報恩講2日目

今日も快晴にめぐまれました。

網代の道場も田後の薬師さんも階段をのぼったところにあります。高齢のご門徒さんのなかには階段の前まで手押し車で、階段は杖をたよりに登ってこられる方があります。本当に尊いお姿なのです。

いまはカニ漁の最盛期。今日も早朝に荷揚げがあったそうです。仕事を終えかけつけてくださる方はお疲れです。頭が揺れつつ聴聞される姿に胸を突かれるものがありました。

網代にて

「仏法には、明日と申すことあるまじく候。仏法のことは、いそげ、いそげ」

いま、いましか、本当に大事なことに目覚めるときはないのですよと室町時代の蓮如上人はおっしゃるのです。

私にとって本当に大切なものは何か、それを忘れて刹那的に生きているのではないのか。その私を救わんと仏の慈悲と智慧がとどいている。だからこそありがたいのだと。

私自身、そう聞かせていただいておりました。

すると、92歳のおばあちゃんが法要の終わりに「ありがとうございました」と大きな声でおっしゃいました。仏のみ教えにふれた喜び、感謝なのです。

田後薬師堂にて

3会場のべ70名で報恩講をお勤めすることができました。土日開催によってお参りしていただける方がふえたようです。

ご講師さん、そしてみなさん、ありがとうございました。

お餅をおすそわけ

報恩講初日

報恩講初日。近年ではもっともおおぜいのご門徒さんといっしょにおつとめすることができました。土曜日はお参りしやすい曜日のようです。

「正信念仏偈」を称え、御講師さんの法話を聞かせていただきました。時に笑いあり、そして我が身を振り返り、苦笑することも。そんな私に向けられた阿弥陀仏の智慧と慈悲を感じ、心豊かな時間を過ごすことができました。

ご講師さん

親鸞聖人のご命日をごえんとした報恩講です。来年以降ももちろんですが、いつまでも平和のうちに続いて欲しい時間です。住職としての目標は、すべてのご門徒さんが一度は報恩講にお参りしていただくことです。

明日は網代と田後での報恩講と続きます。

報恩講前日

旧暦11月28日は親鸞聖人のご命日です。

一年というのは本当にあっという間に過ぎていくものだとつくづつ。
昨年の報恩講では、「頷くも 居眠る姿も報恩講」
とMさんの句を読み違えて紹介することから始まりました。
ご本人さまから、「あれは婆だで」の指摘。
「えつ?!」と句集を確認すると、確かに(笑)

先日の習字教室でMさんの句集から
「行商の 車で馳せる 報恩講」
を記しました。今年の報恩講も体調がよければお参りしたいとのことでした。

今日は前日ですので、みなさんにお渡しする記念品(タオル、生姜せんべい、有田みかん)などの用意。打敷、お餅など本堂のお飾り。納骨堂の掃除。坊守は仕事帰りの夕方からお花を立てます。

参拝記念の品です

報恩講は3会場でのお勤めです。それにあわせて、住職からのあいさつを3種類作りました。ブログを書いていると、こういう材料にはこと書きません。本堂では戦後80年に寄せて平和の話を、網代と田後は、地域に関わることを原稿にしました。

今回は、私がこちらに帰ってきて以降初めて土日の開催としました。現役世代の方にできればお参りしていただきたいとの思いもあってのことです。西法寺通信でのお知らせに加えてハガキを昨年よりもたくさん出しましたが、直接のお声かけはそれほどできませんでした。

それは来年への課題として、私自身もご講師さんのお話に耳を傾け、お念仏申す時間にしたいと思います。

作業中に、網代の漁師さんがお見えになり、カニを山ほど届けてくださいました。

報恩講に向けて掃除する

本堂での29日の報恩講に向けて、本堂の内外の掃除をしています。縁を雑巾で拭き、廊下を水拭きし、本堂に掃除機をかけました。

ご本尊を安置するための台、須弥壇(しゅみだん)や仏具を載せる台・前卓(まえじょく)などのホコリも払いました。ふだんはあまりまじまじと目にすることはありませんが、さまざまな彫刻が掘られています。

麒麟(きりん)
共命鳥(ぐみょうちょう)
牡丹

馨台(けいだい)という仏具に孔雀がいることに今日初めて気がつきました笑

掃除の最中に近所のご門徒さんから電話があり、立派な大根と白菜をいただきました。「住職は報恩講で忙しいだろぉ? たまにはお参りしたらと主人に言ったんだけど、『うーん』だったで」

あすも引き続き掃除、そして前日の準備となります。

ゆかむり班の日

今日は医療生協の班会の日です。寒いなか7名が参加しました。血圧測定とセルフ尿チェック、そして舌・喉の動きのトレーニングです。

はい、みなさんもやってみてください。唾液がでて、嚥下機能アップにつながるそうです。

2026年4月に開設する鹿野温泉病院の高齢者施設の名称をYさんが考えてこられ、披露されました。

「幸せの里」

応募期限は過ぎているそうですが、この名称はいいのではないでしょうか。

毎回楽しみに参加される方ばかりで、いい会になっているように思います。

次回は12月23日の予定です。

時を刻む

今日は午後、強く冷たい風が吹いています。昨日のなもなもサロンの際、エアコンのリモコンの電池、壁時計の電池、そしてストーブ2つの灯油が切れていました。前日だとバタバタするので、昼間補充に。

