南米ブラジルでの大統領選挙。ルラ元大統領が僅差で現職のボルソナル大統領に競り勝ちました。ボルソナル大統領は負けた場合、不正選挙だとして結果を認めない恐れがあるといわれていましたが、いまだに沈黙したままです。
ボルソナル大統領は、国営企業の民営化、公務員の給与凍結などをすすめてきました。経済を優先したアマゾン開発。「コロナは風邪」と、新型コロナウイルス対策を軽視して、米国に次いで世界第2位の死者を出したことなどに国内から強い批判がありました。一方、ルラ氏は、公共部門、民主主義の再建、最低賃金の引き上げ、
アマゾンの森林・先住民保護のための規制強化など訴え、幅広い共同の力で競り勝ちました。
ブラジルは2億人の人口のうち約6割がカトリック信者が占める国です。先月には、ボルソナロ大統領支持派がミサに乱入し、飲酒して暴れ、司教に野次を飛ばすなどの騒ぎがありました。ローマ法王は、「憎悪や不寛容、暴力から解放を」と大統領選挙についてコメントしていました。
どうなるのか注目していたので、今回のブラジル国民の選択が、深く分断された国の再建につながることを願うばかりです。