一昨年の12月、銃弾に倒れた中村哲さんの活動を記録した『希望の一滴』を読みました。

中村さんは医師として若い頃からアフガニスタンで治療にあたりました。そして病気の背景に、水不足があることを痛感し、井戸を掘り、用水路の建設にとりくんでこられました。「百の診療所より一本の用水路を」とあります。
ソ連の侵攻、そしてアメリカの軍事介入、加えて気候変動の影響により荒れ果てた大地に水が通され、農地がよみがえりました。水が戻った土地に難民化した村民が帰って農業が営まれているのです。潤した面積は16500ヘクタール。65万人が安心して暮らせる広さになるそうです。
胸をつかれる中村さんのテキストが随所に散りばめられています。ふるさとを取り戻したアフガンの人々の笑顔に胸が熱くなります。
中村さんは「この豊かな緑の広がり、命の営みにこそ望みがあるような気がしてならない」と書いています。そして、「平和には戦争以上の力がある」と。
深く感動しました。アブガンの人々のためにささやかでも力になりたいと思い、中村さんがつくったペシャワール会の新規会員に申し込みました。