「世話になった。ありがとう」

今日朝早くにご往生されたご門徒さんのところで臨終勤行を勤めました。コロナ禍のもと、ご家族も思うように看病やお見舞いができない状況にあります。

娘さんからうかがいました。ご往生されたお父さんは看護師さんに、「娘に『世話になった。ありがとう』と伝えてほしい」と伝言されていたそうです。そして、苦しい息の中、娘さんの名前を呼ばれていたとのことです。

「お父さんの子どもに産まれてきてよかった。苦しかったね。よくがんばったね。ありがとう」と娘さんは涙されました。

親が子に、子が親に、「ありがとう」といえる関係のなか、ともに生きてこられたのです。これ以上の感謝の言葉があるでしょうか。

盆栽が趣味で、仕事の合間に世話をした鉢は、いちばん多い時には百を超えたとか。奥さんが趣味の時間を楽しめるようにと料理もすすんでされたそうです。魚料理はお手のもの。煮物、揚げ物、なんでも上手につくられたそうです。

「元気な頃はお寺の掃除によく出かけていたし、夫婦で本願寺にもお参りしていた」と息子さんからうかがいました。「『人の嫌がることはしてはならない』とよく聞かされました。きびしくも真っ直ぐで、まじめな父でした」。

30年ほど前にお寺に時計を寄贈していただきました。合わせてもすぐに時間が早くなってしまうのですが、今も止まることなく時を刻んでいます。

奥さんは先にご往生されました。ご遺体を前にして、「なんまんだぶ、なんまんだぶ」と手を合わせ、いっしょにお経をあげたこと、忘れません。

今日はお人柄についてもお子さんからお聞きしました。お寺を大事に思ってくださっていたことも知ることができました。

長い間、ほんとうにありがとうございました。

合掌

結婚会見の全文を読んで

秋篠宮の長女真子さんと小室圭さんが結婚にあたり記者会見されたことが大きく報じられています。

ワイドショーを全く見ない私にでさえ、さまざまな情報が入ってくるのですから、この間の報道はたいへん加熱していたということでしょう。

皇室の方と結婚する人は、確かに私人ではないかもしれないけれど、じゃあなぜ安倍晋三さんの昭恵夫人は私人なのですか、といいたくもなります。

お二人の記者会見の全文を読みましたが、困難にたいして励まし合い、支え合ってこられたことがよく伝わる内容だと思いました。自分たちの意思をつらぬいてよくここまでと思います。傷つけられた心を取り戻されるといいのですが。

それにしても、皇族の方々に家族の理想像を勝手に押し付け、そこからちょっとでも外れると叩くというメディアのあり方、おかしいですよ。世の中の家族の在り方は多様です。皇室だけは理想的な家族を演じないといけない? そりゃ息も詰まることでしょう。ほんとお気の毒です。

さて、メディア、ワイドショーは、それに踊らされる心の荒れた人たちは、次は何に対して刃を向けるのでしょうか

総選挙です

次の日曜は投票日です。衆院選は4年ぶりとなります。

4年前は中央仏教学院で学生生活を送っていました。学校では投票に行きましょうの呼びかけもされません。若い人たちに投票に行ってほしいと思った中年の私は、クラスの若者たちに声をかけてみることにしました。

今でも思い出すことがあります。登校したMさんに、「選挙行くの?」と聞くと、「行きますよ。好きなんです」と。何か噛み合ってないなと思って、「選挙だよ」と再度聞いてみたところ、「銭湯と勘違いしてました」。そのMさんも今は僧侶です。今回ラインしたところ、「最近はこんな私でも政治について考えることが多くなりました。投票しますね」との返事がありました。

ラインを送った全員から、「投票に行きます」との返信が。よしよしです。

ある若い方(僧侶)からは、「選挙行きます。ところで最近ストレスを感じていて、今度愚痴を聞いてくれませんか?」とのラインがありました。お坊さんも大変なのです。

ふだんはほとんど連絡を取っていませんでしたが、選挙を縁にして、またつながっていきたいなと思います。

今回の総選挙は多くの選挙区で野党が一つにまとまり与党の自民公明と対峙しています。初めてのことです。昨日の静岡での参院補選は、まさかまさかの与党敗北でした。

世論調査を見てみると、野党政権とまではいかなくても与野党伯仲を期待する有権者が増えているようです。それだけ与党の政権運営に不満が高いということです。だからこそ多くの小選挙区で野党が1人の候補者でまとまっていることに意味があります。これまでにも増して1票の意味が大きな選挙。みなさん、投票に行きましょう。

