朝のお勤めにて

本願寺では早朝、晨朝というお勤めがあります。読経の後、短い法話があります。ご講師の方は20年も前、若い日の思い出を話されました。

はじめてつとめた通夜の席で、ご往生された奥さんを前に、ご主人が「ありがたいことじゃ、なんまんだぶ、なんまんだぶ」と声を出されたそうです。参列された方の中からは失笑がもれました。そのことを寺に帰って住職に伝えたところ、住職は大変喜ばれたそうです。

お二人は、若い頃からよくお参りされたご夫婦だったのです。悲しい別れではあるけれど、お浄土に生まれられたことをありがたいとご主人はおっしゃられたのです。ご主人は認知症でした。しかし、ほほには幾筋もの涙の跡があったそうです。

短い話のなかにも、ご門徒さんの姿と、そこから深く学んで歩んでこられたご講師さんの姿が重なり、なんともジーンとするお話でありました。

投稿者: 西法寺

西法寺のHPを管理している釈大朗です。よろしくお願いします。

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