昨日の3回忌のお参りでのことです。
「毎月お墓参りに欠かさずいっています。おばあちゃんに見守られている気がするんです」とおっしゃるお孫さんがお参りでした。おばあちゃんとの深いつながりを毎月、確認されているのだと思います。
いま、『これからの仏教 葬儀レス社会』(興山社、櫻井義秀著)という本を読んでいます。以前、このブログでも紹介したことがありますが、著者の櫻井義秀さん(北大大学院教授)は、2018年に興味深い調査を行っています。この著書でも紹介されていますが、墓参りと幸福度の相関関係についてです。

図表にあるように3つの設問があります。
お盆やお彼岸に墓参りをするか
地域のお祭りに参加するか
宗教団体の集まりに参加するか

お墓参りを「よくする」人の幸福度は高い。少し意外なのが、「たまにする」人の方が、「しない」人よりも幸福度が低いという結果です。櫻井先生は、「中途半端にやると満足感がかえって得られないのです。先祖や両親の墓が遠く離れた故郷や不便な場所にあるために頻繁に墓参りができない。このことは気持ちがある人ほど負い目となります。だから、墓じまいをする人がいるのです」と記しています。
そして、「現代の家族や個人の状況にあった葬儀・追悼のかたちを提案し、宗旨の別なく誰にでも『最期の安心」を提供する時代になったのではないでしょうか」と指摘されています。
西法寺でも、納骨堂にお墓を移したことをきっかけに、年5回の納骨堂法要に毎回のようにお参りされるご家族があります。遠くからお布施を送ってくださる方もあります。お墓に関する不安や悩みをよく聞いて、お寺として、手を合わせることのできる場を用意することにもっと取り組んでいかなければならないなと感じています。
そんなことを思いつつ、今日は納骨堂の前の落ち葉掃除をしていました。