明日ありと思う心のあだ桜

報恩講でお話しする内容を、昨日から引き続き考えています。
今日は、幼少の頃からの親鸞聖人の生涯について本で調べていました。

明日ありと 思う心のあだ桜
夜半に嵐の 吹かぬものかは

親鸞聖人(1173-1263)が9歳で出家した際、詠んだと伝えられている詩です。

「もう今日は遅いから、明日にしてはどうか」との声に、「明日もまた咲いていると思っている桜であっても、夜中に嵐でも吹けば散ってしまう」と返答し得度を済ませたというエピソードです。

そういえば最近、桜が何かと話題ですね。

「明日ありと 思う心のあだ桜」

親鸞聖人は、あすいのちがあるかどうかわからない、だから今日、出家したいという思いを詠ったのでしょう。

安倍首相の場合は、あす(来年)も政権があると思うから、桜を見る会の予算を3倍にまでしようとしているのでしょうか。

こんなことを考えていると仕事がはかどりませんね(苦笑)

報恩講にむけて

15日から17日まで、西法寺の報恩講があります。

15日、16日は講師の方が法話をします。

17日は、私が法話を勤めることになっています。
約50分ほど、親鸞聖人が書いた「正信念仏偈」について話そうと思っています。先週は忙しくて手がつけられず、ようやく本日から準備に取り掛かりました。

2017年にお世話になった中央仏教学院では、毎週、「正信念仏偈」の講義がありました。午前中、先生からいただいた資料とノートを引っ張り出して眺めていました。

懐かしさとともに、先生からいただいた資料のありがたいことといったら。

わからないことだらけだったので、先生が話されることを詳しくメモしていたことが、読み返してみてわかりました。

「信を得たからといって、私がすっかりかわって仏のような人間になるのではない。しかし、聖人御消息にあるように、如来の本願を信じ、お念仏を申す身となった人は、それまでの自己中心的な思いを自省し、そういう心を捨てようと心がけるのが当然の態度である。本性をかえることはできないが、人間として正しく生きていこうとするのが、念仏者の姿勢である」

報恩の「恩」とは、私のためにしてくださったことを自覚する。「報」とは、恩を返すことはできないので、次の方たちに報せること。そのように受け止めています。

先生方からいただいた恩をありがたく思い、できる限り、自分のことばでお伝えできるようにしたいと思います。

本堂の「壁新聞」更新

坊守です。
昨日の掃除でピカピカになった本堂の壁新聞を更新しました。


門徒さん宅には、寺報をお届けできますが、法事でお参りにみえる方々にも取り組みをお知らせできるかな?と、夏以降、掲示しています。雰囲気程度ですが。
先日は「ボクだ!」と、夏のお習字寺子屋に参加した小学生が壁新聞を見て叫んだので、その1枚をはがして持ち帰ってもらうことにもなりました。

午前中、住職が法事をお勤めさせていただいている間に、ソファの部屋で、電気ストーブをつけて(お寺は冷えます)作業していたのですが、本堂から、ぐずり出した赤ちゃんとママ、いとこのおねえちゃんが抜けてきたので、休んでいてもらうことにしました。
集会室周辺も少し居心地よくしたので、小さいお子さん連れでも、不安なくお寺に来ていただきたいと思います。

お寺そうじ、そして虹がかかる

午後、総勢15人でお寺の大掃除をしました。

仏具をみがき、見違えるほどきれいになりました。「香炉が元の色になった」と前住職もおどろいていました。

はじめて仏具みがきをされた方も、「目に見えてきれいになるので、やりがいがある」

本堂の戸もていねいに拭いていただきました。すでに大量発生しているカメムシを取り除きつつ・・・。

掃除が終わり、一雨降って、虹が掛かりました。

みなさん、ありがとうございました。

柚子の大馬鹿18年


庭に柚子の木があります。たいした手入れもしていませんが、以前住んでいた方の手入れのお陰で今年も数十個、実をつけています。


「桃栗3年、柿8年」の次は「柚子の大馬鹿18年」だそうです。柚子は実をつけるまで長い年月がかかるということなのでしょう。


昨日、東京に住んでいた頃の友人から、「仏門に入って3年ですね」というメールが届きました。お寺に帰ろうと決めてもうすぐ3年になるのかぁと気がつかされました。


桃栗のようにはいきません。柚子のように歩んでいきたいと思います。

わけもんをいただく

解禁となったズワイガニです。これはメスのカニで、山陰では親ガニと呼びます。味噌汁にするとおいしいのです。オスは松葉ガニと呼びます。

網代のご門徒さんのところに用事があってうかがうと、「わけもんですが、どうぞ」とのことでありがたく頂戴してきました。

「なんでわけもんっていうかは知らんだが。昔からそういうだが」とのこと。

分け合う、お裾分け、分け前?

