ともにアフリカを出発し、西に進路を取る「ヨーロッパ人」と東の「アジア人」が別れたのは、遺伝学の分析によるといまから五万年前から六万年前のことである。アフリカを旅立つとき、「ヨーロッパ人」も「アジア人」もアメリカ先住民も皆、黒人であった。
陽光の弱いヨーロッパ大陸の民は、次第に紫外線を遮断する皮膚のメラニン色素が抜けて白くなり、「アジア人」たちも地域によって多少異なるが、大まかにいって黒人と白人の中間的な色合いの人間になったのである。
西洋的な価値観が世界に蔓延したときから、肌の色で差別するという悪しき人類の伝統がいまも続いているが、肌の色とはたったそれだけのことである。
十万年は決して大昔ではない。つい昨日まで皆黒人だったのである。
『NHKスペシャル 日本人はるかな旅①」より。
アメリカでは毎年、1000人を超える市民が警察によって殺害されているそうです。その割合は、アフリカ系が白人の約3倍にも。しかし、上にあげた本が端的に記しているように、もともとを辿れば、私も含めみんな黒人であったのです。
トランプ大統領は、デモ隊にたいして「軍出動の用意ある」などと暴力による弾圧をほのめかしています。一体、中国が香港で行なっている市民への弾圧と何が違うのでしょうか。
今から2000年ほど前、浄土教の教えが生まれました。阿弥陀仏が立てた48の願いの中の第3番目は、こういう言葉です。
「たとい我、仏を得んに、国の中の人天、ことごとく真金色ならずんば、正覚を取らじ」
当時のインドは奴隷制の社会です。肌の色での差別がありました。そのなかから生まれてきた浄土の教えは、肌の色の違いを超え、皆が光り輝き、お互いに照らしあう存在である、それこそがいのちのあるべき姿であると、私たちに教えてくれます。
アメリカでの黒人差別・人種差別の深刻な実態と、抗議の声が全米に広がっていることをニュースで見て、浄土教の教え、仏教の教えの意味を改めて噛み締めています。
人種差別には絶対に反対です。