懇志のお返し

昼前、道の駅に買い物にいくと駐車場がいっぱいでした。カニを買いにこられたお客さんでにぎわっています。値札をみると松葉ガニ6000円、親ガニは300円ほどで売られています。昨年よりもお値打ちのように思います。

先週の報恩講からはや1週間近く。午後は懇志を寄せてくださったみなさんへの受納書づくりです。

お参りいただいた方には記念のタオルをその際に差し上げました。お参りはできなくても懇志を寄せてくださった方もあります。その分のタオルも準備していますので、受納書と併せて明日からお届けにあがろうと思います。

お参りいただいた人数が昨年よりも10名ほど少なくなりました。村の行事が重なったことも要因です。そんななかでもはじめてお参りいただいた方がありました。年に一度は足を運んでみたいと思っていただけるお寺へ。ネコの手も借りてがんばります!

昨夜、三朝温泉へ

岩美町から車で1時間強、県中部にある三朝温泉へ行ってきました。
何かと気にかけてくださる和歌山のお寺の前住職さん前坊守さんが、湯治で宿泊されています。「夕飯を一緒に」というお言葉に甘えて、坊守と共におじゃましました。

7月に次いで私は2回目です。今回は、食前に温泉にも浸かりました。前坊守さんによると、「蒸気風呂がええよ」。私も入ってみました。依山楼岩崎さん自慢のラジウム温泉のミストサウナです。呼吸とともにラドンが体内に吸収され、細胞を活性化するのだとか。前住職さんは、このお風呂がお気に入りで、「出にくかった声が出るようになった」とおっしゃっています。私も5分ほど入浴しましたが(中はけっこう熱いです)、いくぶん腰痛が楽になったような。浴場がいくつもあり、報恩講の疲れもとれたよう。

夕食には日本海の海の幸、カニが並んでいました。お刺身で食べることはないので(初めてかも)、貴重な体験にもなりました。カニの足に付けられたタグを見ると、ご門徒さんの乗る船の名前が。この時期、昼夜わかたず海で頑張っておられるみなさんのおかげです。今度お会いする機会があったらお礼をいわなきゃ。

食事をとりながら2時間ほどおしゃべりしました。私にとっては、念仏者の大先輩から貴重なお話をうかがえる機会です。前住職さんは、20代から僧侶の道を歩み、お寺を守るとともに、布教使として活躍され、また本願寺を支える要職にも携わっておられました。しかし、全く先輩風がないというのか、実に穏やかな方なのです。本願寺の満堂の参詣者を前に法話した際のエピソードもお聞きしました。前坊守さんからはおすすめの書籍をいただきました。仲居さんに和歌山のみかんをお土産で差し上げる心くばりも。お念仏を喜び、生きてこられたお二人の姿に学ぶこと大なのです。

また暖かくなった頃に三朝を訪れたいとのこと。再会を誓いあってお別れしました。

食料無料市をひらきます

午前中、食料無料市の実行委員会がありました。次回は12月21日の開催です。場所は八頭(やず)町内。地域で子ども食堂をひらいている方たちとの共催になるようです。

この夏は法務のため参加できなかったので、12月はぜひとも駆けつけたいところです。

毎回の無料市に「ボランティア」と表書きして届けてくださるご門徒さんから、先日も封筒を預かりました。町内の米農家Yさんからは、精米した新米30キロ✖️7袋を破格の値段でゆずっていただくことになっています。

みなさんの善意をありがたくちょうだいします。お菓子、野菜、日用品などの提供もお待ちしております!

山を越えれば兵庫県

お寺から東に目をやると県境の山々が一望できます。その向こう側が兵庫県です。昨日、兵庫県知事選挙が行われました。県民のみなさんがどんな選択をするのか注目していました。というのも、パワハラの疑いなどで斎藤県知事は告発され、県議会から不信任を決議され、失職して今回の選挙となったからです。

結果は大方の予想を覆えし、斎藤氏の再選ということになりました。投票率が上昇し、無党派層、特に若い世代から斎藤氏は高い支持を集めたようです。選挙が終わった直後ですが、そのことがよくわかる分析を読みました。

https://netcommu.jp/Report/hyogochijisen2024

インターネット上では斎藤氏の勢いが非常に大きかったということです。

記事の最後の部分はこうです。

↓↓
2024年のアメリカ大統領選挙では、メディアがハリス氏を支持する一方で、トランプ氏に対するネガティブな報道が相次ぎました。このような、特定の候補者を支持するかのような一方的な報道が影響し、「既存メディアは偏向している」と考える人が増加したという調査結果も報告されています。その結果、多くのアメリカ国民がメディアの信頼性に疑問を抱くようになったといわれています。

