恩師の著書をいただく

坊守、そして私のことを気にかけてくださっている和歌山の前住職さんより本をいただきました。前住さんは若い頃、伝道院という真宗僧侶の研修・教育施設で学ばれました。その際、教えをうけたのが著者の松野尾潮音さん。前住さんにとっての恩師です。先日、三朝温泉での会食の際に、勧めていただいた本でした。ただし、前住さんも一冊しか手もとにもっておられず、「お貸しするから読んでください」とのことでした。ところが、やはり一冊プレゼントしたいと考えてくださったようです。知り合いの本願寺職員の方に古本で手に入れてもらい、そして私のところに前住さんが届けてくださったのです。

朝から読み始め、斜め読みですが午前中に一読しました。

「はじめに」に、「お釈迦さまの仏教の根本が、お念仏のみ教えにどう凝縮されているか」を話しますよとあります。これは私も大変関心をもっているテーマでもあります。

そして、門徒としての「肚を作っていただきたい」とのお願いがあり、講演の最後は「如来さまのお心に生きる道に入ろうとする決断を」との言葉で結ばれています。私などは僧侶歴も浅く、フラフラしているので、「決断」といわれると、「いやいや、そこまではなかなか」となるのです。だから格好の書ではなかろうかと。

前住さん、ありがとうございます。今度お会いする機会に、学んだこと、そして、その学びから活かすことができたことがあるのなら、それもふくめてお話しできるよう、じっくりと読んでいきたいと思います。

昼前に家にもどると↓

こたつから上半身を出して寝ているター坊なのでした。

「卅」はなんと読む?

午前中、四十九日、そして納骨のおつとめでした。
お墓にうかがうと、自然石の大きな墓石がドーンと。
施主さんが、「納骨するにしても、お墓の前の大きな石を動かさないとできません」とおっしゃっていた意味がわかりました。人力で動かすのは難しいでしょう。石材店の若い職員さん2人が「チェーンブロック」で石を吊り上げて、ご遺骨を納骨されました。個人さまのお墓ですから写真は遠慮しましたが、初めて目にしました。どんな道具なのか興味ある方は、「チェーンブロック 三脚」で検索してください。

お墓の形は年月のなかで移り変わり、こうした自然石の墓石を目にすることは減っています。維持をすることも大変だと想像します。施主さんは、「子どもには、『私はここに入れてよ』っいっているんですが、どうなるでしょうね」と苦笑しておられました。

ところで、大きな墓石の後ろに昭和卅年建立とありました。「卅」という表記を日常目にすることはほとんどありませんが、過去帳や、古いお墓にうかがうと目にすることもある漢字です。さて、なんと読むのか、みなさんお分かりですか?

クウちゃん、お接待する

午前中、法事のため岡山からTくんご家族がお見えになりました。
古家にも来ていただいてネコたちとご対面。
シマちゃんはネコの小径で日光浴中でした。

家に入ると、居間にはナモとクウ。こたつの中にノノがいました。
ター坊は、猛ダッシュで2階に駆け上がって行きました。

Tくんが、お土産のチュールを開けるとクウは近づいてきてぺろぺろ。
ナモの分まで横取りして立て続けに2本をお腹のなかに。

さらにすりすりまで。
「かわいい〜」とTくんも大喜びです。なかなかのお接待ぶりでした。
ナモは寝ぼけ眼でしたが、身体をなでさせてくれました。

Tくんに来年のネコカレンダーをプレゼント。
またいつでも遊びに来てください。

「祭」の意味

数日、冬らしい天候が続きましたが、積もるほどの積雪もなく、助かりました。

この数日は報恩講のお礼ハガキづくりと届け、日曜の責任役員会の準備、来年の年回法要の確認などにあててきました。年回法要の案内は来週初めにはできそうです。西法寺通信も来週、一気に作成する計画です。本堂に掲示する年回札は年末になるでしょうか。

