つらい別れの日

数日前、葬儀の依頼をいただきました。まだ人生これからという年代の方です。人生100年時代といわれます。しかし、みなが長生きできるわけではありません。病気や事故はいつ襲ってくるか実はわかりません。頭ではわかっているつもりでも私自身が身の置き場のないような気持ちで葬儀会館までやってきました。夜、お通夜です。ご本人のお気持ち、そしてご家族のことを思うと、胸が詰まります。

今日こそ、前の職場の先輩がはなむけに送ってくれた、「あなたの仕事は人生で一番悲しい瞬間に立ち会う仕事。がんばれ」のことばをかみしめて、かみしめて、自分の務めをはたさなければなりません。

合掌

ネコは毛布で丸くなる

今日も寒い1日です。鳥取県と兵庫県境に位置する扇ノ山(おうぎのせん)は雪をかぶっています。「せん」と読む山が、鳥取・岡山・兵庫県に集中しています。大山(だいせん)、氷ノ山(ひょうのせん)、蒜山(ひるぜん)などなど。これは「呉音」という読み方で仏教伝来の際に伝わった音なのです。

昼間、報恩講の案内ハガキを約30軒に配りました。山あいの銀山では紅葉が進んでいます。

明日は網代の習字教室です。終了後、教室に来ている御門徒さんにも協力していただいて60軒ほどに案内を差し上げる予定です。

うちのネコたちはというと…。

「ネコは毛布で丸くなる」なのでした。

左からナモ、ター坊、ノノ、クウ

夕方、三朝温泉へ

今日はとても寒い1日でした。午前中に17回忌、午後は網代で逮夜法要をおつとめ。その後、仕事を少し早めに終えた坊守とともに三朝温泉へ。年に数回、湯治で同温泉に投宿される和歌山の前住職さん夫婦にお招きいただいて、温泉宿で楽しい会食です。

本願寺の要職もつとめていた前住さんは、戦後の政治史にも登場する政界のフィクサーともつきあいがあったそうです。つきせぬ興味深いお話の続きは、また次回のお楽しみということに。

報恩講に向けて

朝と昼間に報恩講の案内をもって歩き&車でまわりました。数ヶ月前に「仕事を探しているんです」と話していた方が、「心配かけましたが、先月から働きはじめたんです」と。ほんとによかった。ひと安心です。よくお参りされているご門徒さんには、「土曜なので息子さんにも声かけてください」とお願いしました。現役世代の方が数人でもお参りいただけたら土曜日に設定した作戦成功です。

午後は時間が経過するに従って悪天候に。雨が降り、気温もグッとさがるなか、駆け足で配って回りました。地元岩井、そして山あいの集落、町中の浦富(うらどめ)の40軒ほどに配る計画でしたが、10軒ほど残りました。明日は午前、午後に1件ずつ法事があります。終日雨予報。最高気温は今日より10℃も低い9℃予想です。夕方からは県中部の三朝温泉に行く予定もあります。朝早い時間に残りを配り、水曜日に網代集落のご門徒さんのところを回りたいと思います。

朝、本を読んでいたら、「一に勤行、ニに掃除、三、四がなくて五に勉強」とありました。禅宗さんでは、「一に掃除、ニに掃除、三、四がなくて五に掃除」というそうです。

報恩講に向けては案内とともに、掃除もがんばらないといけませんね。

今年も参拝記念タオル

昼過ぎ、地元のスーパー・サンマートで田後(たじり)のご門徒さんをみかけたのでごあいさつ。29日の報恩講の案内をしたところ、「参らせてもらいます」とのうれしい返事。

報恩講参拝記念のタオルも届きました。昨年、初めてお配りしたのですが、「何枚あっても使うけえ、今年もやったらええが」と役員さんから支持も受けて今年も。

この週末は、今年、ご家族との別れをされたご門徒さんに案内を郵送しました。週明けは町内のご門徒さんへの声かけに力を入れたいと思います。

仏具をみがきました

今日はお寺の清掃日です。

総勢9名で、ろうそく立て、輪灯、香炉をみがきました。「よう光ってるで」「きれいになったで」。気持ちよく月末の報恩講を迎えられそうです。

作業のあとは茶話会です。漁場のみなさんは実にさまざまな海の恵みを口にされています。「ジイボ(イソギンチャク)はおいしいだで」と。以前は煮付けにしたり、塩茹でして食べることがあったそうです。私は苦手で食べられないドギという深海魚。こちらではトロナマズという名前でよばれます。ヌルヌルしたコラーゲンたっぷりの魚。「トロトロしとって美味しいが」。食文化は奥深いなと、びっくりしつつ話を聞いていました。

