お寺に話を聞いてほしいという方がお見えになりました。坊守の知り合いの方です。私が僧侶ということを聞かれたようです。
相談の内容は、「母が亡くなったとき、葬儀をつとめていただけないか」ということでした。事情をよく聞かせていただき、お引き受けすることにしました。
数年前、お父さんの葬儀の際、どうしていいか分からず、知り合いの宗教家の方にきていただいたそうです。今回は頼れる先もなく、私を訪ねてこられました。
私からは、お寺で葬儀もできることも説明し、困ったことがあればなんなりといってくださいとお伝えしました。「檀家にも入れてほしい」とのことでした。「それはありがたいことですが、よく考えてみてください」とお答えしました。
ご近所のご門徒さんから、「わしらぁの若い頃は葬儀会館はなかったけえ、お寺で葬儀をしとったもんが多かったで」と聞いたことがあります。
お寺での葬儀は、阿弥陀さんのお慈悲を身近に感じることができます。多くの場合、会館での葬儀より費用負担は小さくなるはずです。
お寺をもっと活用し、ご家族の意向をふまえた葬送儀礼ができるようにしていきたいと思います。