6月も放哉を書く

県東部に発令されていたコロナ警報が解除され、ひと月ぶりの習字教室が網代公民館でありました。

あらしがすっかり青空にしてしまつた

淋しきままに熱さめて居り

この2句は情景が浮かびます。

しかし、

ねむの花の昼すぎの釣鐘重たし

この句はどういう意味なんでしょうか? ネムノキは夜に葉が閉じます。その姿を釣鐘に例えて重そうだなと放哉は詠んだ? それともねむの花ごしに重そうな釣鐘を見た?

久しぶりで気分転換にはなりました。放哉はなかなかつかみどころがなくて、それがまた面白いですね。

「ようきてごした」

届け物があって網代のご門徒さん宅へ。お会いするのは随分久しぶりです。一昨年の秋、西本願寺にいっしょにお参りして以来のこと。

「あきらくん、ようきてごした」。用件は早々に終わりましたが、小一時間ほどお話ししました。

子供時代の思い出話、漁師時代の体験談、亡くなられた奥さんのこと、離れて生活するお子さんたちのこと。

食事など身の回りのことは鳥取市内に住む娘さんがよくしてくれるそうです。

「男は奥さんが亡くなってから5年くらいで死ぬっていわれるけど、ワシは元気だが。だけどいっぺんも夢にでてこんだが。寂しいもんだで」

そんなことをつぶやいておられました。

「困りごとアンケート」をまとめたので…

坊守です。
今朝は、県庁に行ってきました。私は非坊守(ぼうもらず)で、平日は医療関係の職場にいますが、去年末から「困りごとアンケート」にとりくんでいました。
コロナの影響は、客商売はじめ、様々な方が受けています。「困ってる」「助けて」と言いづらい昨今の世情に、鳥取の県民性を加味すると、生活の見通しが立たない状態の人が独りで耐えていることがあってもおかしくありません。女性の自死が増えたというデータもこうしたことが要因かもしれません。
アンケートの最後に「相談がある方は連絡先を書いてください」と添えて返信用封筒もお配りしました。
すると、40人を超える方から「相談に乗って」という反応がありました。役場に相談に行ったのに、使えるはずの制度が案内されないまま、私たちとつながった方、ご飯を1日一食に抑えざるを得ず、痩せてしまった方も。

アンケートの回答からも、収入が減ったり支払いが滞ったりしている世帯がかなりあることが分かりました。

そういう情報を、自治体に共有することで、支援策の検討材料にしてほしいと要望しました。

鳥取県は、コロナ対策では全国で一番うまく対応した県だとする研究もあります。こんどは、県民の生活の応援もうまくやってほしいと思います。

短時間の意見交換でしたが、車の中に入れておいたレモンスカッシュがホットレモンになっていました。

住職の社会見学

本日は昨日に引き続き西法寺通信の取材に。網代港で底曳船(そこびきせん)の見学です。船に入ったのははじめてのことです。

沖合底曳漁業についてはこちらを

操縦室。電子機器が並んでいます。

網を巻き取るウィンチです。

ロープを巻き取るウィンチ。ロープの長さは約1900メートルにもなるそうです。

冷凍庫。-50度でとった魚を冷凍します。

こちらは保冷庫。

船員さんのベッドルーム。横幅70センチと決まっているそうです。

台所。IHコンロ

シャワースペース

現在は漁の休みの期間です。港では網の補修作業が行われていました。

インドネシアからの実習生の方が網を直していました。本来なら3年で本国に帰るところ、引き続き網代にとどまっています。コロナの影響です。「あなたのとってくれた魚を食べて私たちは生きているんです。ありがとう」とごあいさつ。

いい体験させていただきました。みなさん、夏からの漁もがんばってください。

漁師さんにお話をうかがう

今日は午前中法事、午後は役員会、その後、西法寺通信のインタビューと慌ただしい1日でした。

お寺の通信も次号で第9号となります。網代の漁師さんに出ていただくことになり、今日、お話を聞かせていただきました。現在は漁からは引退されていますが、漁協の役員として活躍されています。

19歳から漁に出て、はじめは網代から船で約30時間。大和堆(やまとたい)という漁場でイカを取ることからスタートしたそうです。

波の怖さを知ること、船の安全性を知ることが事故を起こさないために大切です。
船主として嬉しいのは、「ここ」と思ったところでたくさんとれたとき。
漁師は昼間にホタルイカやハタハタをとって、夜にカニをとります。海に出たら24時間、休みのない仕事です。
うまくいかない時もあります。そういう時は早く引き上げて、「顔を見に帰ったでー」と妻にいうんです。
船から降りてやっと畳で寝られるようになりました。

