彼岸花ロード

台風が去って今日は秋らしい陽気です。

お寺の会費の集金のお願いで世話方さんのお宅にうかがっています。途中、コスモスは咲いているかなと岩美町のコスモスロードに行きました。残念、コスモスはつぼみでした。かわりに彼岸花が満開です。

農家の方は稲刈りの真っ最中でした。もうそんな季節なんですね。

葬儀の依頼

お寺に話を聞いてほしいという方がお見えになりました。坊守の知り合いの方です。私が僧侶ということを聞かれたようです。

相談の内容は、「母が亡くなったとき、葬儀をつとめていただけないか」ということでした。事情をよく聞かせていただき、お引き受けすることにしました。

数年前、お父さんの葬儀の際、どうしていいか分からず、知り合いの宗教家の方にきていただいたそうです。今回は頼れる先もなく、私を訪ねてこられました。

私からは、お寺で葬儀もできることも説明し、困ったことがあればなんなりといってくださいとお伝えしました。「檀家にも入れてほしい」とのことでした。「それはありがたいことですが、よく考えてみてください」とお答えしました。

ご近所のご門徒さんから、「わしらぁの若い頃は葬儀会館はなかったけえ、お寺で葬儀をしとったもんが多かったで」と聞いたことがあります。

お寺での葬儀は、阿弥陀さんのお慈悲を身近に感じることができます。多くの場合、会館での葬儀より費用負担は小さくなるはずです。

お寺をもっと活用し、ご家族の意向をふまえた葬送儀礼ができるようにしていきたいと思います。

台風接近

網戸にカマキリがしがみついています。台風をやり過ごすためなのでしょうか。じっとして動こうとしません。彼らはこういうとき、どのようにして危機を回避するのでしょう。

19日午後2時現在。岩美町も風が強くなってきました。時折、ゴーという音がします。雨も降っています。みなさん、気をつけて過ごしましょう。

山陰はひろいのです

台風の影響で、岩美町も風が吹いています。九州を北上し、山陰を東に進む予報で心配です。みなさん十分気をつけて過ごしましょう。

昨日は島根県在住の方が四十九日でお参りでした。鳥取県と島根県は、関東の群馬県、栃木県と並んで、どっちがどっちなのか迷う方が多いのではと思います。みなさんははっきりと分かりますか?

同じ山陰地方でも鳥取県の東端に住む私にとって島根県はかなりの遠方です。10月3日に出雲に行く機会がありますが、行くのは実ははじめてです。

昨日お参りの方は、島根県の東部に位置する松江市にお住まいです。松江から西法寺までは140キロほど。車で約2時間半かかります。

施主さんの娘さんは、松江市で教員をされています。「ずっと松江が勤務地でしたが、益田や浜田の学校にそろそろ異動になるかもと思っています」。地図で確認すると、松江市から益田市は西へ約170キロ。来年もご法事にお参りしたいとお話しでした。仮に西部に異動となれば300キロも運転していただくことになりそう。

山陰は、狭い意味だと、鳥取と島根の両県のこと。意外かもしれませんが、広くとらえると西は山口県北部、東は兵庫県北部、京都府北部までを指します。ちなみにJR山陰本線は京都駅から山口県の下関市の幡生駅まで。日本最長の在来線です。もっとも京都⇆園部駅間は、嵯峨野線という京都らしい愛称で呼ばれています。

台風に備えて

坊守です。

2022年最大のピンチ(わたし比)・怒涛の6日間がやっと終わりです。異動したばかりの先週も忙しかったですが、今週は、その状態に輪をかけて押すな押すなのスケジュールでした。
住職もこの間、門徒さんの御往生が続いて、お勤め続きでしたので、さきほどリビングの椅子にハーっ!と座り込んだところです。わたしはベンチに横になったとたん、15分ほど意識不明になっていました。

それにしても、こちらに進路を向けている台風が心配です。外に置いてある草引きの道具類を玄関に入れ、ついでに陶器の番犬を中に入れたところ、ター坊がかけよって、礼儀正しくご挨拶をするのでした。


涼しくなるにつれ、猫たちの距離は近づいています。先ほどからニンゲンにつられたようにクッションにドサリと横たわったター坊の脇にナモがあがって、2匹揃った(珍しい)姿でグウスカはじめました。

さあ、台風対策の続きに行きましょうか。

彼岸法要からお葬式へ

午前中は秋の彼岸法要でした。住職ふくめ17人のお参りでした。住職の法話が予定より長引いてしまい、申し訳ないことでした。お参りの方から、「因幡組の仏教婦人会で住職さんに話してもらったらいいのに。喜ばれると思うだが」と過分な感想をいただきました。私がどうということより、仏さまのお話には真実があるのでしょう。

こうした法要に、はじめてお参りされた方も。電話で申し込まれたのですが、「何着ていけばいいですか? Tシャツではよくないですよね」とお尋ねでした。今年、お母さんとお別れになり、そのご縁でお参りされたのだと思います。お母さんは晩年まで野菜づくりを生きがいにされていたそうです。はじめてお参りされてどんなことを感じられたでしょうか。

法要が終わり、午後は葬儀でした。昨日からがんばってお参りしてくれていた小さなひ孫さんもちゃんと手を合わせてくれました。故人様は結婚前、教員として働き、農家に嫁いだ以降は農業に従事され、畑で野菜をつくり、JAに出荷していたそうです。とうもろこし、メロンを上手に栽培されていたとうかがいました。