明日の天気は変えられないけど、政治はかえられる、かもしれません。

劇団民藝『野の花ものがたり』

午後、劇団民藝の公演『野の花ものがたり』を観てきました。舞台は鳥取市内にある野の花診療所のホスピス病棟。モデルは同診療所の徳永進医師です(劇中では徳丸進医師)

第一幕では末期の患者さんがまだ比較的元気な様子が描かれ、第二幕では、それぞれ死に向かっていく姿が描かれます。

胸に詰まる作品でした。でも、とてもあたたかい気持ちにもなりました。

徳丸医師は劇中で問いかけます。「なぜ人を殺してはいけないのか」と。「死は豊かである。死は権利である。死ぬことは自動詞です。殺すことは他動詞です」

そして、たくさんの見取りを経験された先生ならではのセリフ、「誰もが勇敢に死んでいくのです」に、逆に生きていく勇気をもらったような気がするのでした。「死は無限へと続く途中駅」ということばにもハッとさせられました。

今日のチケットはご門徒さんからいただきました。この場を借りてお礼申し上げます。

岩美町限定のクーポン

最近、町の防災無線で、町内のお店で利用できるクーポンを配るとの案内が流れています。さっそく今日、届きました。合計6000円分です。

道の駅、喫茶店、ラーメン店、寿司屋、肉屋、パン屋、ケーキ屋、スーパー、コンビニ、釣具店、美容院、建具屋、遊覧船、自転車店、電器店、クリーニング、建築業、民宿、酒屋、和菓子店、陶芸etc

これは助かります。普段あまり行かないお店に、この機会におじゃまするというのもいいかもしれません。

ケガの功名?

先日、あるご家庭にお参りした際のこと。線香に火をつけ、炎を消そうと少し振ると、ぽきっと折れて黒い袈裟(布袍 ふほう)に落下。小さな穴を開けてしまいました。

知り合いの法衣店さんに修繕できるかどうか聞いてみたのですが、「継ぎはぎするしかありません」とのこと。10月から5月末まで身につける法衣ですから、もう一着買うことに。私の不注意でした。

すると坊守が、「輪袈裟をプレゼントしようか」と。届いたのがこちら。

こどもたち、トリ、キリン、トンボ、カニ、ネコ、シマウマ、ライオン、クジラ、クモ、バッタ、カメ、チョウが描かれています。

こういう輪袈裟があるんですねー。輪袈裟とは思えないかわいいデザイン。ありがたく頂戴しました。

お子さんたちがいるご家庭にお参りする際に使いたいと思います。

50回忌のお勤め

今日も2件のご法事です。うち1件は50回忌。ご往生されたのは1972(昭和47)年。私は当時3歳です。網代の道場に住んでいました。

日本列島改造論、札幌オリンピック、浅間山山荘事件、沖縄本土復帰。

銀行キャッシュカードが初登場、初心者マーク義務付け、パンダ来日、消える魔球付き野球盤が発売される。

この年にあったことです。

沖縄が日本復帰したのはこの年なんですね。若い頃から何回か、沖縄に行ったことがあります。那覇市、沖縄市、名護市とさまざなところに行きました。沖縄そばやもずくの天ぷら、チャンプルーにはまりました。米軍の車両をしょっちゅう見かけました。戦闘機の爆音にびっくりしたこともあります。基地のない沖縄という願いは50年経っても実現していません。

消える魔球付き野球盤。私の子供の頃、この野球盤を持っている友達の家は遊び場でしたね。アナログの楽しさ。いまでもあるんでしょうか?

法事には、当時生まれていなかった方もお参りでした。会ったことのない方のことを思い、手を合わせる。すごいことです。亡き人がいたからこそ、この私もあると感じることができるのではないでしょうか。長い時間をへて法事を勤めていただいて感謝です。

法名は生前にも受けられます

昨日から冷たい雨が降りしきっています。本堂のエアコンを稼働させました。この分だと、10月末からストーブをつけないといけないかもしれません。

今月は20件をこえるご法事があり、今日は3回忌のお勤めでした。コロナの影響で、県をまたいだ往来ができず、こちらにお住まいの数人のご家族でお参りされる場合がほとんどです。