病院がえりにスパイスカレー

今日は生協病院の受診日でした。高齢者の方が多くいらっしゃいます。みなさん老と病を抱えつつ日々を過ごしておられることでしょう。私たち誰もが通る道を先に歩いておられる先輩方なのです。そして誰もがいつか別れていかなければならないいのちをいただいているのです。

私の方はいつものように血液・尿検査、そして診断。担当医さんから抗高血圧、抗コレステロールの薬を処方してもらっています。8月17日にコロナで受診した際の医療費も今日は併せて支払いました。あれから3カ月も経つのですね。次回は1月末になります。

薬局で薬をもらって時刻は11時近く。せっかくなので、久しぶりにAprilさんへ。きびきびと働く店主のIさんの手によるスパイスカレーをいただきました。

好みを自分でアレンジできるのがユニークです。私は玉ねぎベース+鶏ガラスープ+チキンで。鳥取のお米プリンセスかおりはパラパラとしていて、ルーによくなじむんですよ。ほのかに甘い香りがします。

食事中、肉屋さんがヒレ肉2キロを届けに。Iさんによると、「お困りの様子だったので、マスターに相談して買ったんです。お世話になってますから。夜のメニューで使います」。人柄もよいIさんなのです。

ニュースで、葬儀会社からの高額請求によるトラブルが報じられています。ネットの広告につられるのは危険です。安く見せて、オプションをつけていけば当初の歌い文句とは全く違う金額になります。寺院で葬儀をつとめる際には僧侶が遺族と業者のあいだに入ることができます。なんにせよ、安く見せる広告には注意してください。

行商の車で馳せる報恩講

午後、久しぶりに網代の習字教室へ。習字とともにボールペン字教室もあわせて行うようになったみたいです。ボールペン字、下手くそなのでこれは大歓迎です。

習字のメンバーはひきつづきMさんの句集を書いています。句集に目を通し、先生にお手本をお願いしました。

行商の 車で馳せる 報恩講

毎年の報恩講に魚の商人さんのご門徒さんの車に同乗するMさん。その姿が浮かぶ句です。楽しい気持ちでお参りしていただいていることがとにかくありがたく、今回はかなり気持ちを入れて書きました。

この句、忘れないように心に留めておきます。

絶対戦争反対

俳優の仲代達也さんが逝去しました。

1970年代の角川映画、金田一耕助シリーズの「女王蜂」、何度観たかかわりません。仲代さんは犯人役の大道寺欣造を演じました。その声、陰のある表情、眼力の鋭さ、たしかな表現力。とにかくすごい迫力なのです。圧倒されます。映画好きの方は黒澤明監督の名作を記憶していらっしゃることでしょう。

訃報を報じたものの中に3年前の会見で語った言葉を紹介したものがありました。

「人間とはいとおしいもの。私は『絶対戦争反対』と言いながら死んでいきます」

この言葉、自分自身、胸に刻んで生きていかなければと思いました。

合掌

網代道場にて

逮夜法要の前に網代布教所の植栽のせん定を少し。境内の山茶花が咲き始めていました。

作業途中にご近所のKさんが上がってこられました。花壇は花が植えられ、すっかりきれいになっていますが、Kさんがお世話してくださったとのこと。

シクラメン
パンジー

作業もひと段落したのでKさんとおしゃべりです(といっても私は聞き役です)。カニ漁での荷揚げのことや、家でお子さんらにカニ料理を振る舞ったことなど。「ゴミ袋の半分はカニの殻だで。よう食べるで。後始末がかなわんが」

その後、逮夜法要へ。来週が最後となり、つぎは四十九日です。私がうかがって毎週の逮夜をお勤めすることは近年、珍しくなっています。それだけにありがたいひとときなのでした。