集落を歩くとあちこちのお宅からカニのにおいがします。わけもんをいただいたご家庭が多いのでしょう。ニオイもいいのですが、そういう付き合いが生きていることがなによりいいなあと思いつつ歩きました。

カニは我々に食べられるために生きているわけではありません。それだけに粗末にせず、感謝することが大切であると思います。

多くのいのちとみなさまのおかげにより、このごちそうを恵まれました。深くご恩をよろこびありがたくいただきます。

紅葉シーズンですが

先日、ご門徒さんの庭先で「この数年、庭木が紅葉しないで散ってゆく。気候がおかしくなってる」という話を聞きました。

そう言われてみると、山の紅葉が気のせいか遅いような。いや気のせいではなく、2050年にはクリスマスの頃が紅葉の時期になるそうです。

きょうの朝、NHKBSの世界のニュースをつけていたら、米トランプ大統領がパリ協定からの離脱を正式通告したことが報じられていました。米企業にとって不利益だからというのがその理由です。


しかし、アメリカというのはおもしろい国で、人口の過半数にあたる25の州・自治州でパリ協定の目標達成に向けて動き始めています。
アメリカの目標は、2025年までに、2005年比で、温室効果ガス排出量を26~28%削減し、28%削減へ向けて最大限の努力をするというものです。

トランプさんの発言にふれて、二人の偉人のことばが頭にうかびました。

“大洪水よ、わが亡きあとに来たれ!”これがすべての資本家およびすべての資本家国民のスローガンである。カール・マルクス
愚者でありながら、しかもみずから賢者だと思う者こそ、「愚者」だと言われる。ブッダ

欲を少なく、足るを知るという考え方が仏教にはあります。それができないのも人ですが、開き直って欲に走れば、地球の未来さえ壊しかねないところに至っているという自覚が必要な段階にきていると思います。

3連休ならぬ4連勤

2日以降きょうまで法事6件、役員会、通夜、葬儀と続きました。


おじいちゃんの法事で、なんまんだぶ、なんまんだぶと称えてくれた小学生
先祖から受け継がれたお仏壇と別れ、新たなお仏壇を迎えたご家族
親鸞さんの教えはええですなーと、出遇いをよろこんでおられたご門徒さん
何年たっても忘れられない別れに涙する方の姿
元気になって欲しいとの願い叶わず葬儀を迎えたご家族
これからのお寺の方向をいっしょになって考えてくださる方々
さまざまな場面に立ち合わせていただきました。

見たこと、聞いたこと、教えていただいたことを忘れず(忘れないためにここに書いているようなものです)、生かしていきたいと思いを新たにする4日間でした。

網代の子猫の写真に癒されるワタシ

門徒さんからの相談

坊守です。

休日のしめくくりは…

 怒涛の豚汁作りから明けて、今日は午前中は法事、午後は責任役員会と、やっと通常の休日(?)を迎えました。
 
 さあ、この役員会が終わったら、今日の任務は完了だ、と思っていたところ、ある門徒さんがみえました。
「役場からもらった書類を明日出さないといけんだが、書き方が分からんけ、相談に来た」と。
 手にされた書類に目を通すと「元気なうちに、あなたの意思を」と書かれてある何かの冊子の終活ページのコピーでした。高齢者には難しいかもしれない設問もあり、会議の後で一緒に書くことにしました。
 病気の告知や延命治療の希望、葬儀、遺影を準備しているかどうか、葬儀費用はあるか、墓、など…近しい家族、知人のいない高齢者に、もしものことがあった場合、病院や公的機関には必要な問いではありましたが、身寄りがない方だからこそ、解答に困りそうな内容もあり(緊急連絡先、喪主の希望など)、家でひとり、これを書くのをつらいと感じる方もおるだろう、と思いました。
 聞き書きもやはり難しく、見開き3ページを埋めるのに1時間半かかりましたが、とりあえず完成。
 緊急連絡先は住職のケータイにしました。こんどお寺参りに来られた時に、私が遺影を撮ることにしました。知り合いカメラマンによると、遺影を撮った人は、長生きするそうですから。

大量の豚汁と「おもろいゴール」

坊守です。住職をほっぽらかして、
若桜にある系列診療所の「健康まつり」で豚汁づくりをしてきました。

食数は…350。
数十人単位なら、それこそお寺の行事で作ることはありますが、ひとケタ違う。しかも、当初は「200弱」と伝えられた数が、当日が近づくにつれて増え、3日前に250、そして今朝、現地で300プラススタッフ分だと告げられたではないですか! さらに、チームの主軸はワカモノです。
「汁一滴、大根ひと切れも大事にしないと間に合わん!」と、まなじりを決したとたんに、出来立てを入れた小鍋にカメムシが身投げする事件まで起き、
「泣きっ面に蜂」「弱り目に祟り目」
「ふんだりけったり」などのことわざが、脳内をかけめぐりました。

しかし、農家の組合員さんから(医療生協の)分量以上の沢山の野菜をいただいていた上に、前日「野菜切り大会」と称して若い衆とともに食材の下ごしらえをすませ、管理栄養士やベテラン主婦の同僚たちが連休の中日にも関わらず、助っ人で来てくれたので、任務をやり遂げることができました。
ピンチの後のゴールは、何事もない時よりオモロいのです。

以前、大河なども手がけた脚本家のJさんが、「おもしろいドラマ」の必須条件として挙げていたことがありました。それは、「主人公のトラブル遭遇能力」。なるほど。

数日前に豚汁チームの可愛い後輩が、「できるだろうか」と不安をを口にしたので、「やり終えたら、料理の腕も上がるけど、困った場面で【なんとかなる】と、周りを励ませるようになるのが、大きいねんで」と、冗談半分で答えたまんまの1日となりました。
当の彼女からも、「自信がついた」と、メールが届きました。