漁師さんの苦労とやりがいを、ほんの少しですが知れたような気がします。

あしたは、息子さんが船主をつとめる底曳船の写真を撮りにうかがいます。



ご自宅でのお勤め

午前中は中陰のお勤め、午後は百箇日のお勤めが、いずれも網代でありました。「葬儀から慌ただしくて。今日はお経を読んで、久しぶりにゆったりとした気持ちになれました」「朝晩、仏壇の前で主人に1日の報告をするのが日課になりました」。こうしたお話を聞かせていただけるのは、ご自宅でのお勤めならではです。

お勤め帰りに久しぶりにナモのふるさと、ネコの泉にいってみると、白いネコが。

法事の間は道場の草刈りです。その合間に、らっきょうきりに精を出す地域の方に話しかけたり、ご門徒さんのところにうかがって近況を聞いたりと網代を歩いた土曜日でした。

ナモの日記(2021年6月)

ナモです。

きのうから、おうちに居なかったおばたんが、かえってきました。
お勝手からお顔をつっこんで「なにごともなく?」と、おいたんにたずねました。
おいたんは「へいきだったよ」といってから「あなたのへやで3回オシッコしたよ」と、いいつけました。

おばたんは、おうちをひとまわりして、あたいがきのうのばんにやったことをみつけました。

ばんに、おなかがへったのでほしたお魚のふたをあけておいたら、ありんこがおそとから、あつまっちゃいました。
あたらしいはこを、がりがりしたのも、みつかりました。

「はんにんは、だれだ?」と、おばたんがいうので、こうやってがりがりしたのよ、とみせてあげました。

ごはんのあとは、おばたんのぱそこんのかいぎがはじまったので、あたいもでてみました。

ナモがきてから初の外泊です

坊守です。

今週は木・金と県西部に出張が入りました。この1年は、インターネットで色んな業務を済ませてきたので、100キロの運転も外泊も久しぶりです。環境が変わると集中できて、すばらしい能率で仕事をこなし中。

それはさておき、今朝は本堂のお花を換えて出発せねばと、いつものお店で調達しようとしたのですが、あるはずの大きな菊が置いてありません。
モジャモジャの花がついたスモークツリーの枝と白い百合などを確保しました。スタンダードでないので落ち着きませんが、とりあえず新鮮なお花をお供えしましたよ、と阿弥陀さんに声をかけて、岩美を出発。駐車場の脇で密集する巨大ミントも密かに混入させました。

今夜の心配のひとつは、住職とネコが、仲良く過ごせるか?ということ。
2者はいい遊び仲間ではありますが、ナモは毎晩、私の掛け布団の上の足の間の凹みに埋もれて寝ているのです(おいたんの布団にはだいたいお漏らしをするので出入り禁止中)。

さあ、いったいどうなるのでしょう。ナモはおばちゃんが帰ってこないことに、いつ気づくのか。
結果は明日のナモの日記で…

衣替えの季節ですね

学生さんや制服のある会社員の方たちも衣替えをされたでしょうか。

実は、6月1日から僧侶も夏用の衣体(えたい)に衣替えをするんです。
黒い袈裟(けさ)はメッシュになり、下の白衣(はくえ)が透けて見えます。

葬儀の際につける七條袈裟、お通夜などの際に着る黒衣、法事の際に着る色衣、肩からかけて身にまとう五條袈裟、首から下げる輪袈裟(わげさ)など夏ものは薄手です。白衣や襦袢、足袋も夏用は薄手のものになります。Tシャツ半襦袢という便利な商品があります。Tシャツに半襦袢の衿がついていて、1枚で済みます。暑い時は私も着ています。

夏用の衣体、着てみての感想としては、そんなに涼しいというわけでもないのです。それでも見た目は涼しげに見えます。

街でお坊さんを見かけたらお袈裟に注目を。透けていたら夏用なのです。
夏用の衣は9月30日まで。10月1日から秋冬春用の衣となります。

お寺の掲示板(2021年6月)

雨の日は 雨の中を 風の日は 風の中を(相田みつを)

相田みつをさんは、雨や風について、人間の悩みや迷いのことといわれています。確かに、人生は晴れの日ばかりではありません。雨や風が吹く現実をあるがままに受け止めつつ歩んでいきましょうということになるのでしょうか。なかなか難しいことではありますが、イライラしたり、不安になったりしたときに、自らにいい聞かせてみることで、前を向く力になる言葉だと思います。

雨の中の掲示板を撮りたかったのですが、ここ数日、雨が降りません。カエルは毎日、元気よく鳴いているのですが。