今日は朝、50回忌のお勤めがありました。施主さんは私と同学年の方。家に同居していたおばさんの50回忌に、一人で参ってくださいました。幼少の頃に亡くなられ、記憶はあまりないそうです。それでも参っていただいたのですから、ありがたいことです。
この方のお母さんから、日課としてお仏壇の前で手をあわせていると、以前、うかがったことがあります。コロナ前のお盆参りのことです。私はまだ僧侶になって1年もたっていませんでした。私はお経本を眺めつつ、お母さんは本を見ないで、一緒にお経をあげたことがあります。「お母さんの姿にふれてちゃんと覚えておかないといけないなあと反省したんですよ」と息子さんにお話ししました。
帰り際、「お線香を横に寝かすのはどうしてですか」とおたずねでした。
「これは教えからではなく、伝統からなんですよ」と私。
「現在のようなお線香のなかった時代、燃香という方法をとっていました。粉末状のお香を直線状に盛って、左の方から火をつけていたそうです。その名残で、本願寺派では今も横に寝かせるんです」とお話ししました。
詳しく知りたい方は、中央仏教学院のホームページをご覧ください↓
http://www.chubutsu-tsukyo.jp/?p=634
とは言っても、ご門徒さんのお宅にうかがうと、多くの方は立てて使っておられます。ごく自然な使い方です。それでも、中には、横に寝かせてお線香をあげているご門徒さんもいらっしゃいます。そんな時は、「よくご存知ですねー」と思わず声をかけることもありますね。