本日は葬儀のお勤めでした。
元漁師さん。70代半までイカ漁専門だったそうです。夫婦で海にでることもあったとか。奥さんはすでにご往生されています。日課の散歩の前には、「行って来るで」、帰ってきたら、「帰ったで」と仏壇に語りかけていたそうです。今ごろ、二人三脚で頑張ってきた奥さんとの再会を果たされたのかもしれません。
夕方、地域のみなさんと海辺に座って語らっている姿によく出会いました。多いときは10人くらいの80代と思われる方が集まっていたりするのです。
私はその姿にふれるにつけ、田舎は捨てたもんじゃないと思っていました。
以前、東京に住んでいた頃のこと。平日にショッピングモールに行くと、一人でいるお年寄りをよく見かけるのです。「地域で、お年寄りが過ごせるところが少ないんです。巨大施設がお年寄りの居場所になっている」と知り合いの区議会議員の方から聞いてびっくりしたことがあります。
海辺に座って語り合っているお年寄りの姿は、実は田舎の豊かさを表しているのではないでしょうか。そこにはつながりがあり、仲間がいるのです。
もうその姿を海辺にみつけることはできないけれど、「あっ、○○さん」と話しかけると、ちょっとニコッとしてあいさつを返される姿を忘れず、覚えておきたいと思います。
合掌