入仏法要に向けて

親鸞聖人の和讃という詩は、鎌倉時代から遠くときを経た現代でも、心に響くものがあります。特に通夜・葬儀の際に拝読するいくつかの和讃は、読んでいても胸が詰まる時があったりします。何を拝読しているのかわからないと申し訳ないので、経本をお配りしています。ともに称える方はほとんどありません。けれども、葬儀の後の還骨法要の際には、声を出して和讃を読まれる方が少なくないのです。そういうとき、親鸞聖人が和語で詩を作ってくださったありがたさを感じるのです(読み方があまり難しくないという点もあるかと思います)。

何冊か解説書を手もとに持っているのですが、いちばん開く回数が多いのは、本願寺の前ご門主・大谷光真氏の『いまを生かされて』という本です。発行は2014年、「あとがき」の「仏教徒としての東日本大震災」「原子力発電に対する私の考え」も端的ではありますが、考えさせられる内容です。

親鸞聖人の和讃を、「苦悩する人々への、励まし」と大谷氏は記しています。だから、この悲しい時間をともに過ごしてくださった人たちが、一緒に口ずさんでくださるのだと思うのです。

朝からずっと、午後に予定されている入仏法要で何をお話しすればよいやらと考えつつ本をまためくっておりました。結果、「安楽浄土にいたるひと 五濁悪世にかへりては 釈迦牟尼仏のごとくにて 利益衆生はきはもなし」を拝読し、それをどのように味わっているのか、大谷氏の解説も交えつつ、お話しさせていただこうとの考えに至りました。

人生における大きな苦悩は、いつか死んでいかなければならないことであり、残された方にとっては、愛別離苦の苦しみを抱えつつ、いかに生きていくかということではないでしょうか。「苦悩する人々への、励まし」である親鸞聖人の和讃を自身がもっと読み込むこと、そして、みなさんにふれていただける機会を増やしていきたいなとの思いを新たにしています。

この冬初の雪もよう

昨夜からみぞれ、そしてあられが降りました。心配された積雪はなく、朝から雪が降ったりやんだり。予報を確認すると、積雪にはならないようです。


テレビの話を少し。昨日は女優の田中美佐子さんが火野正平さんからバトンタッチされた「こころ旅」の最終日。和歌山市雑賀崎を自転車が走りました。雑賀崎には、お世話になっている前住職さんご夫婦のお寺があります。坊守から、「お寺はあの辺にあるよ」と画面で教えてもらいました。一度は訪れてみたい場所なのです。

そして今日、年内の「ばけばけ」の放送も終わりでした。俳優さんの演技も脚本も、松江・宍道湖(しんじこ)の風景も、主題歌も何もかもハマって見ています。鳥取・島根は一括りにされることも多いですが、鳥取県の東端の岩美町から松江は結構遠いのです。車で2時間半はかかるでしょうか。一度しか行ったことはありませんが、「水の都」と称えるられる理由もよくわかる美しい城下町なのでした。

本日は朝から、過去帳の記載、本堂に貼り出す年回札づくりに取りかかり、さらに年末調整の実務も。

年内の法事の予定もいよいよ明日の1件を残すだけとなりました。

葬儀をつとめました

今日は時折、強い風が吹き、そして冷たい雨が降りました。

午前中、葬儀をつとめました。ご主人は20年前にご往生されています。ご夫婦で魚のあきんどさんとして働いておられたそうです。私がまだ幼い頃、岩井に魚を売りに来ていたあきんどさんが複数、いらっしゃいました。故人さまが岩井にきていたのかはわかりませんでしたが、日々、お得意さんに新鮮な魚を届けておられたのでしょう。

午後2時過ぎに還骨・初七日法要をお勤め。その後、コーヒーを飲んでホッと一息。パソコンを開いて今年の葬儀をあらためて振り返りました。この数年でもっともたくさんの葬儀をつとめた1年になりました。思い出すことも多々あります。