壁時計は少し高いところにかけてあり、あわせて三脚ももってきました。乾電池ではなく、リチウム電池でした。

この時計を平成4年に寄贈してくれたご門徒さんは数年前にご往生されました。コロナ禍のなか、ご家族と会えないまま息を引き取られましたが、娘さんへの伝言、「ありがとう」を看護師さんに託されたそうです。

生前法名をお持ちでしたが、記した紙が見つからず、本山に問い合わせることもありました。先立たれた奥さんの葬儀の際、ご一緒に読経したことも鮮明に覚えています。私自身、このご門徒さんの葬儀で生前法名を授かることの意味を教えられ、2023年5月、本堂での帰敬式へとつながったのです。20人以上の方が生前法名を授かりました。

ホームセンターで買ってきた電池を入れ直すと、また時を刻んでくれます。時計のおもてに刻まれたご門徒さんの名前を眺め、思わず、ありがとうございますと頭を下げるのでした。お参りされるみなさんに、これからも時を告げてくれることでしょう。

任期切れを迎えた岩美町の町長選挙は無投票で現職の再選、町議補選は立候補が1人で無投票当選になるようです。

11月のなもなもサロン

今日は月1恒例のサロンの日です。お弁当は岩井のおぐらさんにお願いしました。ご飯もおかずも盛りだくさんでした。

いつものように地域の話題でもりあがりました。2ヶ月前に話題になった村の話題の訂正も。うわさ話は一人歩きするとこわいところもありますね。知り合いの方が町議補選に立候補を予定していて、近所を候補者を連れてまわったという話も。「選挙になったらウグイス嬢してくれっていうだが」。選挙にはならないような雲行きのようですが、ウグイス嬢、みたいような、みたくないよいな…。

Kさんが正月の鏡餅を乾かして揚げ餅にしてもってきてくださいました。思わず手が伸びる絶妙な揚げ加減です。

本日は休日ということもあり、坊守も手作りケーキをもって参加。最高齢のMさんは、「坊守さんに美味しかったでというといて」と帰っていかれました。

次回は12月22日。ケーキのリクエストがあったので、お楽しみに!

古家でたくさんなった柚子をみなさんに持って帰っていただきました。

田後(たじり)を歩く

29日、30日の報恩講の案内のため、地域の役員さんと一緒に午後、1時間ほど田後集落を歩いてまわりました。会場は港近く、階段を上がった先にある薬師堂です。毎年20人前後のご門徒さんにお参りしていただいています。

今月30日に町長・町議補欠選挙が予定されています。何人かの方は投票所の立会人を務めることになっているそうです。町長選挙は無投票で現職の再選になるのではと予想されています。町議補欠選挙(欠員1)の方は、立候補を表明されている方がお一人。地方自治の担い手が無投票で決まるのは、少し残念な気もしますが、どうなるでしょうか。立会人を務める方は、「選挙がなければお参りさせていただきます」との返事でした。

3連休の2日目。いい天気に恵まれ、県外ナンバーの車もちらほら。

配り途中、ちょうど帰宅されたKさんご夫婦と玄関先でバッタリ。
「あっ! 忘れました。過去帳」と私。
せっかく午前中に記した「過去帳」を持ってくるのを忘れてしまいました。
「あら。カニ持って帰られんか」と親がにをたくさんいただきました。
明日の朝、過去帳を持って再度、うかがいたいと思います。

案内が終わり、カニは町内に住む妹にお裾分けしました。
ありがとうございます。

四十九日、そして建碑法要へ

午前中、四十九日のお勤めがありました。久しぶりにこちらの本から『阿弥陀経』をあげました。故人さまは大のタイガースファンで、「號」の法名を一字、つけさせていただいだのですが、この本では「号」ではなく「號」と記載されているのでというのが理由です。

「號阿弥陀」とあります

よくお寺参りされる奥さんが「ほんとだ、ようけ出てきた」とおっしゃっていました。最近は、赤い勤行集を使うことが主でした。たまには茶色の経本も使っていこうと思います。

こちらは「号」です

午後は建碑(けんぴ)法要が1件。新しくお墓をつくられた際のお勤めです。網代や田後のお墓は、集落を囲む小高い山の斜面にあります。お参りすることが困難となったり、次の世代の方が近くにいて、当面守っていくことのできる方は平野部にお墓を移動されることが増えています。今日のご門徒さんも、先日、お墓をしまわれて、平野部に移されました。

今日うかがった墓地には駐車スペースもあります。ご門徒さんの家のお墓がたくさんあり、よくよせてもらっています。お墓参りの風習、いつまでも続いて欲しいものです。

葬儀をおえて

葬儀がおわりました。斎場への出発のさい、参列した20人あまりの友人のみなさんが棺を抱えてくれました。涙する姿、呆然としている姿。この厳しく、思いがけない別れから何を感じているでしょうか。仲間同士で語りあう時間を、そして彼のことを思い、手をあわせる時間をこれからもっていただけたらと願います。

ご家族の悲しみはいかばかりでしょう。おつとめしてる最中、嗚咽が聞こえてきます。私は、「南無阿弥陀仏」のご本尊をときおり眺めていました。「正信偈」に記された拯済(じょうさい)の言葉。私たちを抱きかかえて仏の世界に生まれさせてくださるとの意味です。本当にそうあってほしいと強く思います。

ご家族に心よりお悔やみ申し上げます。微力ですが、なんなりとお申し付けください。