今日の法事のあとのことです。
お参りされたご門徒さんがこんな話をしてくれました。
「昨日、お寺のホームページを読みました。それで思い出したんです。学生時代に仏教学の講義がありました。担当のT先生は、『いのちは光輝くものです』と私たちに話されました。今日、お経を見ながら、ここにはそんなことが書かれているのかなと考えていたら、泣きそうになりました」
ふだんは小学校の先生をされているそうです。若い日の記憶が、大きな励ましとなって今、思い出されてきたのではないでしょうか。
年回法要は、長い時間軸で物事を考えさせてくれます。亡き方が、そんな時間を用意してくださったのだと思います。
阿弥陀はアミタ。その意味は、無量です。
「量ることができません」
本来、「いのち」は量ることはできないのに、比較して、優劣をつけて生きるのが私たちです。そのことを誰よりも悲しく思い、だからこそ、救わなければと阿弥陀さまは、私たちに前屈みで立っておられます。
「誰かの目」ではなく、「仏さまの目」から自分を見つめてみた時、「これではいけない」という思いとともに、あたたかさを感じることができるのではないでしょうか。