夕方、坊守の友人の方からきりたんぽ鍋が届きました。セリの根っこも美味です。ご友人とめぐみに感謝しつつ、このごちそうをありがたくいただきました。

明日は荒れ模様の1日になるようです。気をつけて過ごしましょう。

コメをいただいたお礼に

この数日かけて西法寺通信第27号をご門徒さんに届ける作業にあたりました。郵送分も今日か明日にはお手元に届くものと思います。

日中、米をつくっているご門徒さんのところに届けに。この秋に60キロのお米をいただきました。うち30キロを先日の無料市に提供したので、あらためてお礼も兼ねてです。

集落でコメを作る主力は80歳をこえており、あとを任せられる70際以下の方が少ないこと、子や孫がいても米作りが受け継がれず、どうなっていくのかと心配されていました。ご自身も「あと何回作れるだろうか」とこぼしておられました。

農水省が11月に発表した報告によると、農業を主な仕事とする「基幹的農業従事者」が、この5年で25%も減少したそうです。それもそのはず。中山間地を車で走っていると、以前は田んぼだったと思われるところが、草原化しているところが目につくようになってますので。

米の値段の高さということに私たちの関心はありますが、担い手がいなくなるということは、さらに深刻な問題なのではないでしょうか。

「小さい頃から学校で農作業を教えて、農業にふれてもらうことを考えないといけませんで。誰も作る人がおらんようになりますで」

ご門徒さんは、そうおっしゃっていました。

今年最後のゆかむり班

昨日のサロンにつづき、今日は医療生協の最後の班会でした。司会進行は私です。

血圧を測定し、資料を参照してヒートショック予防のミニ学習。鳥取では交通死亡事故の4倍にあたる方が入浴中の事故で亡くなっているそうです。それを防ぐためのポイントを資料から学びました。私自身は、入浴前の水分補給を今日から実践したいと思います。

フレイル予防体操の動画を視聴し、実際に身体を動かしました。椅子を使ったスクワットは肥満予防にも効果あり。10回をワンセット、1日3回を目標にとのことです。毎日この体操をしているご近所さんは、習慣化することの大切さを力説していました。

お勤めと同じですねー。習慣化、私もめざします!

今年最後のなもなもサロン

今日のお昼は月一恒例のなもなもサロンの日です。
わいわいとにぎやかにお弁当を食べ、いつものようにボリューム大きめの会話に花が咲きました。

私の方からみなさんに質問を一つ。
「『会話が聞き取りづらい』と困っている方がいるんですが、おすすめの集音器ありますか?」
参加されている方の中には補聴器や集音器を使っている方がいらっしゃって、実際にどうなのか教えていただきました。
また、病院などで、聞こえにくなどの悩みや不安を抱えた人むけの講座を開催しているので、一度、参加されたらいいかも、などアドバイスも。

Iさんからは、「私が持っている集音器で、使ってない新しいのがあるから、あげてもいいで」との申し出まで。

みなさん同じような悩みを抱えておられるので、とても親切に教えてくださいました。

さて、今日は今年最後のサロンということで、少し豪華な集まりとなりました。
まず、ご近所にお住まいのYさんが、「みなさんでどうぞ」とかに飯をたくさん差し入れてくださいました。

持ち帰ることができるように小分けのパッケージにしていただいたので、みなさん晩ご飯にいただかれるでしょう。「坊守さんの分もないといけんから」と私には2パック用意してくださいました。

私からは、町内の和菓子店さんのお菓子、そして、Hさんからみかんの差し入れ。

お弁当は変わらぬワンコインですが、豪華な感じがします。お弁当屋さんが、お寺を会場にしたサロンということをよく知っておられるので、もしかしたらサービスしてくださったのかもしれません。

来年も楽しく集まりましょう!

朗読と音楽 かなで

昨日、「朗読と音楽 かなで」が本堂にて開催されました。西法寺で誕生した作家・尾崎翠の誕生日でもありました。接点はありませんが、宮沢賢治と尾崎翠は同じ1896年に生まれています。ですから来年は2人の生誕130年の年にあたります。

ハーモニカ、とうふるーと演奏!! 岩美町の民話の朗読、そして尾崎翠の生涯とその作品を映像と解説と続きました。

とうふるーと演奏、いい音色でびっくりしました。豆腐ちくわは鳥取の名産品なのです。奏者はイワミノフ・アナミール・アゾースキーさん。「豆腐ちくわは、安い、食べられるのがイイ」とのこと。ダジャレ連発の楽しい方でした。

とうふるーと演奏!!

