浄土真宗本願寺派が発行している月刊誌『宗報』に北海道大学の櫻井義秀さんの講演が紹介されており、一読しました。
内容は全国1000名の方と面接し、「幸せ」について尋ねたアンケート調査から何が見えてくるのか、というものです。
宗教的な心は大切であるとする人や、先祖を大切にする人の幸福感は高い。
宗教施設に通う頻度の高い人の主観的幸福感も高い。
このように分析がなされていました。
主観的幸福感とは、「その人が幸せと感じているかどうかを、感情や認知を手がかりに測定したもの」ということです。
櫻井教授は、「幸せ」を「よき生」だけで捉えてきたけれど、「よき死」も考えるべきと提起され、次のように講演を結ばれています。
「宗教施設や宗教者は、人生の最終段階におけるスピリチュアルケア、死後の葬儀・追悼におけるグリーフケアなどを含むケアの領域において、今後どのようにして日本人の幸福感を高めるような役割を果たしていきのか。これこそが、現代仏教の課題となる」