こうした状況の中、イーロン・マスク氏は、Xなどのソーシャルメディアが偏向を是正し、真実を伝える場として重要な役割を果たしていると主張しました。しかし、専門家による調査では、偽情報の拡散においてもXが中心的な役割を担っていると指摘されています。さらに、トランプ氏の再選後、ヨーロッパの複数のリベラル系日刊紙がXとの決別を宣言する事態も見られました。

一方、日本では、斎藤氏を支援する目的で出馬した立花孝志氏は、自身の強力な発信力を活かし、「デマを流すマスメディアvs真実を伝えるネット」という対立構図に持ち込み、大きなうねりを作り出しました。

今回の兵庫県知事選挙は、
・東京都知事選、衆院選を経て日本におけるネット選挙は新たなフェーズに突入した
・動画、特に、縦のショート動画、ライブ配信の重要性がますます高まっている
・トランプ現象はどこの国でも起こりうる

とあります。

パワハラを告発した職員を探しだし、結果、自死してしまうという痛ましい問題から始まった選挙だったはずです。それが、「パワハラはなかった」などというニセ情報が拡散し、選挙結果にも影響を与えたようです。

選挙への関わり方が、とくに若い方たちは全く違ってきているようです。ベテラン世代の選択が政治を決めていると言われてきましたが、若い層が選挙に行くと結果も左右し始めているのではないかと。

いままでの政治では希望がないから、変えようとしているように見える人、動画やネットなどで身近に感じる人に支持が向かっているようにも思います。もちろんその選択が若い人たちにとってよい結果をもたらせばいいのですが…。

今日は真冬並みの冷え込みです

報恩講を終えて

坊守です。
今日の空は冬の顔になってきました。

報恩講翌日の午後は、ともに居眠るナモと住職の姿がありました。留守番を頑張ったナモは、珍しく乗せてもらえた、大大大好きなおいたんの膝から降りるまいと、全身で踏ん張っております。笑。

午前中は、本堂の片付けや、網代に走って借り物を返したり、お参り記念のタオルを届けたりの残務でした。ことしの報恩講で脚光を浴びた「居眠る婆」の句が、さっそく島根のお寺の掲示板になっているので、その写真を見せに、作者のMさん宅に寄ると、手を合わせて喜ばれました。「あんたも疲れを出さんように」と、よもぎのあん餅をいただきました。91歳にして、こまめに手づくりしては振る舞ってくださるのです。

さて、3カ所でのおつとめ、いつものように裏方はバタバタしていましたが、楽しかったです。ご講師さんのお話はもちろん、素晴らしかったですし、坊守6年目にして、「私たちの報恩講」という感じがしました。日々のお寺の活動があって迎えた場、とでもいうのでしょうか。とにもかくにも、住職も皆さんもお疲れさま。
午後から気になっていた民藝シンポジウムがありましたが、私もホットカーペットの上にゴロン。鳥取まで出るのはやめにして、休憩することにしました。

「今日は楽しかった〜」 報恩講2日目

今日は午前中は網代、午後は田後(たじり)での報恩講です。

昨日の続きで、「姿」と「婆」を見間違えた話からごあいさつ。私にとっても忘れられない報恩講になりそうです。

網代道場にて
田後薬師堂にて

ふだんは仕事で忙しいご門徒さんが、「今日はお参りしてよかった。楽しかったー」と帰っていかれました。

そうなんです。

ご講師さんがおっしゃいました。「仏教にふれると心が軽くなります」。たしかに、自分の執われや悩み、日々のストレスがふっと軽くなるということがあるのです。体重はかわりませんが…。

網代は高齢者のためのお弁当づくりの日で、いつもお参りされる4人の方はそちらへ。田後は年に一度の大漁祭の日と重なってしまい、慌ただしい中でのお勤めとなりました。それでも多くのご門徒さんにお参りいただきました。

