ここ数日続いた初夏のような陽気で、体の方がついていかないという方もいらっしゃることでしょう。今日の岩美町は風があり、幾分肌寒い陽気です。
午前中、外掃除用の熊手などを求めて町内のスーパーへ。境内も私と坊守と2匹の猫が住む古民家も、草が元気いっぱいに伸び始め、今年も草刈りの季節がやってきたのです。
スーパーでは、買い物中の短時間の間に、思いがけず3人のご門徒さん、そしてご門徒さんの娘さんに会いました。
「これから畑をおこすんですよ」と話す方の車には耕運機がつんでありました。サツマイモを植えるそうです。都会暮らしの方にはあまり想像つかないかもしれませんが、畑作業をされる方にとって草刈機と耕運機は必須アイテムなのです。私の家にも両方あるくらいですから。
「歳をとったらいけませんねぇ。あちこち体が痛くて。畑仕事も今年は草引きくらいしかやってません。コロナでいろいろ中止になって残念ですねえ」
「夫に、『お母さんの3回忌だで。早く日程決めて』と言っているんですが、漁に出るとすっかり忘れてしまうみたいで。夫に念押しします5月の連休にお参りしますので、お願いします」
何気ない会話なのですが、こうした、いわば当たり前の日常が奪われた人びとのことを思うと胸が詰まるのです。
実は朝のニュースで、ロシアの侵略が引き起こしている被害の大きさにふれ、打ちひしがれていました。同時に、新聞で知ったユネスコ憲章の前文「戦争は人の心の中で生まれるものであるから、人の心の中に平和の砦を築かなければならない」に本当に励まされました。
誰かと話したり、喜びや悲しみにふれて、共感したり…。そうした人間らしい営みを否定する戦争を決して許してはいけません。
「人の心の中に平和の砦を」