朝、お寺に「古物商」を名乗る業者が引き取りに来ました。どうも家族がかかってきた電話で不用品が処分できると思い、応じたようなのです。「古物商」を名乗られても、私には、「ああそうなんですね」と判断できる材料がありません。
坊守にラインで報告したところ、許可されている業者なのか確かめた方がいいのではとのアドバイスが。名刺に記された番号を、その会社がある県の公安委員会のホームページで照会したところ出てきません(ここにないからといって違法業者とはいえないといった但し書きはありましたが)。「あー、これは対応した方がいいかなぁ」と、玄関先に。
「そちらの会社名が公安委員会のホームページにはありませんが」と業者さんに伝えるとびっくりした様子で、ご本人もスマホで確認をはじめられるのです。結局、会社名は出てきません。「会社にこのことは伝えます。お客様との信用にかかわることなので、今日の引き取りはしません」と帰っていかれました。
有名芸能人の方をホームページの「看板」にしておられ、ホームページも見やすい立派なものを作っておられます。許可証の番号も記載されています。それがなぜ公安委員会のホームページで確認できないのでしょうか。「まさか」とは思いますが、「うーん」というところです。なんだかイヤな気分に朝からなりました。
とここで話は終わらず、坊守から「詐欺間違いなし」の情報が寄せられました。
「さああと少し働けば定時だぞ」と、気合いを入れたとたん、スマホに着信がありました。見知らぬ携帯番号です。
「京都府警本部 捜査2課のオクムラです」
坊「はい、どうも」(脳内では、誰か行き倒れになった人が私の名刺を持っていた、とかかしら?等々緊急事態を想像)
「マネーロンダリング事件を検挙したところ、大量のカードが出まして、その中にあなたのお名前のカードがあるんです」
坊「なるほど、しかし、おかけになっているお電話番号が携帯で、警察署の固定電話でないですね」
「伏見署の代理で、専用電話でかけているんです。伏見署にきていただいて、お話をうかえますか」
坊「これから会議なので、時間が空いたら、そちらの警察署に折り返しますね」(旧姓で電話に出た私のカードがこの世に存在することはないのだ。キミは詐欺だな)
ということで、電話は切れました。最後の方で、私のことを母の名前で呼んだので、ドキっ。すぐ実家にも心当たりや被害がないことを確認し、本当の京都府警に通報しました。
係の方は「あーもう今日はたくさん掛かってますわ。それは詐欺なので、着信拒否してください。振り込みなどはされていませんか?」
坊「大丈夫です。旧姓でかかってきたので、はじめから詐欺と疑いました」
係の人「それも多いですわ、何か古い情報が流れたんですな」
ということで、私は詐欺からまぬがれました。
だいたい、マネーロンダリング(資金洗浄)と、カードを騙し取ることがどうつながるんか?と。
皆さんも、くれぐれもお気をつけくださいね。不安な時は住職に連絡してもいいと思います。
以上報告でした。
それは大変でした。坊守の対応は素晴らしいと思います。
落語のまくらで、「鶴の恩返し」をきかれたことがありますか? 親切なお爺さんが助けた鶴がはたおりをするどころか、大事な家財道具を盗んでいなくなります。鶴は結局つかまります。そのことを知ったお爺さん。「鶴じゃなくてサギやった」。お婆さんはお爺さんにいいます。「そういうあんたはカモやった」。
みなさん、カモにならないようにしましょう。私はなりたくないので、セールスの電話とわかった瞬間にガチャ切りします(なかにはまっとうな業者さんもあるでしょうがごめんなさい…。警察を語る電話にはまだあったことはありません)。この坊守の話は来週の彼岸法要でもお伝えして注意喚起をはかりたいと思います。










