、「メロンパンは好きじゃないけど、マロンさんのはおいしい」と申しておりました。

朝食後、境内の片付けをしていると、旅行者とみられるご夫婦が山門前で記念撮影されていました。お声かけすると千葉から来られたとのこと。島根から鳥取とめぐり岩井温泉へ投宿されたそう。ご主人は東京で映画「第七官界彷徨 尾崎翠を探して」をご覧になったことがあるそう。「ここが翠さんの生家なんですよ」と幼少期、岩井で過ごしたことや映画の制作エピソードなど、少しお話ししました。我ながらすらすらとでてきたのは、この間、翠さんの作品やご生涯についてインプットしていたことがいきたのだと思います。

今日はお寺フェスの片付けが中心任務です。それが終わればまた日常にもどります。

第4回お寺フェスをひらきました

青空のもと、第4回お寺フェスを開催しました。

今年は開会前から車でのご来場が非常に多く、早くも駐車場が満車に。役員さんの機転で急きょ温泉旅館の駐車場をお借りするほどの大盛況となりました。本堂の椅子も用意していた40脚では足りず、15脚を追加。縁や外で聴いている方もあわせると60人以上の方が上方落語を楽しみました。

ゲストの3名はお寺フェス4年連続のご出演です。私と坊守の友人である満丸屋團地さんは「動物園」を熱演。落語好きが高じて桂出丸師匠に稽古をつけてもらっているアマチュアの方ですが、会場の笑いを誘っていました。

続く桂小鯛さんのネタは「ちりとてちん」。何でも「知っています」と知ったかぶりをする男に、腐った豆腐を珍味と偽って食べさせる滑けいなお話です。小鯛さんの身ぶり、手ぶり、話ぶり。ほんと落語が天職だと感心しつつ楽しみました。

そして桂出丸師匠は「花筏(はないかだ)」を熱演。大阪相撲の人気力士・花筏が病気で巡業にいけなくなります。その代わりに背格好が似ている町人が礼金に目がくらみ、土俵へ上がり、そして巻き起こす、おかしな騒動に客席はおおいに沸きました。オチが見事!

桂出丸師匠

境内も大いににぎわいました。健康チェックブースには大ぜいが集まりました。

飲食ブースではカレーやイワナの塩焼き、唐揚げ、焼きそば、焼きたてパン、かき氷、コーヒーにデザートが並びました。網代のカレイの干物はいつものように即売、92歳のご門徒さんが作った「長寿ワカメ」も完売です。お寺らしく仏具の販売もあり、担当の方も「仏具のご相談を何件もいただけてよかったです」と喜ばれていました。

疲れが見える住職😅にお店からのプレゼント

お楽しみの抽選会では、双子の姉妹とお父様にそれぞれ景品が当たるという微笑ましいサプライズもありました。

本当に多くの方にご来場いただき、心より感謝申し上げます。午後は雰囲気をガラリと変え、永代経法要を厳かにお勤めいたしました。

2日間にわたり、準備から運営、片付けまでご尽力いただいた役員の皆様、本当にありがとうございました。

町のケーブルテレビにて、後日、ダイジェストが放映される予定です。