大正時代に生まれ、ご生涯をまっとうされた方のお通夜をお勤めしました。この時代に生まれた日本の男性は1500万人あまり。うち戦争で亡くなった方は200万人を超えます。カムカムエブリバディの安子のように戦争未亡人となった女性も少なくありません。
浄土真宗をはじめとした仏教教団は、戦争に進んで協力し、ご門徒を戦地に送り、国のために死ぬことを奨励しました。西法寺のご門徒さんも若くして亡くなられた方がいらっしゃいます。
本堂の内陣の輝く金の色は、全てのいのちは尊く、みな、お互いに光り輝いていることを表しています。無量光明土、お浄土という世界です。そのことを全く忘れ去っていたのが戦争の時代だったと思うのです。その時も、いのち真実に気がつけ、気がつけ、と阿弥陀様は声を上げ続けておられたのです。人間は間違うということを直視しなければなりません。
戦争の時代、そして戦後と生き抜いてご往生された亡き方のお通夜の席で、改めて誓わなければならないことがある、と思うのでした。