奈良の瓦会社の専務さんが今日の昼前に現場を見に来られました。
本堂のシンボルともいえる瓦の仕事に携わり、依頼があれば北海道から沖縄まで全国の寺院に出かけられるそうです。
これまでお仕事された実績をうかがうと、誰でも知っている寺院の名前も出てきます。
うちと同時進行で、徳島のお寺さんの屋根瓦修復にもあたられているそうです。
今来ていただいている3人の職人さんは、町内の旅館に宿泊されていますが、「料理が美味しい」と喜んでおられました。昨日はカレイの唐揚げが夕食に並んだとか。今は底曳漁の季節です。もう少しするとズワイガニ漁も解禁です。
専務さんに、「随分、車での移動が多いんじゃないですか」とたずねると、「毎年約4万キロ車で走ります。仕事柄、京都、大阪に行くことが多くありますから」と。
小一時間ほど滞在され、再び奈良へトンボ帰りです。「きちんと仕事させてもらいますので」との言葉をいただいて、ちょっと感動しました。
こういう方達の努力の賜物で、伝統建築は守られているんだな、本当にありがたいなとつくづく思うのでした。
頭が下がるとはこのことです。働くことの素晴らしさを感じさせられました。
本瓦葺きはなかなか手間もお金もかかります。江戸時代中期に波型の瓦が発明されるまでは、庶民の建物は藁や茅の屋根でした。宮大工寺大工といった人たちが、その技術継承が保護されるよう、政治行政の在り方が問われるように思います。
「中小企業はつぶせ」と公言する新自由主義の旗頭デービット・アトキンソンという人がいますが、彼は一方で文化財修復企業の代表でもあり、多くの技術者の養成も手掛けています。お坊さんや神主さんも、もっと大局から政治参加していかないと、知らないうちに自らの存続基盤を失いかねないかも。
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