午前中から午後にかけて3件の法事がありました。
1周忌、7回忌、そして25回忌とご縁はさまざまです。
こうしてひととき、手をあわせる時間を持てたことは、心落ち着き、幸せなことではないかと思います。一緒に読経される方もいらっしゃいました。
今年は親鸞聖人御誕生850年の年です。せっかくの機会ですから、私の方から、親鸞聖人が出遇われた南無阿弥陀仏の教えについて少しお話ししました。法事が終わって、「また御住職の話を聞きたい」と声をかけてくださる方がいらっしゃいました。聖人のお話は今に生きる人を励ましています。
人差し指、中指、薬指を内側におり、「親指が小指の方を向くのがわかりますか。でも小指は親指を向きません。向かない小指が私、向かないのに私を常に向いてくださっているのが阿弥陀さま」との話を、指をおって熱心に聞いてくださる方も。
「他県での葬儀の際、僧侶の方が、『鳥取は源佐さんが有名ですね』と言われたんだけど、私は知らなくて。有名なんですか」という質問も。源佐さん(1842-1930)は浄土真宗の教えに生きた妙好人として有名です。鳥取市鹿野の願正寺さんのご門徒さんでした。今度資料をお渡ししたいと思います。
ここで私の好きな源佐さんのエピソードを
あるとき、夕立に会い、びしょ濡れになって源佐さんは帰ってきました。
願正寺の御住職が、「よう濡れたのう」と声をかけます。
すると源佐さんは、
「ありがとうござんす。ご院家さん、鼻が下を向いとるで、ありがたいぞなあ」
みなさん、雨に濡れることがあったら、ぜひ考えてみてください。鼻が上を向いていたらどんなことになるか。
当たり前だと思っていることが、実はありがたいということを感じることができると思います。