お世話になっている大工さんにお寺に来ていただいて来年の境内の整備計画について相談も。県内外で活躍されている大変忙しい方なのですが、この数年のあいだ、古屋の2回の改修、お寺の鐘撞堂の修繕、本堂のエアコン設置、そして女性の方から「おしゃれですねー」と声が上がる洗面台の設置などさまざま力を貸してくださっています。責任役員会、そして13日の役員会で境内の整備計画についての相談をするので、その事前の打ちあわせです。

今年ごえんがあって葬儀をつとめさせていただいたご家族から、「仏壇を買い求めたい」との電話がありました。日々、手をあわせる生活をはじめられるということです。そこまでお考えとは思っていなかったので、うれしさと共に、ちょっとびっくりもしました。今月中にお寺に来ていただいてお話をうかがうことになりました。

永代法要をご希望されている県外の方からも連絡をいただいて日程が決まりました。

「冠婚葬祭」という言葉があります。「祭」は法事のことです。5年ほど前、「チコちゃんに叱られる」を見ていて教えてもらいました。人は、「葬」で終わりではないということです。

日々、仏前で手をあわせることも、それがなかなか難しくて永代法要を希望される方も、年回法要にお参りいただくご門徒さんも、その思いは、いのちをつないできてくれた亡き方への感謝なのです。

来年1月は、障害を持って生まれた私のおばさんの13回忌でもありました。ふだんは施設で暮らし、休みの時だけお寺に帰って来られていました。おばあさんが本当に可愛がっていたことを思い出します。施設の職員さんの親身なケアを受け63年の生涯をまっとうされました。亡くなられた時は、まさか私が法事をおつとめするようになるとは考えもしませんでした。当時は僧侶ではありませんでしたから。「葬」で終わりではなく、「祭」の機会を与えてくださったおばさんに感謝なのです。

寒波の襲来

朝から冷たい風が吹き、昼過ぎに大きなアラレが降ってきました。そして雪も。強い寒波の影響で寒い1日となりました。

昨日は網代で納骨のお勤めがありました。おだやかな天候だったので、今日は真逆です。今日なら延期しないといけないところでした。坊守は昨日、冬タイヤに交換できたそうです。2月の雪の際にSOSを求めてやってきたクウやノノは寒い目にあこともなく、屋根に積もった雪が落ちるのを家の中から見ています。

さて今日はデスクワークです。網代分の報恩講のお礼ハガキは昨日、世話役さんに届けました。今日はそれ以外の約50枚ほどを印刷。お寺の過去帳を眺めて、来年の年回法要の確認も。1、2月にあたっているご家庭には早めに知らせないといけません。7日には責任役員会も予定されているので、その準備も。

次の土曜日には、我が家のネコのことをいつも気にかけてくれているTくんがおとうさお母さんと共にご法事でお参りされます。ナモとクウは接待してくれることでしょう。ノノは美味しいものさえあれば大丈夫。果たしてター坊は? 来年の猫カレンダーなど用意して、Tくんをお迎えしたいと思います。

夕方、雪が激しく降り出しました

報恩講の受納書づくり

今日は昼から網代で納骨のお勤めがあります。それまでに、報恩講懇志の受納書づくりです。

100ずつ用意した記念タオルとせんべいも、懇志を寄せてくださった方にあわせてお配りします。ささやかですが、お寺からのお返しなのです。数も足りそうです。

「お寺の名前が入っていて、タオルはもったいなくて使えん」という声も。来年以降も毎年作る予定ですから、遠慮なく使ってください。

近年ではいちばん多いのべ70名での報恩講となりました。現役世代の方にもお参りしていただけるよう、もう一工夫、みなさんと知恵を絞りたいと思います。

今年もあと1か月

今日から12月です。月日はあったという間に過ぎていきます。

あたたかい日がさし、シマちゃんはゴロンと横になっています。

今月、年回法要はほとんどありません。四十九日が2件、永代法要が1件予定されています。

13日には役員会・忘年会、20日には食料無料市が市内で行われます。同日午後は本堂でまちづくりの会のイベント、22日になもなもサロン、23日には医療生協の班会が予定されています。

