臨終勤行にうかがって

冷たい雨が落ちる岩美町です。
午前中は3回忌のお勤めがありました。20人近いお参りでにぎやかな法要でした。奥さまが過去帳と写真を持ってこられ、前においてのお勤めでした。「過去帳を家から出したのは初めてです。今日は遠出しました」。ご自宅でお通夜をお勤めしたこと、大雪でタイヤ法要にお参りできなかったことがあったこと、お仏壇を迎えての法要をお勤めしたこと、新しくお墓を建てられ、いっしょに手をあわせたことなど、さまざま思い出しつつ、経を読みました。


午後は、朝早くにご往生された方のご自宅にうかがい、臨終法要をお勤めしました。

数カ月前、お寺にお参りされたご主人さんから、「長く闘病生活を送っている妻が、いよいよ厳しい状況になってきました。もしもの時は葬儀をお願いします」とのお話がありました。その日がなるべく先になるといいのだけれどと思っていたのですが、今日、その日を迎えました。

ご主人とご家族のみなさんと一緒に『阿弥陀経』を読みました。ご主人から長年にわたった介護の一端を教えていただきました。「着替えからご飯の介助、トイレのこと、なんでもやりました。妻はよく『すまない、すまない』と話していました。私が元気だったから家で介護することができました。もっともっと生きていて欲しかったけど、こればかりはどうしようもありません。苦しまず、安らかな顔をしています」

妹さんは、「人あたりがよく、面倒見がよい人でした。私が働いていた頃、子どもたちをよく預かってくれ、『お母さんの料理より、おばちゃんの方が美味しい」と子どもがいっていました。姉のことを悪くいう人を見たことがありません」と涙。

こういうお話をうかがうと、胸が詰まって言葉が出てきません。

同居する息子さん夫婦は、「父は毎日、母親の介護をして、規則正しく生活していました。ガックリしないかと心配です」とお話しでした。

帰り際、ご主人から「わからんことばかりですから、これからお寺さんにはお世話になります」との言葉をいただきました。

明日、明後日のお通夜・葬儀、精一杯、お勤めさせていただきます。

投稿者: 西法寺

西法寺のHPを管理している釈大朗です。よろしくお願いします。

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