あっという間に9月前半も終わり、明日から三連休です。20日からはお彼岸にもはいります。手を合わせる機会を持つ方も多いでしょう。故人さまをしのぶとともに、自らの生き様を問い直す時間にしたいものですね。

思い出話を聞かせていただく

先日、葬儀をつとめたご遺族がお寺にお見えになりました。
平成17年、本堂を修復した際の法要の写真に、故人さまの80歳当時のお姿がありました。写真を焼き増しして、お渡しするようにしたいと思います。

「この頃はまだ北アルプスに登っていました」とご家族からうかがってびっくり。
高齢になっても登山を楽しまれ、奥さんも剱岳や槍が岳にいっしょに登ったとおっしゃられるので、それにもまたびっくり。写真にも凝っておられ、アナログカメラの時代は自ら現像され、パソコン全盛になってくると、写真のデータをパソコンに取り込んでは修正されていたとのこと。

悲しい別れではありましたが、故人さまの人となりを聞かせていただいて、心和むひとときでした。

ありがとうございました。

遠方からお参りでした

本日は、関東の方から法事でお参りいただきました。出身は岩美町、現在のお住まいは千葉県です。お父さんの13回忌を機に遠路はるばるお越しいただきました。
私はお会いするのは初めてです。私の曽祖父の娘が、この方のおばあさんにあたります。前住職に教えられ、今日初めて知りました。

納骨堂にお参りし、お父さんのご遺骨を持って帰られました。千葉の家の近くにお墓を建立されるとのことでした。

私も初めてお会いするので、何をお話しすれば良いものかと、あれこれ考えたのですが、阿弥陀さんの救いの話をしました。5年前、中央仏教学院時代の級友で、日系アメリカ人のKさんに教わった話です。Kさんは、「浄土真宗とはポイントの貯められない私のためにある教えです」と説明されました。目からウロコでした。

「いいことばかりできない、心を清らかにできない私をめあて、『必ず救う』と誓われ、常にはたらいてくださっています。それを思う時、阿弥陀さんを悲しませるようなことばっかりしていては申し訳ないなと生き方を見つめ直すことができる。そこに浄土真宗の良さがあると私は思っているんです」

法事が終わり、夕方には、本日、ご往生されたご門徒さん宅へ。大正時代に生まれた方です。2年半ほど前、ご主人の葬儀でお会いしたことを思い出しました。ご家族から人柄を教えていただき、気持ちを新たにしました。

9月に入って6件目の葬儀となります。気持ちを込めておつとめさせていただきます。

彼岸法要に向けて

9月2日から5件目の葬儀が終わりました。死の縁とは無量であると痛感する日々です。

先日、西法寺通信のインタビューで話をうかがったご門徒さんから、「住職さんが法要の時に配られる資料を読んで勉強させてもらっています」との言葉をいただきました。なかなかの圧です(苦笑)

次の機会は16日の秋彼岸です。忙しさにかまけて何の準備もしていないので、明日とあさっては時間をとって考えてみます。いま話題の旧・統一教会、カルト宗教についても少しふれてみたいと思います。

法事以外では、はじめてお参りされるご門徒さんもいらっしゃいます。「ようわからんけえ、何着ていったらいいですか?」と先日お尋ねの電話があり、うれしく思いました。

秋彼岸会は9月16日午前9時半からです。お参りをお待ちしております。

ご縁を大切にしたい

今月5件目の葬儀となりました。本日これからお通夜です。文字通り人生百年を生きたご門徒さんでした。

若い頃、本願寺にお参りされた折、法名も授与されていました。ご本人さまも自らの法名を自覚されていらっしゃいました。

午前中にうかがったさい、お孫さんから人となりを少し聞きました。最近まで、家の階段を上り下りし、昼食は自分で作っていたそうです。身体が丈夫、いろいろなことを知っていて、よく話したとのことです。

玄関に香典を持って来られる方たちの姿も。「淋しくなりますなぁ」。思いやりある言葉を聞かせていただきました。葬儀がほぼ家族葬になり、最近は香典を辞退するご家族が増えていますが、こういう文化は極力大切にしたほうがいいと思います。助け合い、支え合いです。それと経済的な面からも香典なしの家族葬は高くつきます。

帰る途中、「きのうは坊守さんからぶどういただいたで」と声がかかりました。

いつもいただいでばかりでは申し訳ないので、何人かのご門徒さんに、坊守がぶどうを届けにいきました。すると、帰る時にはいったときよりもたくさんのお土産が。昨日の夕食は、イカのフライと、鳥取でしかほぼ口にできないモサエビの刺身でした。

一昨日のお通夜の席では、たくさんのマスクをいただきました。しゃべりやすく、曇りにくいマスクで、本当に助かります。

モノを媒介にしつつ、根本は人と人、ご門徒さんとお寺のつながりです。こういう縁の大切さを、私も坊守もこちらに帰って学ばされました。だからこそいっそう、このご縁を、つながりを広げたいと思うのです。

死という悲しいご縁からも発見すること、学ばされることがたくさんあります。

今日は自宅でのお通夜です。お浄土に生まれた人生の大先輩を想い、おつとめさせていただきます。