来年の法事の案内、そして本堂への掲示。これはかなり時間を要する仕事です。西法寺通信の作成と届けも年末までにやりきらないといけません。そうこうしているうちに大晦日になることでしょう。

雪があまり降らないといいのですが。

みなさん、体調に気をつけて過ごしましょう。

報恩講2日目

今日も快晴にめぐまれました。

網代の道場も田後の薬師さんも階段をのぼったところにあります。高齢のご門徒さんのなかには階段の前まで手押し車で、階段は杖をたよりに登ってこられる方があります。本当に尊いお姿なのです。

いまはカニ漁の最盛期。今日も早朝に荷揚げがあったそうです。仕事を終えかけつけてくださる方はお疲れです。頭が揺れつつ聴聞される姿に胸を突かれるものがありました。

網代にて

「仏法には、明日と申すことあるまじく候。仏法のことは、いそげ、いそげ」

いま、いましか、本当に大事なことに目覚めるときはないのですよと室町時代の蓮如上人はおっしゃるのです。

私にとって本当に大切なものは何か、それを忘れて刹那的に生きているのではないのか。その私を救わんと仏の慈悲と智慧がとどいている。だからこそありがたいのだと。

私自身、そう聞かせていただいておりました。

すると、92歳のおばあちゃんが法要の終わりに「ありがとうございました」と大きな声でおっしゃいました。仏のみ教えにふれた喜び、感謝なのです。

田後薬師堂にて

3会場のべ70名で報恩講をお勤めすることができました。土日開催によってお参りしていただける方がふえたようです。

ご講師さん、そしてみなさん、ありがとうございました。

お餅をおすそわけ

報恩講初日

報恩講初日。近年ではもっともおおぜいのご門徒さんといっしょにおつとめすることができました。土曜日はお参りしやすい曜日のようです。

「正信念仏偈」を称え、御講師さんの法話を聞かせていただきました。時に笑いあり、そして我が身を振り返り、苦笑することも。そんな私に向けられた阿弥陀仏の智慧と慈悲を感じ、心豊かな時間を過ごすことができました。

ご講師さん

親鸞聖人のご命日をごえんとした報恩講です。来年以降ももちろんですが、いつまでも平和のうちに続いて欲しい時間です。住職としての目標は、すべてのご門徒さんが一度は報恩講にお参りしていただくことです。

明日は網代と田後での報恩講と続きます。

報恩講前日

旧暦11月28日は親鸞聖人のご命日です。

一年というのは本当にあっという間に過ぎていくものだとつくづつ。
昨年の報恩講では、「頷くも 居眠る姿も報恩講」
とMさんの句を読み違えて紹介することから始まりました。
ご本人さまから、「あれは婆だで」の指摘。
「えつ?!」と句集を確認すると、確かに(笑)

先日の習字教室でMさんの句集から
「行商の 車で馳せる 報恩講」
を記しました。今年の報恩講も体調がよければお参りしたいとのことでした。

今日は前日ですので、みなさんにお渡しする記念品(タオル、生姜せんべい、有田みかん)などの用意。打敷、お餅など本堂のお飾り。納骨堂の掃除。坊守は仕事帰りの夕方からお花を立てます。

参拝記念の品です

報恩講は3会場でのお勤めです。それにあわせて、住職からのあいさつを3種類作りました。ブログを書いていると、こういう材料にはこと書きません。本堂では戦後80年に寄せて平和の話を、網代と田後は、地域に関わることを原稿にしました。

今回は、私がこちらに帰ってきて以降初めて土日の開催としました。現役世代の方にできればお参りしていただきたいとの思いもあってのことです。西法寺通信でのお知らせに加えてハガキを昨年よりもたくさん出しましたが、直接のお声かけはそれほどできませんでした。

それは来年への課題として、私自身もご講師さんのお話に耳を傾け、お念仏申す時間にしたいと思います。

作業中に、網代の漁師さんがお見えになり、カニを山ほど届けてくださいました。