企画の最後は、翠の生涯と作品についての紹介。岩井温泉の旅館の1階に尾崎翠に関する展示ギャラリーがあります(現在旅館は営業していません)。それを映像にまとめたものが上映されました。私は何度か展示を見たことがありますが、今回参加された方の中にははじめてご覧になられた方もあったようです。「よかった」「地元のものが知らんのはいけんなぁ」など、まわりから声が上がりました。

尾崎翠さんの作品をそれほど読み込んでいるわけではありませんが、ドキッとする表現がけっこうでてきますよ。みなさんもぜひ挑戦してみてください。

食料無料市を開きました

午前中、鳥取市内の公営団地の集会室を会場に、食料無料市を開きました。
そのほか、この間、つながっている市内の方たちへの食材のお届けも。

無料市は年間3回、開催していますが、今年は初参加です。

開始前から集会室の前に行列ができるほど。私は最後までいられなかったので詳しくはわかりませんが、60名ほど利用されたのではないかと思います。きょうだい2人、手をつないできてくれた子どもも。知らない大人の中、緊張していたと思います。小さな手に袋をもって帰っていきました。



「ポストにお知らせが入っていたので、初めてきました」「こんなにたくさんいただいて、嬉しい」という女性の方。市内の葬儀会社の方からいただいた毛布とタオルを差し上げました。大きな荷物になったので、部屋まで私が持ちました。出身は中国で日本人の夫と結婚し、その後、離婚。日本人として生活されています。お子さんは都会で働いているそうです。物価が高く、生活を切り詰めている事、腰を痛めて仕事ができない状況にあることなど話しておられました。私がお寺の住職をしていると伝えるとびっくりしておられました。「困ったことがあったら電話ください」とお伝えして別れました。

私自身、お寺にいるだけでは聞こえてこない声、見えないことに出会う場がこの食料無料市という機会です。ほんのささやかではありますが「慈悲の実践」として参加しています。

次回は4月を予定しています。

支えられています

朝、地元のご門徒さんがお寺に。お願いしていた白ネギ100本、それに加えて大きな白菜6つとともに。昨日収穫されたそうです。ネギがツヤツヤしてますね。明日の食料無料市で使わせていただきます。

午前中は永代法要をお勤めしました。県外からご家族がお参りに。ちょうどこの朝、漁師さんがたくさんカニをもってきてくださったので、お参りの方にもおすそ分けです。よろこんでいただいたようでよかったです。

お寺はさまざまな方たちに支えていただいているのだなと改めて。カニを持ってきてくれた漁師さんのお父さんはすでにご往生されています。「〇〇さん、息子さんにたくさんカニをいただきましたよ」と昼前、仏前に報告しました。

昼からは明日の無料市の準備です。私の車内にはネギの香りが充満しております。絶対に眠気には襲われないでしょう。

では、行ってきます。

明日の準備中です

デジタルを使ってアナログ作業中

お寺の仕事もデジタル化がそれなりに進んでいます。前住職は様々なことを手書きでしていましたが、会計実務、宛名書、寺報、それに毎日更新しているホームページなどなどデジタル化されています。

今年の春頃だったでしょうか。ビジネスの世界でRPAということが注目されていると知りました。
「ロボティック(R)・プロセス(P)・オートメーション(A)」の略語です。ロボットによる事務作業の自動化を意味しているそうです。近年はAIの発達で、より強力に推進され、世界各国で自動運転の開発に莫大な投資が行われているとのこと。

人手不足の解消の切り札のように期待もされていますが、人減らしをいっそうすすめるようなことになれば、働く人たちはどうなってしまうのだろうという不安もあります。

近未来の社会がどういうことになっていくのか、私などには想像もできませんし、ニュースを見て、「へえ」と思っているだけですが、おそらく、手作業、アナログでしかできないことも残っていくのでしょう。お寺で考えてみるならば、法事での読経や法話はそれにあたるでしょうか。過去帳への筆を使った記載、時とともに作られてきた空間などもそうでしょう。それらも、もしかしたらロボットがかわってくれる時代が来るのかもしれませんが、やはり人でないと味気ないような…。

どうしてこういうことを考えてるのかといいますと、年末の時期は手作業をする機会が非常に増えるからなのです。デジタルを使いつつ、アナログでお寺は続いていくのかなと思う次第です。