今月に入り、4件目となる葬儀です。季節の変わり目なのでしょうか、わずか10日の間に、これだけの葬儀をつとめるのは初めてのことです。
行年96歳の人生を閉じられ、お浄土に往かれたご門徒さんの息子さんから教えていただきました。
「父は師範学校を出て、1945年8月15日が入隊予定日でした」
終戦がもっと先であったならば、お父さんは入隊され、戦地に赴いたのかもしれません。
戦後、教員となられ、最後は小学校の校長先生もつとめられたそうです。お寺を支える役員としてもずいぶん、お世話になりました。
お通夜では、生まれたばかりのひ孫さんが、元気いっぱいに泣いていました。
先日、葬儀をつとめた際、亡くなられたご主人の奥さんが、「私は戦後、家族と台湾から引き上げてきました」とお話しでした。
戦争の影響を少なからず受けたとおっしゃる高齢者の方は少なくありません。このような形で文字として記録することも、僧侶の役割のひつつなのかもしれないと思います。