若い頃からギターを弾いていたというご講師さんのリードで「しんらんさま」「ふるさと」を歌い法要を終えました。

「子どもに、『お寺に行こうで』といってみたんだけど、行かんだが」と残念がるご門徒さんの話し声が耳に入りました。ほんとうにありがたいなと思います。

講師さんから、「心が軽くなる」というよいヒントをいただきました。まだこの場に来られた経験のない方に向けて、来年は報恩講の案内をもっとがんばりたいと思います。

「あれは婆だで」〜報恩講をお勤め

今日は親鸞聖人のご命日をごえんとした報恩講の初日です。ご門徒さんとともに合掌し、「正信念仏偈」をあげました。

ご講師は島根・覚専寺のご住職さんです。6年連続できていただきました。笑いあり、胸に迫る話あり。あっという間の2時間半でした。

私が印象に残ったお話をひとつ。世の中に宗教はふたつしかないという話をされました。「『助けてください』という宗教は助かりません。研修に出て、何かを買って、『助けてください』といいつづけないといけません」

これは、多くの方が警戒している「宗教」の姿なのかもしれません。

「助かりました」「間にあっている救いが浄土真宗です」とのお話でした。

「これだけやればこうなる」という尺度が、「宗教」の名でなされるとき、悲劇が起こるのではないかと私は思います。

そういうことにほんろうされる私たちだからこそ、「自分の方から助けにいくのだ」というのが仏のお慈悲というものではないのかなと聞かせていただきました。

ちょっと難しいでしょうか?

訂正が一つ。数日前、

「頷くも 居眠る姿も 報恩講」という句を紹介しました。今日もみなさんに読み上げ、講師さんも、「なんとありがたい句でしょうか」と感心されていました。

が、ご当人から訂正が。

「あれは婆だで」

えっ?と句集を見ると姿ではなく、婆でした。

一気に趣のちがう句に(笑)

明日は訂正してのぞみたいと思います。

網代の皇帝ダリア

朝から明日あさっての報恩講の準備で私も坊守もお昼までフル回転。寺は動線が長いので7000歩近く歩いていました。坊守は午後、仕事へ。私はマイクセット、お茶お菓子などを持って網代の道場へ。

境内では皇帝ダリアが開花していました。茎が折れて真っ直ぐに伸びず、それでも横に伸びて花を咲かせています。

道場の近くにお住まいのKさんが世話してくれたおかげでしょう。あさってはみなさんを皇帝ダリアが迎えてくれそうです。

先輩の言葉にふれる

いつもお寺を応援してくださっている坊守のご両親から、有田みかんが届きました! 毎年、お参りの皆さんにシェアして喜んでいただいています。感謝です。

私の方は朝から本堂や庫裡、客間の掃除の続き、納骨堂の墓石の汚れ落としなど。

午後は、法要でお配りするあいさつ原稿づくりです。その間に、「用事があってお参りできないので」と懇志を届けてくださったご門徒さんがありました。立派な大根、蕪、里芋もありがとうございます。

何を書こうかなあと以前の西法寺通信をめくっていました。4年前に通信に出ていただいた、今年100歳を迎えられたご門徒さんがいらっしゃいます。「西法寺さんは親せきのようなお寺です。ぼんちゃん(住職のこと)は友だちです。仏さんを大事にせんといけません。ありがたいですけえ。どうか若い人たちに伝えてください」。インタビューの最後にそんな言葉がありました。

若い人たちというのは、青年というだけでなく、このご門徒さんよりも若い世代ということでしょう。

檀家制度の崩れは、70代半ばの団塊世代からはじまり、50代前半の団塊ジュニア世代で家の宗教という言葉は姿を消すといわれます。お寺にとっては、70代の方とのつながりをいかにもっていくのかも大事な課題となっています。

ご門徒さんの言葉に改めて触れ、がんばっていかなきゃなと背中を押されました。

山茶花が咲く

今日は午前中、本堂の中と縁の掃除です。畳を拭いたり、縁に雑巾をかけたり。天気も良好で掃除日和です。

境内に目をやると山茶花の開花が進んでいます。

私は花の見分け方にうといのですが、花びらが散り落ちるのが山茶花、首が落ちるのが椿ということです。境内には椿もありますが、こちらの方はまだ開花は先のようです。

境内は年間通じてさまざまな花が咲きます。ツバキ、サクラ、モクレン、フジ、ツツジ、サツキ、カキツバタ、アジサイ、ハス、ヒガンバナ、キンモクセイ、コスモスetc…。1年はあっという間に過ぎ行きて、季節はめぐるです。

そして、招かれざるお客さん、カメムシの姿があちこちに。

ご門徒さん曰く、「カメムシ寺」西法寺の季節がことしも巡ってきてしまったようです。