吾輩はシマである〜ネコの日によせる

吾輩は、岩井をなわばりにしている猫である。
一昨年まではハチワレのダブ兄さんがこのあたりのボスをされていたが、残念ながら行方知れずになった。そこで、吾輩の出番となった。
パトロールを通じ、サイホウジ関連の古家で生意気なチビが飼われていることや、黒い子猫がその家の縁の下に迷い込み、飼い猫になったことを把握した。また、この家のニンゲンたちが外の猫にも奉仕する感心な姿勢を持ち合わせているという発見もした。このことは、荒野に生きる吾輩の健康維持にも大きく寄与している。


朝はそんなに早くない。明るくなってから玄関先に出向き、仕事に出るおばさんが出てくるまで小屋(専用の箱)の上に座っておく。すだれの裏なので、通行人に気づかれることもない。おばさんが戸をガラリとあけて、吾輩はシャー!と、吠える。するとカリカリと魚の缶詰4分の1が出る。缶詰は3匹の飼い猫たちとのシェアだ。
雪が酷い日は、自主的に玄関の中に入っておく。飼い猫たちは格子戸ごしに会いに来て、黒猫などは前脚を伸ばしてくる。ずいぶん大きくなって、灼熱の庭で見守ってやった恩を忘れているのだ。
天気の良い日は、冬でも中庭が最高だ。あたたまった岩や積んである枯れ草、まとめた古雑誌など、寝床にも事欠かない。

夕飯は、まちまちだ。
寺から帰宅する坊さんと会えた時は、その場でカリカリが供されるし、会えない時は暗くなるまでにカリカリが皿に入れてあることが多い。

吾輩が立ち寄れなかった日は心配されているようだ。ここの飼い猫でもないのに、おせっかいこの上ない話だ。だが、「シマちゃん」と呼ばれたら「ニャーン」とねぎらいの声をかけてやることにしている。

では、またの機会までおさらばだ。

投稿者: 西法寺

西法寺のHPを管理している釈大朗です。よろしくお願いします。

“吾輩はシマである〜ネコの日によせる” への 11 件のフィードバック

  1. 初登場(?)のシマちゃんからのメッセージ、面白かったです。
    シマちゃんのシャーッて言ってる写真見て「ホントにこんなこと思っていそうだなあ笑」とニヤニヤしながら読みました。しかもなかなかの名文ですよね。やるなあシマちゃん。今後も定期的に登場してくれることを希望します。

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  2. あなたが元気で居てくれることが私の活力。同じ思いのニンゲンが他にも多数いることをお忘れなく。
    ひとつだけ注進させて頂くなら
    おばさん→おねえさん
    坊さん→キムタク似の坊さん
    …と記せば 缶詰1/4の割合が¹∕₃に増えるかも!?

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    1. 山陰の端っこに生息している小さな野良猫をかわいいと思っていただき、ありがとうございます。ぷうママ様の代わりにかわいがります。

      物価高騰で缶詰も値上げですが、シマちゃんの口には多めに入るよう、心がけます

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  3. シマちゃん、冬をぶじに過ごせたようでよかったよかった。
    こんな様相なので、誤解されると思うけど、心はホントに優しい温かいシマちゃんですね。
    本当にボスと呼べるのは、シマちゃんのようなひと(ネコ)だね。
    どこかの国のボスは、シマちゃんを真似てほしいです。

    これからも、元気に長生きしてくださいね!(^^)!

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  4. しまちゃんあんたは幸せだねぇ。

    ウクライナ侵攻から一年経つね。
    戦時下で学校に通う子供たちは、授業中の突然の鳴り響く空襲警報にも慣れてシェルターで学ぶという有り様だそうだよ。心や精神をすり減らしているだろうな。

     そういうネコたちもたくさんいるだろうな。

     かなしいね、ほんと。

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    1. オトナのニンゲンがはじめたせんそうにまきこまれる猫や子どもはたまったものじゃないのだ。
      猫はへいわしゅぎ。

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