昨年は12月半ばに大雪が降りました。今年も雪が多いという長期予報のようです。年末に故人のご命日を迎えるご家族も、少し前倒しをして法事にお参りされる方が多いこともあり、例月より多い法事の件数になっているものと思います。

法事の後には相談事をうかがうこともあります。昨日は、「法名を生きているうちにもらいたい。どうすればいいんですか?」との質問をいただきました。法名は、西本願寺で行われている帰敬式にお参りすれば授かることができます。また、一般寺院でも、法要・行事とあわせて本山から出向された僧侶より帰敬式をとり行っていただくことで授かることができるようです。

私は釋大朗(しゃくだいろう)と名乗らせていただいています。多くのご門徒さんが生前に法名を授かって、念仏者としての自覚を持っていただけるよう、機会を用意したいと考えているところです。

私からお参りの方にお願いするときもあります。「クロスワードパズルの回答を送ってくださる方がいなくて凹んでいます。みなさん、ぜひ、送ってください」と先日、法事でお願いしたところ、一人の方がメールで回答を寄せてくださいました。

このブログを読んでくださっているご門徒のみなさん、パズルの回答を送ってください!

お墓参りと幸福度の関係

昨日の3回忌のお参りでのことです。
「毎月お墓参りに欠かさずいっています。おばあちゃんに見守られている気がするんです」とおっしゃるお孫さんがお参りでした。おばあちゃんとの深いつながりを毎月、確認されているのだと思います。

いま、『これからの仏教 葬儀レス社会』(興山社、櫻井義秀著)という本を読んでいます。以前、このブログでも紹介したことがありますが、著者の櫻井義秀さん(北大大学院教授)は、2018年に興味深い調査を行っています。この著書でも紹介されていますが、墓参りと幸福度の相関関係についてです。

図表にあるように3つの設問があります。
お盆やお彼岸に墓参りをするか
地域のお祭りに参加するか
宗教団体の集まりに参加するか



お墓参りを「よくする」人の幸福度は高い。少し意外なのが、「たまにする」人の方が、「しない」人よりも幸福度が低いという結果です。櫻井先生は、「中途半端にやると満足感がかえって得られないのです。先祖や両親の墓が遠く離れた故郷や不便な場所にあるために頻繁に墓参りができない。このことは気持ちがある人ほど負い目となります。だから、墓じまいをする人がいるのです」と記しています。

そして、「現代の家族や個人の状況にあった葬儀・追悼のかたちを提案し、宗旨の別なく誰にでも『最期の安心」を提供する時代になったのではないでしょうか」と指摘されています。

西法寺でも、納骨堂にお墓を移したことをきっかけに、年5回の納骨堂法要に毎回のようにお参りされるご家族があります。遠くからお布施を送ってくださる方もあります。お墓に関する不安や悩みをよく聞いて、お寺として、手を合わせることのできる場を用意することにもっと取り組んでいかなければならないなと感じています。

そんなことを思いつつ、今日は納骨堂の前の落ち葉掃除をしていました。

青い柚子胡椒

坊守です

なんと冷えるのでしょうか。先週の木曜日、居間にホットカーペットを敷きました。

先週アタマには冷房を入れたり、扇風機をまわしたりしていたのに、涼しくなる時はこんなにもガタッと気温が下がるのですね。


中庭で、前の冬の雪にあたって半分以上小さくなったユズの木に青い実がなっていました。鍋を食べる機会も遠くなさそうなので、皮を細かくおろして、青い唐辛子をあわせて練って、柚子胡椒づくりをしました。


柚子胡椒は、スーパーでも手に入る調味料ですが、九州が発祥の地。胡椒(ペッパー)は入っておらず、唐辛子を胡椒とよんだようです。

庭の柚子を使ってつくるのはこれが3回目、いままでは、年末に実が黄色くなってから、トウガラシの粉をまぜて、だいだい色の柚子胡椒を作っていました。ところが、今年の実は1個落ちても惜しいほどの少量なのです。青くて辛いトウガラシもタイミングよく店頭にありました。
いままでは合格点でしたが、青いものはどうでしょうか。
昨年までのものは、お鍋はもちろん、焼き餃子につけても美味しかったのですが。

ちなみに、柚子胡椒のレシピは…
おろした柚子の皮+青いトウガラシのみじん切り(タネやわたをとり、柚子の皮と同じ重さで)+塩(柚子とトウガラシの重さの2割程度)